ケネディ暗殺事件と酷似。安倍晋三元首相を殺害した「真犯人」は誰か?

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特定の宗教団体を巡り一方的に殺意を抱いた男から銃撃され、無念の死を遂げた安倍晋三元首相。しかしその警察発表について、疑念を抱く声も上がっています。今回の無料メルマガ『 田中宇の国際ニュース解説 田中宇の国際ニュース解説 』では著者で国際情勢解説者の田中宇(たなか さかい)さんが、「個人的な怨恨によるものとは考えにくい」として事件の真相を推測。ケネディ大統領暗殺との共通点も挙げながら、驚きの持論を展開しています。

安倍元首相殺害の深層

7月8日の安倍晋三・元首相が殺害された事件の最大の要点は、安倍が自民党を仕切っている黒幕・フィクサーだったことだ。安倍は一昨年に首相を退いた後、後継の菅義偉と、その後の今の岸田文雄が首相になるに際して自民党内をまとめ、菅と岸田の政権が安全保障・国際関係などの重要事項を決める際、安倍の意向が大きな影響を与える体制を作った。安倍は首相時代から、対米従属を続ける一方で中国との親密さも維持し、日本を「米中両属」の姿勢に転換させた。安倍は、米国の「インド太平洋」などの中国敵視策に乗る一方で、日中の2国間関係では中国を敵視せず協調につとめ、世界の覇権構造が従来の米単独体制から今後の多極型に転換しても日本がやっていけるようにしてきた。

米国の中国敵視に追随せず対中和解した安倍の日本

安倍はプーチンらロシアとの関係も維持しており、ロシア政府はウクライナ開戦後、岸田首相や林外相らを入国禁止の制裁対象にしたが、岸田の後ろにいて日本で最も権力を持っていた安倍は制裁対象にしなかった。ウクライナ戦争によって作られた米国側と非米側の対立の激化は、今後時間が経つほど資源類を握るロシアなど非米側が優勢になり、日本など米国側は資源調達がとどこおって経済的に行き詰まる。岸田政権は今のところ米国の言いなりでロシア敵視の姿勢を続けてきたが、今後はロシアなど非米側から石油ガスなどを止められる傾向が強まり、資源を得るためにロシアと和解せねばならなくなる。そのとき安倍がプーチンとの関係を利用して訪露などして対露和解を進め、日本を資源不足の危機から救う展開が期待できた。そのため、露政府は安倍を入国禁止の対象に入れていなかったと考えられる。

左翼リベラルなどは安倍を敵視してきたが、安倍は今後の日本に必要な権力者だった。だがその安倍は今回、ロシアなどが日本への資源輸出を止める報復措置を強め始め、安倍の出番が近づいたまさにそのタイミングで殺されてしまった。これから日本が資源を絶たれて困窮しても、日本を苦境から救うことができたかもしれない安倍はもういない。7月8日の安倍の殺害は、偶然のタイミングにしては絶妙すぎる。報じられているような、犯人の個人的な怨恨によるものとは考えにくい。今回のような大きく衝撃的な政治事件は、偶然の産物として起きるものではない。安倍の殺害は、日本がこれから困窮しても中露と関係を改善できず、中露敵視を続けざるを得ないようにするために挙行された可能性が高い。

中立が許されなくなる世界

安倍の死去により、日本の権力は岸田のところに転がり込んだ。これまで岸田は安倍の傀儡だったが、安倍が死んだので岸田は好きにやれるようになった。岸田が今後も安倍が作った米中両属の路線を継続する可能性はゼロでない。しかし、安倍殺害犯を動かした背後の勢力は、岸田に勝手にやらせるために安倍を殺したわけでない。安倍を殺した勢力はおそらく、安倍を殺すと同時に岸田を傀儡化し、安倍が続けてきた米中両属の路線を潰し、傀儡化した岸田に中国やロシアに対する敵視を猛然とやらせるつもりだろう。

日米欧の負けが込むロシア敵視

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