連日メディアを賑わせている旧統一教会問題。しかし、そこでは最も重要な論点に触れられていないという意見も上がっています。今回のメルマガ『 モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版) モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版) 』では著者でジャーナリストの伊東森さんが、かつてマスコミが旧統一協会をタブー視していた実態と、警察庁の強制捜査が政治家による圧力で縮小されたという証言を紹介。さらに旧統一教会問題を語る際に避けて通れないはずの「北朝鮮利権」について解説しています。
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統一教会、会見で開き直る その会見は教団の常套手段 統一教会は「日本のタブー」のひとつ 北朝鮮問題とも関係か
旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が10日午後、1カ月ぶりとなる会見を日本外国特派員協会で開いた。ただ、約1時間15分の時間のなかで、田中富弘会長は司会の静止に3度応じず、主張を続けるのみ。
会見の冒頭、田中富弘会長は、
「2022年7月8日、安倍晋三元首相が凶弾に倒れられた。犯人とされる容疑者が当法人・家庭連合への恨みを動機として行動に出たという報道に触れ、私どももとても心重く受け止めている。社会の皆さまにも様々にお騒がせしていることに深くお詫び申し上げる」
と頭を下げる。
しかし、その後は、
「過剰なメディア報道によって、当法人の信徒から様々な被害が報告されている」
「一部メディアが発信しつづけている霊感商法なるものは、過去にも現在にも行ったことはない」
「名称変更の認証に関する政治的圧力や介入、不正があったかのような一方的な憶測報道がなされているが、事実ではない」
「当法人が殺人や暴力を実行し、助長したという事実・事件は皆無だ。事実に反する内容、憶測に基づいた内容を報道することのないように要請する」
と、繰り返しメディアの報道姿勢を批判。その姿は、かつて統一教会側が繰り返してきたメデャイア批判の“テンプレート”と何ら変わりはかった。
目次
- 日本のタブー 「電通、創価学会、朝鮮総連、ディズニー、ジャニーズ、食品環境ホルモン、コンビニ弁当、統一教会」
- ある信者の主張からみる、統一教会の“常套手段”
- 自民党と統一教会 最重要論点は「北朝鮮利権」か
日本のタブー 「電通、創価学会、朝鮮総連、ディズニー、ジャニーズ、食品環境ホルモン、コンビニ弁当、統一教会」
会見の姿からは、かつてのメディアを“恫喝”していた統一教会の姿がよみがえる。メディアにはさまざまな“タブー”が存在するが、統一教会もその一つだった。
「2006年、ある情報番組の出演で、一般ニュースにコメントする仕事の際、制作サイドから『これらを口にするときは内容に気をつけてほしい』と渡されたリストがあった。そこには広告代理店の電通、創価学会、朝鮮総連、ディズニー、ジャニーズ、食品環境ホルモン、コンビニ弁当など、多数のワードが並び、そこに統一教会もあった」(片岡亮(*1)2022年8月2日)
警察による統一教会への本格的な追及が始まったのは2005年ごろとされる。しかし、
「警視庁は当初、統一教会の松濤本部までガサ入れする方針だったのに、警察庁出身の自民党有力議員から圧力がかかり、強制捜査は渋谷教会などにとどまった。この話はいろんなところから何回も聞きました」(山口広(「全国霊感商法対策弁護士連絡会」代表世話人)日刊ゲンダイデジタル(*2)2022年8月1日)
だという。
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ある信者の主張からみる、統一教会の“常套手段”
ある統一教会信者が書いたと思われるブログがある。そこには、まずこのサイトを作ったきっかけとして、
統一教会に反対している友人から「なぜ 統一教会をやめないの?」と聞かれました。
なぜやめないのか。。。。言われてみると、確かに。。。。他人から見ると不思議なのでしょうね。
洗脳されているのか、脅迫されているのか、頭がおかしいのか。。。。。
そのように見えるようです。
私は、一瞬考えましたが、やはり、“好き”なのです。
統一教会や、統一原理(文鮮明先生の教え)が、ものすごく好きなのです。
友人に「統一教会が好きなんだ。」と言ったら、びっくりしていました。
友人は、「統一教会をやめると地獄に行くなどと、脅迫されているのかと思った。」と言っていました。
信仰の自由が保障されている日本で、脅迫などで30年以上も信仰を強要することなど不可能です。
そして、30年以上も脅迫され続けているとしたら、精神病になってしまうのではないでしょうか?
世の中の人たちは、このように誤解しているのだな。。と感じました。
とある。
またサイトには、
統一教会会員が キリスト教牧師の指導の下 拉致 監禁されています。
と書かれてある。要は、「自分たちの信仰が(外部の人間により)失われている」という主張は、ある意味、統一教会の常套手段なのだ。
自民党と統一教会 最重要論点は「北朝鮮利権」か
連日報道される統一教会問題であるが、あまりそこで論じられないのが北朝鮮についての論点だ。
統一教会の創始者・文鮮明氏は、そもそも現在の北朝鮮の平安北道の出身。
1954年に韓国で教団を創設し信者を増やしてきた一方、1991年に北朝鮮側の招聘により、北朝鮮を電撃訪問。文氏は当時の主席である金日成と会談し、南北の離散家族を探す事業の推進などで合意した(*3)。
その後、金正日、金正恩氏らと良好な関係を築く。一方、北朝鮮側も、統一教会の資金力に加え、米共和党へのコネクションを利用する思惑もあった。
山口大学の纐纈厚名誉教授(政治学)は東京新聞の取材に対し、
「岸(信夫)氏や兄の安倍氏の選挙区がある山口県は、朝鮮半島に近い。岸一族はさまざまな『半島ルート』を持っている」(中山岳・中沢佳子 2022年7月30日)
と指摘。
実際、2002年の拉致被害者5人の一時帰国に当時、官房副長官として小泉純一郎首相と同行したのは、安倍晋三氏であった。
また、安倍氏の選挙区には米軍と海上自衛隊が共同使用する岩国基地がある岩国市も含まれる。
「教団側が(選挙の際に)電話作戦をしたのなら、岸氏の事務所から支持者名簿が教団に渡っていないか。それかどこまで流れたのか、検証しなくては」(纐纈氏、中山岳・中沢佳子 2022年7月30日)
とした。
■引用・参考文献
(*1) 片岡亮「テレビ、新聞、雑誌…マスコミが『統一教会の報道を避けてきた』恐るべき実態」現代ビジネス 2022年8月2日
(*2) 日刊ゲンダイデジタル 「山口広弁護士が明かす旧統一教会と政治の闇『警察庁出身の政治家の横やりで撃ち方やめ』に」Yahoo!ニュース 2022年8月1日
(*3)中山岳、中沢佳子 東京新聞 2022年7月30日付
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