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中国で「墓荒らし」激増のナゼ?押収物が1年で倍、2年で約6倍に

中国では2021年に「墓荒らし」の取り締まりで押収された文化財の数が6万6000点にも及び、2020年の倍以上、2019年からは6倍近くと激増しているとの報道があります。いったい何が起こっているのでしょうか。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんは、「墓荒らし」は中国の伝統文化と解説。中国共産党に次ぐ巨大組織と言われる中国マフィアが盗掘を活発化させていることに加え、上海のロックダウンで市民の不満が高まっていることなど、過去に中国の王朝を崩壊させてきた力が育ってきていると、不穏な予感を伝えています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年4月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【中国】新型コロナ下で墓荒らしが横行する中国の危ない未来

「摸金校尉」猖獗 大陸去年追繳6.6萬件文物達五年新高(「盗掘」が横行、去年の押収は6万6000点に及び、5年ぶりの高水準に) | 聯合新聞網

上海市など大都市での新型コロナの流行爆発、ロックダウンによる経済的影響が深刻化している中国ですが、こうしたパンデミック状況において、中国では墓の盗掘が猖獗を極めているということが、4月12日付けの「聯合法」で紹介されていました。

記事によれば、2021年には3000件以上が取り締まられ、6万6000点以上の文化財が押収されたそうです。これは前年に押収された3万1000点の倍以上、さらには2019年の1万1164点の6倍近くにも及んでおり、過去最高を記録しているそうです。

中国では、墓の盗掘を「摸金校尉」と言います。これは、三国時代、魏の曹操が軍費不足を解消するため、侵略した地域で墓の盗掘を行う「摸金校尉」という役職を設けたことにちなんでいると言われています。また、戦国時代、孔孟と並び称される荀子はその政論ですでに「盗墳」などを論じています。

この故事からわかるように、墓の盗掘は中国では古くから行われきた伝統文化なのです。中国では墓暴きは日常茶飯事だったのです。「死体に鞭打つ」という言葉がありますが、これは呉の伍子胥が、自分の父兄を殺した楚の平王の墓を暴き、その死体を鞭打った故事によるものです。このように中国古典ではよく仇敵の墓を暴いて死体を鞭打つシーンが出てきますが、そのとき、当然ながら同時に埋葬品などもすべて接収します。

新型コロナの流行以降、経済活動が厳しく制限されてきたこともあり、こうした盗掘が急速に増えていることがわかります。

今、チャイナ・マフィアが地方政府と手を組んで、世界で知名な考古学者を雇い、人工衛星で地下埋葬品を探査しています。帝墳だけでなく、地下埋葬品をことごとく発掘し尽くし、空軍の輸送機と海軍の輸送艦で、国家文化財を盗み、国外へ売り払っているのです。

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こうした盗掘のブラックマーケットを牛耳っているのが中国マフィアです。中国共産党員は全国で9600万人にのぼりますが、黒道(マフィア)はそれに続く第二の巨大組織と言われています。麻薬や売春も手掛けて豊富な資金を持ち、マスコミ、教育、司法などを牛耳ることもあります。「十警九黒」という言葉がありますが、これは公安警察十人のうち九人は黒道だという意味です。そして、彼らは政府からではなく黒道から給料をもらっているのです。

盗掘摘発が年々倍、倍々となっているということは、こうした黒道が活発化していることでもあります(中国政府は厳しい取り締まりで摘発が増えており、盗掘事件は減っていると力説していますが)。中国では社会が不安定化し民衆の不満が高まると、そうした社会不安に乗じる輩が多数出てきて、やがてそれらが糾合されて梁山泊となり、各地で反乱が発生して王朝を倒すということが繰り返されてきました。

現在、ロックダウンが続く上海は混乱の極みに陥っています。人々が品物を奪いあい、一つの商品をめぐる暴力沙汰も頻発し、日本のテレビなどでもそうした光景が報じられています。

先日は、子供が40度の熱を出したため解熱剤を求めて近くの家や商店を泣きながら一軒一軒尋ね回る母親の姿を撮影した動画がネットに出回り、市民の怒りが高まっているという記事が台湾の「自由時報」に載っていました。

上海媽深夜呼救畫面流出… 民批「中國新聞只有日期是真的」 – 自由時報電子報

同記事では、「政府が嘘をついていることは、誰もが知っている。だから新聞もニュースも見ない。こうしたメディアは句読点さえ信用できない。正しいのは日付だけだ」という、上海市民の声を紹介しています。

表の経済が失速すると裏の経済の割合が高まっていきます。そして裏の経済が力をつけると、表の政府を脅かす存在となります。中国ではつねに「馬上天下を取る」であり、武力によって易姓革命、政権樹立が行われてきました。現在の中国の成立も血で血を洗う武力闘争の結果です。

盗掘が横行しているということは、黒道と裏経済が活発化しているということでもあります。これは習近平政権への抵抗勢力が力をつけ始めているということでもあり、中国共産党体制を脅かす勢力になる可能性も十分にあるのです。

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