7月8日、奈良県で応援演説中に銃撃され、命を絶たれた安倍晋三元首相。その死は、我々日本国民にとってとてつもなく大きな損失でもあったようです。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では著者で京都大学大学院教授の藤井さんが、安倍氏が「日本を真の独立に導き得る力」を持っていた政治家であり、その存在は唯一無二であったと高く評価。さらに安倍氏が藤井氏との会話の中で口にしたという力強い言葉と、その後に踏み出してみせた「現代日本の政治を大きく転換させる歴史的な一歩」を紹介しています。(この記事は音声でもお聞きいただけます。)
(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』2022年7月9日配信分の一部抜粋です)
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安倍晋三元総理のご冥福を祈念致します。そして我々は、日本を取り戻す、その思いを引き継がねばなりません
安倍元総理が、奈良の路上で街頭演説中に散弾銃で撃たれ、息を引き取られました。
安倍元総理については、国内に様々な批判があったことは事実です。当方も、安倍さんの政治に、様々にご支援申し上げると同時に、批判を少なからず差し向けて参りました。
しかし「政治家・安倍晋三」を失った今、率直に申し上げまして、「安倍晋三」程に、「日本を真の独立に導き得る力」を持った政治家が、今の日本の中に誰一人見いだせないというのが、当方の偽らざる気持ちです。
どれくらいの日本人が気づいているのか見当がつきませんが、僕はこの損失は、「巨大な損失」であると感じています。
本当に、残念、としか言いようがありません…。
「日本を真の独立に導き得る力」とは、もちろん与党の最大派閥の長であるという要素も含まれてはいます。しかし、そんなもの如きでは、日本を真の独立に導くことなど絶対に出来ません。仮に総理大臣であろうが財務事務次官であろうが、そんな永田町・霞ヶ関における政治力学的権力を持っているだけでは、日本を真の独立に導き得る事など、絶対に無理だからです。
「日本を真の独立に導く」ためには、「思い」が必要なのです。
そして安倍さんには、その「思い」があったのです。
繰り返しますが、当方は、「安倍晋三」の政策の全てを支持しているわけでは全くありません。様々な新自由主義政策を進めたこと、とりわけ、消費税を2度引き上げた事について徹底的に批判して参りました。
しかしそれでもなお、安倍さんには、財務省が国内最強の政治権力を持ち、米国が日本に対して強大な外交的支配的影響力を持っているという状況の中で、なんとか「日本を真の独立」に導きたいという思いを込めた政治活動を続けられていたことを、ことある毎に感じて参りました。
そんなもの、全然信じられない、と思う方もおられるでしょう。
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