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謎の「中国版ええじゃないか」勃発?隣国に広がるゼロコロナへの不満

主要国の多くがウィズコロナ政策をとる中、頑なにコロナの封じ込めに固執する中国。しかしそれは、習近平政権の存続にかかわる問題に発展しかねないようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、市民たちのゼロコロナ政策への不満が危険水域に達しつつある現実を紹介。その上で、今後中国国内においては高い確率で動乱が頻発するとの予測を記しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年11月16日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】「四つんばい」現象は中国版「ええじゃないか」か?

中国で「四つんばい」現象が話題 コロナ長期化でストレスか

新型コロナでの都市封鎖などが長期間にわたっている中国で、大学生が四つん這いになって集団で歩きまわったり、ダンボール製の犬の模型を散歩させたりする動画がSNS上で出回っており、行動制限が長引いていることで精神的に追い詰められているのではないかという危惧が持ち上がっているそうです。

報道によれば、もともとこの「集団四つん這い」は、北京の中国伝媒大学の学生が「四つん這いになって運動場を歩こう」と提案したことから始まり、その動画がSNSで拡散されると、清華大学をはじめさまざまな大学が模倣する動きが広がったそうです。

時代の末期には、こうした不可思議な集団行動が起こることがよくあります。日本でも江戸末期の1867年に「ええじゃないか」などと連呼しながら町中で集団で踊り狂うムーブメントがありました。これも、お上や世の中に対するさまざまな不満が背景にあったと言われています。そしてその年に大政奉還が行われ、翌年から明治の御代が始まりました。同時に日本国内は内戦状態になり、時代の主役交代が起こったのです。

現在の中国でも、広州市の海珠区と天河区では新型コロナによる都市封鎖措置に抗議する暴動が発生、「都市封鎖を解除しろ」の掛け声のもと、数百人の市民による大規模なデモや公安警察との衝突が起こっています。警察は放水車でデモ隊を鎮圧し、多くの逮捕者が出ているようです。

中國清零民怨爆發 廣州「起義」

台湾のニュースでは、公安車両をひっくり返そうとする市民の写真、さらには当局のバリケードを破って市街へ駆け出していく人たちの動画などがアップされており、中国政府のゼロコロナ政策への不満がかなりの危険水域になっていることがわかります。

「解封解封解封」 廣州民衆上街抗議、隔離牆如骨牌倒

11月14日時点で、中国の患者数は177万人を突破しました。南部の製造業の街、広東省では流行の拡大が続いており、広州は新たなリバウンドで最も大きな被害を受けた地域であり、1日の新規現地感染者数は過去最高の5,000人以上となりました。

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10月末には、河南省鄭州市にある、iphoneを受託製造するフォックスコンの工場で、新型コロナの感染者が確認されたということで、外部との接触を遮断する「バブル方式」を導入しましたが、家に帰れず、生活環境が悪化するばかりの状況に嫌気が差した従業員たちの不満が爆発、多くの従業員が工場のフェンスを乗り越え脱出、家までの道を延々と歩く姿がニュースでも報じられました。

世界最大iPhone工場、従業員が次々脱走 「14」生産ピンチか

10月31日には、上海のディズニーリゾートが、ゼロコロナ政策のためとして、突然、出入り口ゲートを封鎖、来場者が園内に閉じ込められるという事態が発生しました。これにより場内にいた2万人が足止めされました。このように中国では突然の封鎖が何の前触れもなく発令されるため、上海のイケアなどでは、店舗や職場から人々が逃げ出しているといいます。

上海ディズニー、来場者が閉じ込められる ゼロコロナ政策で突然閉鎖

そのイケアは8月13日に、突然封鎖されたことで、一部の客が外に出ようと、ドアや窓を無理やりこじ開けて逃げ出していく姿が多く見られました。

上海のイケア、コロナ対策で突然封鎖 客がドアをこじ開け逃走

チベットでも、異例の大規模デモが発生しました。参加者の多くは、漢人だと言われています。

チベットで異例の大規模デモ、映像が浮上 中国政府のコロナ対策に抗議か

このように、中国では一部の都市でパニックが起こっています。情報統制の国であるだけに、市民は当局発表を信じず、それが荒唐無稽な噂を信じ込む原因となっています。

たとえば、河北省の当局が、石家荘市での集団検査中止を発表したところ、ネットでは「新型ウイルスの感染拡大を放置することで、住民になにが起こるのか」を当局が人体実験しようとしているという憶測が出回り、薬局から検査キットが消えたということがあったそうです。

中国・広州で暴力的抗議 「ゼロコロナ」への不満高まる

情報統制という「愚民政策」を行っているだけに、ひとたび疑心暗鬼が広がってしまうと、これを修正することは非常に難しくなります。政府当局に対する信頼がほとんどないからです。

日本でも感染者が増加しており、第8波がやってくると言われています。中国もここ数日、感染者がゼロとなった省は一つもないようです。日本の場合は、すでにだいぶ緩和していますし、行動規制もほとんどありません。

しかし、中国では習近平が自ら「ゼロコロナ政策」を推進してきただけに、そう簡単に辞めることはできないでしょう。これから感染者が増えるにつれ、ますます厳しい対策を取らねばならくなっていくと思います。しかし、それだと市民の心がさらに抑圧されて、いつか暴発する可能性が高まっていくでしょう。

これから中国国内で動乱が頻発してくる可能性が高いと言えるでしょう。

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