安倍元首相狙撃事件を防げず、大失態を犯したと批判を浴びている奈良県警。現在、警察庁が派遣した専門チームによって検証中だが、今度は別の件で耳を疑う事態が発覚した。奈良西署で銃の実弾5発が一時行方不明となり、取り調べを受けた同署の男性署員に「盗んだだろ」と自白を強要。後日、潔白は証明されたものの、署員はうつ病を発症して休職に追い込まれているという。
実弾盗難の疑いで自白を強要、後日点検ミスが発覚
1月7日、奈良西署は同署の拳銃庫で保管していた実弾5発を紛失したと発表した。共同通信によると、外部に持ち出された可能性があるとして捜査が開始されたという。
やがて一人の男性署員に容疑が向けられた。紛失が起きる直前にその署員が拳銃庫の点検をしていたからという理由だ。
その後、2月28日から3月8日の間、長時間に渡って取調べが行われた。署員の弁護士の話では、冤罪被害者と同じように刑事から「お前がやったのは分かっている」「いろんな罪を掘り下げて何度でも逮捕してやる」などと、犯人と決めつけられ自白を迫られたという。
県警は窃盗容疑で署員の自宅の家宅捜索。3月9日に署員はうつ病の診断を受けて休職に入った。
しかし、その後の内部調査で実弾はなくなっていなかったことが判明。装備品の点検作業が不十分だったために、紛失と勘違いされただけだったという。
署員は違法な取り調べだったとして、県警に抗議文を提出。県警は15日付で当時の奈良西署副署長ら3人を所属長訓戒処分などとした。
【関連】ケネディ暗殺事件と酷似。安倍晋三元首相を殺害した「真犯人」は誰か?
県警内部のずさんな体質が原因か
「実弾がなくなったと思ったら、ありました。ただの勘違いでした」平たくいえば、今回の件はこういうこと。捜査には慎重をきたさなければならない警察の所業とは思えないほどのお粗末さだ。
奈良県警に対しては8日に起きた安倍元首相襲撃事件で、「警備に問題があった」ことを認め、批判の声があがっている。
そんな中、発覚した自白強要問題。署員の弁護士などによると、県警は14日、実弾の管理がずさんだったことを認めた上で、無関係であるにも関わらず捜査したことについて男性に謝罪したと産経新聞などが報じた。
県警は捜査について「法と証拠に基づいて実施した」と説明しているものの、体制に問題があったことは否めない。奈良県警に対する批判がやむことは当分の間なさそうだ。
【関連】「次は絶対にやりますよ」安倍晋三氏が京大教授に約束していたこと
Twitterの反応
実弾5発を盗んだと疑われた署員は無実を主張したが、犯人と決め付けられ自白を要求された
実弾は無くなっていなかった
疑われた署員はうつ病を発症して休職奈良県警で実弾5発が一時不明 署員を犯人扱いも…実際は点検ミス https://t.co/AaJ6axnJPB
— 地方民 (@Chihomin2021) July 15, 2022
謝罪で済む問題じゃない
名誉毀損で億単位の損害賠償じゃ奈良県警、実弾紛失は誤認と発表 犯人扱いだった署員に謝罪(共同通信)#Yahooニュースhttps://t.co/FLPdJCJELa
— jody (@jody_foster5963) July 15, 2022
まだ自白強要なんて事をやってるのか…冤罪を生むから、やってはいけないはずなのに。
奈良県警、実弾「紛失」で奈良西署員を取り調べ 「自白要求された」 | 毎日新聞 https://t.co/EALa4QSgYQ pic.twitter.com/YtyOfaOC0P— チョビ之助×3 No.5287 (@Cyobinosuke) July 15, 2022
なんかやっぱりいろいろありそう
奈良県警、署員を犯人扱い 実弾窃盗疑う、実際は点検ミス | 2022/7/14 – 共同通信 https://t.co/WLNXNyytts
— はち12 (@hachi12new) July 15, 2022
この教団の施設では、1~2年前から窓が揺れる程の爆発音がして、近所の人も何度か通報してる。前日の試し撃ちも、近所の人が爆発音の後、軽自動車が走っていくのを目撃。その時にきちんと捕まえてれば、こんなことにはなってない。やはり奈良県警、不可解なんだよな。 #スッキリ
— 車エビ (@ffjjddww88) July 11, 2022
1年も前に山上容疑者の銃の試し撃ちの爆発音を聞いた市民から110番通報があったという。また同容疑者の軽自動車も目撃されていた。この時、奈良県警がきちんと捜査し、容疑者を逮捕していたら、今回の惨劇は避けられた。この情報が事実なら、県警本部長のほか警察庁長官と警備局長も更迭されよう。
— 加藤清隆(文化人放送局MC) (@jda1BekUDve1ccx) July 12, 2022
※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
image by : JoshuaDaniel / shutterstock