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自民・福田達夫氏、旧統一教会「何が問題かわからない」という問題発言

安倍元首相の銃撃事件をきっかけに、次々と明らかになる自民党と旧統一教会のただならぬ関係。しかしその「事の重大さ」を理解していないかのごとき同党議員たちの言動に、怒りを通り超え呆れの声が上がっているのも現状です。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、そんなか彼らの声を改めて誌面で紹介するとともに、何が問題であるかを簡潔明瞭に解説。さらに岸田首相がこのトラブルにどう始末をつけるのかが注目されるとの見解を記しています。

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自民党と統一教会の関係やいかに:「デモくらジオ」(7月29日)から

やっぱり統一教会の話ですね。あの、安倍さんが参院選投票日直前に演説中、奈良で撃たれて亡くなるという事件。なんか呆気ないなという感じがしましたけれど、その事件の動機を巡って一気に各メディア、これ、色々なブレーキが掛かっているのではないかと言われることがあり、実際そのようなこともあるかもしれませんが、その割にはよく報じられてきていますよね。

自民党と統一教会の関係やいかに。テーマはこれです。

自民党というのは、2回ほど例外がありますけれど、長年政権の座にあって、日本の政治の基本方向について責任のある政党ですね。その政党のそれこそ、国葬にしたいと岸田さんが思うほど重要な政治家であって、首相を退いた後もさながら最高権力者のように振る舞っていた安倍さん。その安倍さんと統一教会が極めて密接な関係にあったのではないかということになると、これは極めて大きな問題が背後にある、というかモロ見えですよね。霊感商法一つとってみても、まあ、日本からとにかくカネをむしり取っていこうという組織。

しかも宗教法人としての庇護を与えられたその組織が、日本の政治の中枢に深く入り込んでいたということになりますね。秘書を提供し、選挙の時には運動員を派遣し、様々な支援を行い。その見返りと言うべきかなんと言うべきか、統一教会系の団体の会合に出てはコメントを発表し、ビデオメッセージを出し、ということでしょ。霊感商法で、つまり人を霊がついているとかなんとか脅かして金を巻き上げ、その巻き上げたカネで彼らは自民党のために活動をしていたと見ることも出来るわけですから。

ちょっと不思議なことに、統一教会と具体的な関係のあった個々の政治家に対する追及が行われていますけれど、それに対する説明が酷いですね。驚いたのは岸防衛大臣。安倍晋三さんの弟に当たる方ですね。この大臣は会見で、選挙で支援を受けたことについて認めている、さらに、霊感商法の問題を起こした団体であることを「知っていた」と言い、ではこれからも選挙の時に支援を受けるのかと聞かれて、適切に判断すると言った。否定しなかったんですよ、すごい度胸ですね。

そこでちょっと考えました。岸信夫衆議院議員は自民党の所属ですが、統一教会系の政治家であると、これ、言っても間違いではないですよね。だって、その団体の悪い面、言い面があるかどうか知りませんが、悪い面について今現在も裁判が続いているようなそういう団体について知っていて、選挙の時に応援を受け、支援をしてもらい、そしてこれからももしかしたらお願いするかもしれない。そんなところとは二度とお世話になることはありません。というのではなく、適切に判断すると言ってしまっている。

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これ、すごい度胸だね。そこまで言う度胸があるなら、その度胸に感動して、岸信夫さんには、「自民党(旧統一教会系)」という称号を差し上げた方がいい。そういう政治家は他にもいっぱいいるんじゃないですかね。安倍さんの第一次政権時代の首相秘書官だった人が今回当選しましたが、旧統一教会の賛同会員だと認めた。あの方は完全にそうだね。統一協会側の人の言い方ですと「食口」(シック)だと。シックは信者のことですね。そのように紹介されて否定しなかったのですが、あとで質問を受けたら、「私は賛同会員です」と言った。これ、間違いなく旧統一教会系の政治家ですよね。

問題は、民主党政権の時代に、あれは前原さんでしたか、前原さんが大臣の時に在日の方からの献金があったのかな、それが大問題にされたことがあって、問題は問題だったのかもしれませんが、それどころの騒ぎではないですよね、今回は。外国から具体的にどうこうということが、これから明らかになる可能性がありますけれど、政治の中枢に掣肘を受けるというようなことがあったのだとすれば、少なくとも、その人たちが嫌がるような日本政府の動きを政治家が押しとどめたというようなことがもしあったとすると、これは本当の大問題ではないですかね。

先週でしたか、先々週でしたか、申しました。有田芳生さんの受け売りですけれど、有田さんがオウム真理教に関して警察にレクをした、オウム真理教の後、統一教会を摘発するためだと言われた。ところが何もなかったので、何で摘発しなかったのかを訊いたら、「上からの圧力でした」というようなことを言われたというあの話が表に出てきますね。霊感商法に対する組織全体に対する摘発という警察がやろうとしていた行政行為をストップさせたのが、私が言ったような統一教会系の政治家だったとしたらどうでしょう。あるいは統一教会系の何らかの影響を受けて警察が動きを止めざるを得なかったのだとしたらどうでしょう。これ、本部は韓国にあるのでしょうから、外国勢力によって日本の政治がゆがめられたという可能性が出てきますよね。そういうふうに思います。

あと、福田達夫さん。福田康夫元総理の息子ですよね、今、総務会長。この人が言っていることも酷いね。彼は「それによって日本の政治がゆがめられたという話じゃないので、何が問題か分からない」といったのですよ。これ、政治家としてダメじゃないですかね、そういうこと言ってては。それは、感度が鈍いということでしょう。自分を支援してくれる人が、個々の政治家にとって、自分を選挙で支援してくれる人が実は霊感商法で、あちこちで家庭崩壊の引き金を引いているということがあったら…。普通じゃないですよね。3,000万円の本とかさ。何百万円の壺とか。信者になってしまえば、家でも屋敷でも土地でも何でも全部売り払って金に換え、こっちにもってこいということでしょ。そういう異常な献金行動、霊感商法でカネをかき集めていた連中。

これ「傑作」でね。変えた新しい名前の中に「家庭」って入っていますよね。その家庭を壊されたというのが安倍さんを撃った犯人の動機とされています、今のところ。なんと皮肉な、そういうことがあります。自民党の3役の一人。岸田さんがどういう判断するか分かりませんが、あんな発言をしてしまうと、引き続きお願いしますというわけにはいかないのではないでしょうか。これから自民党の党役員人事と内閣改造があり、そこでこの問題の反映があるのかないのか、これは総理大臣とはしてもどういう始末の仕方をするのか、注目だと思います。

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もう一つ。NHKのニュースを見ていると、ロシア軍も攻勢を強めています、ウクライナ軍も反攻の動きを加速させています、みたいな。そんな「赤勝て!白勝て!」じゃないんだからそんな言い方もないと思うのですが、すごく冷静に。

2月24日から始まったこの侵攻、ウクライナに対するロシアの侵略の現段階はどこまできているかといったら、東部でもロシア軍が基本的な彼らの戦法である大砲で相手をペシャンコにしておいて、戦車隊と歩兵でダーッと前進して占領するという、基本的な戦略がそういうことなのだそうですが、それが、出来なくなってきている。

第一の理由はアメリカから供与されたハイマースという長距離のロケット弾によって兵站が破壊されている。南部でもの凄い大爆発が起きていますが、実はあちこち兵器の集積所、弾薬庫、兵員の集まっているところが狙われ、どこから飛んでくるかわからないというような遠くから飛んでくるミサイルで次々に破壊されている。これで補給が痛んだために、前のように大砲をボカスカ撃てなくなっている。十分な量の大砲を撃てないのだが、それでも進軍しようとして、ウクライナ軍守備隊に撃破されている。そんな場所だらけなんですよ。東部のドネツクの境目のところとか、そこからずっと南に下っていきますが、各所の前線でそのようなことが同じように起こっている。

これも冷静な数字ですが、本当にボカスカやられていたときには一日100人から200人のウクライナ兵が犠牲になっていた。これは戦死だけでなく、戦傷、行方不明などを合わせて損耗=カジュアルティ。つまり兵隊としてもう戦えなくなる数が一日100人から200人もいたのですが、今、30人にまで減ったという。それもすごいことなんだけど、あれだけ広い国土のあちこちで戦争が行われていて、そういう状態になった、その理由はロシア軍の損耗が激しくて、部隊を再編しているために今一時休止しているという見方もありそうですが、それに加えて兵站が破壊されたことで、もう戦えなくなってきている。

かなり早い時期に占領されたヘルソンを巡る戦いがこれから1週間から10日くらいの間に劇的な展開を遂げるのではないか、そんな気がします。ヘルソンには相当な数のロシア兵がいるのですが、そこが分断されて補給が届かなくなり包囲される。ロシアの補給路は橋が2カ所とあと一つは道路ですかね。三つあるルートが全部たたかれ、ヘルソンにいるロシア兵が孤立する。もう、降伏しなければ全滅させられるかという状況。その局面がまもなくやってくるのではないかと思います。

これまでも劇的な敗北シーンがあったことはありました。将官が大勢亡くなっていたり、モスクワという船が沈められたこととか大きな敗北を被りましたが、遙か以前に占領したところで、なんならこれから住民投票をやってロシアに編入してしまおうという場所で、実はロシア軍が孤立して全滅させられてしまうかもしれない。そうなると国内の状況がもう持たなくなると思うんですよね。だからもうプーチンさんもいい加減諦めて、早く手仕舞いにしないとプーチンさん自身が危うくなるんじゃないですかね、という感想を持ちます。一日でも早く、大砲をぶっ放すのをやめて、おしまいにしないと。その上で停戦協議ということになるのでしょうけれど。それはもう圧倒的に不利な状況で、もちろん、核兵器ということはあるのですが、圧倒的に不利な状況でやらざるを得ない。もはや既にそうだろうと思いますね。

(『uttiiジャーナル』2022年7月31日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方は2022年7月分のバックナンバーをご購入ください)

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image by: 福田達夫議員公式ホームページ

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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