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裁判官や検察官とは明らかに違う。弁護士に「悪徳」な人物もいる理由

難関として知られる司法試験を合格した先にある3つの職業、裁判官と検察官と弁護士に等しく「正義」や「誠実さ」があると考えてはいけないようです。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、著者でジャーナリストの上杉隆さんが、ゲーム感覚で訴訟を楽しむ人もいるという弁護士の仕事の本質を紹介。次号以降のメルマガでは、100人以上の弁護士と知り合ってきたなかで遭遇した「悪徳弁護士」について具体的に記していくことを予告しています。

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私の出会った悪徳弁護士たち

法曹界は大抵の人々にとって縁遠い存在だ。裁判所のお世話になることもなく、検察官に追われることもなく、弁護士に依頼しないで一生を終える人が大半だ。日本ではとくにそうだろう。

だからだろうか、法曹三者である裁判官と検察官と弁護士の違いについて理解していないひとが意外に多い。法曹三者と呼ばれるこの3つの職業は、ともに難関の司法試験を通過して、社会正義の実現のために働いているとされることから、同じような職業だと思われているようだが、実態はかなり異なっている。

あえて類似を求めれば、裁判官と検察官の職能は近いのかもしれない。世のため人のために働くことが、ともに職業倫理上の前提としてあり、たとえそれが建前であっても、表立って悪を演じることはない、という意味で同類だ。それは、ともに公務員であるという職業上の理由があるがゆえかもしれない。

一方で、弁護士は違う。海外の映画やドラマでもみられるように、カネや勝負のためならば手段を択ばない悪徳も一定数いるし、むしろ必要悪として存在を容認されている。その種のモラルの欠落した弁護士が存在するも社会の現実だし、弁護士稼業がビジネスである以上、避けられないことなのかもしれない。

もちろん、裁判官や検察官の中にも「偽善」が混じっていることもある。だが、その割合は弁護士ほどではないし、仮に悪を為したら、弁護士ほど容易くは済まないであろう。もちろん、弁護士にも懲戒請求制度はあるのだが……。

さて、そもそも、弁護士は、誠実である必要があるのだろうか?結論をいえば、その必要はない。そう、これこそが日本人が弁護士にもつ幻想、というか誤解なのだ。

リテラシーの高いひとは、弁護士がかなずしも正義でないことを知っている。弁護士はクライアントに忠誠を誓い、その利に沿えば成功だし、法廷でのゲームに勝てばよいのである。極論だろうか?いや、国選弁護人が、殺人者や極悪人の代理人をしなくてはならない理屈を考えれば、自明ではないか?

つまり、弁護士によっては、誠実な社会正義の実現とは無縁の、エゴに忠実な職業として働いている者も少数ながらいることはいるのである。そうした意味で弁護士稼業はソフィスト的であることが許されている、現代的な職業のひとつともいえるのではないか。

そして、そうした弁護士の中には、周囲の人間の尊厳や人権や生活を壊してまで、ゲーム感覚で訴訟を楽しむ輩が存在する。代理人としては優秀なのだろうが、果たして人間としてはどうだろうか?無関係の他人の幸せを破壊しておいて、許される職業などない。だが、実際はいるのだ。

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今回の連続コラムでは、最近、筆者の出会った弁護士たちを描いていこうと思う。

筆者は、職業柄、多くの弁護士と会ってきた。会社の顧問弁護士や上杉個人の代理人になってもらった弁護士は10人ほどいる。個人的に付き合いがあり、食事やゴルフに行く友人付き合いの弁護士となると30人ほどいる。さらに番組に出演いただいたり、過去にインタビューをしたりした弁護士を加えると100人を下らないだろう。

さらにさらに、弁護士資格を持つ国会議員や単なる会合で名刺交換をした程度の知己の弁護士まで加えれば300人くらいには達する。ジャーナリストという職業柄か、法曹界に身を置いていない日本人としてはその数は多い方に違いない。

果たして、そうした中に悪徳はいた。そして、存外に、みなさんの身近にも存在する。第1回目は、慶応大学出身で、東京弁護士会所属の若手のN弁護士(修習54期)について取り上げていこうと思う(つづく)。

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image by: Shutterstock.com

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「リテラシー」(情報を読み解く力)こそ、今最も必要なスキル。情報操作だらけの大手メディア報道では絶対伝えない情報を届ける『上杉隆の「ニッポンの問題点」』はリテラシー向上にピッタリのメルマガ。上杉隆は日々霞ヶ関で、地を這う取材を敢行。第一次安倍政権の内幕を描いてベストセラーとなった「官邸崩壊」以来、安倍晋三の仇敵となった上杉隆が、ブログやwier、facebookでは書くことができない、今、伝えたい情報とは!

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