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武田邦彦氏が振り返る、米国に甘えた情けない“属国”ニッポンの戦後

以前掲載の「武田教授が明言、「独立国」と認められるために日本人が示すべき決意」で、プーチン大統領の「日本は属国」との主張を一部認め、独立国の要件を説いた中部大学元教授の武田邦彦さん。今回のメルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』では、敗戦後約80年にわたり、与野党が「阿吽の呼吸」で結託し、アメリカの「属国」に甘んじるシステムを維持してきた手法を暴くとともに、その茶番劇を追認し国民にウソを伝えてきたメディアの罪を厳しく指摘しています。

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良くやってこれたものだ。属国主義の日本の全政党

アメリカに甘える属国「日本」の80年の政治を振り返る

大東亜戦争から80年弱、よく日本はやってこれたと思う。戦争に負けたとはいえ、輝かしい戦果を挙げて、むしろ敗戦した原因は、戦闘より大量虐殺(東京大空襲、広島長崎の原爆、沖縄占領)などが原因とも言える。

その後、サンフランシスコ平和条約によって形式的には独立国家に戻ったが、実質はアメリカ軍が駐留していたので、国際的には特定の国の軍隊に占領されている属国と言える。日本人はともかく先進国の人から見ると、不思議な国に見えただろう。日本は人口でも、GDPでも世界の大国だ。その大国で、しかも世界一古い歴史を持ち、誇り高き民族が80年弱もアメリカの属国に甘んじているのだ。信じられないだろう。

でも、日本の属国システムは国会で、実に「阿吽の呼吸」でうまくやってきた。集団行動が得意な日本人らしい政治であり、社会だった。

手法としては、独立を回復しても、「憲法九条」をうまく使って「日本の未来を考えないなれ合い政治」に終始してきた。著者の推定も入れて、この80年弱を考えると次のようになる。

1)自民党は「改憲、再軍備」を掲げて結党したが、当初から独立する気持ちはなく(主として当時の記録にある)、それはアメリカの指導部に通知していて(これも日米の記録にある)、日本国民には「改憲、再軍備」と言っていた。

2)日本社会党をはじめとする野党は自民党の腹の内を知って、故意に対決姿勢を取った。この矛盾はやがて社会党の「自衛隊は違憲、合法」という奇妙な言い訳になった。現在でも立憲民主党、共産党などは同じ騙し路線である。

3)日本のマスコミの首脳部は自民党の思惑と社会党との茶番劇を知っていて、それを知らないようなふりをして報道を続けた。

4)自衛隊を作り、すでに世界で5番目の軍事力なのに、「憲法の番人」とされる最高裁判所があるのにも関わらず、憲法九条違反という訴訟は起きていない。自衛隊と称する軍隊は年間、5兆円ほどの国家予算を使っているのだから、訴訟の理由は十分である。でも訴訟が起きていないのは、茶番劇であることの証拠の一つである。

5)属国が自ら属国であることを望んだのは、長い世界史の中でも弱小国以外では初めてであると考えられる。

このうち、最も罪が深いのは、与党と野党の連携で国民にウソをついてきたこと、メディアがそれを知っていてこれも国民に違う情報を伝えていたことだろう。いずれも、もし自分の職務に忠実で正直であれば、70年になるウソを続けることはできなかっただろう。

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1960年当時、日本の主たる政治家は次のように考えたと思われる。

1)戦争で日本人は310万人が命を落とし、そのショックは当分続くので、再軍備は反感が強いだろうと推定した。

2)爆撃での荒廃が著しく、再軍備に力を入れず経済復興を優先させることが大切と判断した。

3)朝鮮戦争直後で東西対決も厳しく、日本にアメリカ軍を駐留させることが望ましいと考えた。

4)しかし、他国の軍隊が常時駐留するのは「属国」を意味するので日本人の反発が強いと考え、野党やメディアとの連携で日本国民にはウソをつくことにした。

ある意味で、戦後の復興には正しい選択だったかも知れない。1960年から1990年の日本の飛躍的な経済発展は軍事を優先しなかったことによるからである。しかし、このことが1960年、岸内閣の安保騒動の時にも議論されず、日米関係は闇の中に入り、1990年にバブルの崩壊とともに新しい日米関係の構築が可能になったのにも関わらず、国民にウソをつき続けた。(メルマガ『武田邦彦メールマガジン『テレビが伝えない真実』』2022年6月1日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください、初月無料です)

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image by: Shutterstock.com

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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