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倒産しそうな会社を救ってきたプロが語る「危ない会社」の見分け方

この取引先は信用できるか、そうでないかを見分ける目を持つことができたら、ビジネスに有利に働きますよね。今回は、メルマガ『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんが、危ない会社の見分け方をじっくり紹介しています。 

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危ない会社の、簡単な見分け方

私はサラリーマン時代から取引先の与信審査に触れさせてもらう機会が多く、また現職の事業再生コンサルタントに就いてからも、それ以上に、「危ない会社の見分け方」 に関わることが増えてきました。僭越ながら、今では東京商工リサーチさんから研修講師依頼が来たりもしています。

そこで今回は、危ない会社の見分け方について、私なりに簡潔に解説してみたいと思います。商売は回収してナンボですから、売掛金残高の多い方や、売掛先の多い方は、特に注意を払いましょう。

【数字での見分け方】

1.売上がずっと減少している
 -企業の倒産原因のおよそ6-7割は売上減少です
2.赤字、とりわけ営業損失が続いている
 -本業で利益が出せない会社は、資金繰りも間違いなく悪化しています
3.預金残高が減少している
4.その割には、負債が増加している
5.純資産の部にある「利益剰余金」が、業歴の割には少ない
6.利益が出ていても、よくよく見たら、役員報酬や減価償却費が未計上
7.銀行借入残高が何年も変わっていない(リスケや代位弁済になっている可能性あり)
8.借入金と比較して、支払利息割引料が高め
9.その他(異常に「現金」「売掛金」「在庫」「仮払金」などが多い、減価償却費や交際費などが異常に少ない、など)

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【現場での見分け方】

1.担当者がコロコロ変わる
2.バーゲンセールを頻繁に開催している(現金化のため?)
3.従業員の離職率が高い様子
4.掃除や整理整頓がなされていない
5.経営陣と従業員に距離感を感じる(一体感を感じない)
6.支払い遅延の噂をよく耳にする
7.支払いサイトが延びた(1カ月→2か月とか、振込→手形小切手とか)
8.代表者や幹部がコロコロ変わる
9.その他(債権者が頻繁に来訪している様子など)

【その他】

1.極度な放漫経営(高級車、公私混同の社宅、別荘、高い交際費など)
2.極度な経費削減(整備不良の車、工場売却、重要な経営資源の売却)
3.税務署や年金機構からの照会(差押のための売掛金調査)
4.同業者間の噂、ほか

もし、あなたの売掛先が、上記のうち半分くらいでも該当するようなら、信用調査をかけたり、現場を注意深く観察したり、決済条件を厳しくしたり、社長と会って経営状態をヒアリングしたり、担保や保証人を取ったり、売掛金残高を減らすべく取引を減らしたり、何らかの対策が必要と思われます。あるいは、専門家を紹介するのもいいかもしれません。繰り返しますが、回収できなければ商売ではありません。

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image by: Shutterstock.com

吉田猫次郎この著者の記事一覧

事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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【著者】 吉田猫次郎 【月額】 ¥528/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 10日・20日・30日 発行予定

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