MAG2 NEWS MENU

実は資源大国ニッポン。武田教授が正す「我が国には資源がない」のカン違い

原材料やエネルギー源の多くを輸入に頼っている日本のことを「資源がない国」と考えてはいないでしょうか。これが実は大きな勘違いで「日本は資源大国」であると持論を披露するのは、中部大学教授の武田邦彦さんです。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』で武田教授は、日本には豊かな資源があることに加え、「現代の資源」には「技術」が欠かせないものになっていると解説。その技術を持つ日本の力を維持し伸ばすために、一律の英語教育をやめたほうがいいと提言しています。

メディアでは報じられない真実を武田教授が紹介!メルマガのご登録・詳細はコチラ

 

資源大国・日本が持つ「知のチカラ」には一体どんなパワーがあるのか

「日本には資源がない」と言う人がいる。たしかに、石油、石炭、天然ガス、鉄鉱石などの資源は日本にはほとんどない。いや、無いように見える。それは、「現代の資源」というものを知らないからだ。日本は資源大国である。それをここではじっくりと説明したいと思う。

「ライオンはなぜ檻に入れられているのか?」という随筆を書いたことがある。人間より体も大きく、腕力も強く、キバも鋭い。それなのにライオンは人間に捕らえられて檻に入れられ、見世物になっている。

「知は力である」と著者は書いた。体力、武器ともに貧弱な人間がライオンを捕らえているのは知のチカラであり、知のチカラは暴力よりも強い。

ところが、現代の日本は「知のチカラ」を信じていない。前回、日本の温暖化対策は他の国と全く違い、それは日本の地形、海洋への二酸化炭素の吸収、偏西風などによっているのに、それらにまったく知識のないNHKや政治家、それに国立環境研が幅を利かせている。だから意味のない温暖化対策で膨大な税金が使われる。

それでは「エネルギーの知」とは何だろうか?日本の子供たちに素晴らしい日本を引き継げるだろうか?

かつて、明治時代は石炭の山を持っていたら「石炭王」だった。それは山の権利だけ持っていれば、あとは「工夫と鶴嘴」を手配すればよく、何の工夫もいらなかった。ところが現代は全く違う。特に21世紀になってから、(日本で報道されているのとは違うが)石油、石炭、天然ガスは世界的に供給力が過剰で、買い手市場である。

石炭はすでに地下から掘るものより大陸にある露天掘りが主力で(露天掘りと言っても表土はあるので、それを除いてからの生産になる)、表土除去、発破、大型トラックによる輸送、大型シャベルを使った積み替えなどの技術によって生産コストが決まり、悪い技術を使うとたちまち赤字に陥る。

原油でもかつてはパイプを地下に刺し込めば自噴するという油田が多かったが、この頃は水を圧入したり、さらにシェールオイルのように3000メートルも地下からくみ上げるものもある。

化石燃料はその成因から、「次第に掘削が困難になり、困難になるほど埋蔵量も増える」ということなので、現在もすでにそうであるが、将来はさらに「技術の勝負」になる。つまり、化石資源のある国というのは、「山がある」から「技術がある」に変わりつつあるのだ。

メディアでは報じられない真実を武田教授が紹介!メルマガのご登録・詳細はコチラ

 

もし日本が現在のように世界の技術をリードして資源国というポジションを続けたいなら、技術の才能のある人を潰さないことが第一である。著者の経験では、世界レベルの技術を突破できる若い人(学生など)の特徴は「コミュニケーション能力が低い」ことである。それはおそらく脳の構造から言って、語学と物理の場所が同じか、あるいは相互に関係があるからだろう。

学生を教えていて、コミュニケーションの優れた学生はきまって物理が弱い。特に電気、機械の成績が悪い。また電気、機械が得意でも語学の勉強をするとダメになる。この反対で、コミュニケーションの得意な子供で、電気機械が強い子供は、いることはいるだろうが少ない。だから、英語やコミュニケーション力の教育は特異な子供には良いかもしれないが、全員に強制するのは良くないと思う。

また、別の話になるが、日本は世界で唯一の温帯の島国で、偏西風が吹き、黄砂が飛び、砂地でできていて、列島中央には山脈がある。だから、石灰石、降雨や淡水、連作できる田畑、豊富な漁場、多種類の植物、温和な気候などに恵まれている。

石灰石は年に2億トンも取れるし、淡水は豊富で、しかも上質の軟水であり、飲料水になる水は日本人が飲む水の10万倍も降る。中国から毎年、弱アルカリの黄砂がやってくるので、それで田畑や近海が中和されて連作が効き、豊漁が続く…これでどうして「資源がない国」なのだろうか?(メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』2022年4月27日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

メディアでは報じられない真実を武田教授が紹介!メルマガのご登録・詳細はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

武田邦彦この著者の記事一覧

中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」 』

【著者】 武田邦彦 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け