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逆ギレの中国。コロナ感染爆発の自国民を入国制限する日本に説教

あまりに突然すぎるゼロコロナ政策の大幅緩和で深刻な感染爆発状態に陥っている中国ですが、習近平政権がまたも「暴挙」に出たようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、中国当局が新型コロナの変異株出現を隠蔽するかのような「情報統制」をかけ始めたニュースを紹介。さらに失敗ともいうべき新型コロナ対策により、習近平指導体制が大きく揺らいでいるとの中国人政治学者の指摘を取り上げるとともに、日本をはじめ世界各国に対しては、さらなる防疫の強化を呼びかけています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年12月28日号の一部抜粋です。続きはご登録の上、12月分のバックナンバーをお求め下さい。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【中国】コロナ死者急増で中国に万人坑が出現。変異株が再び世界を襲う可能性

中国、新型コロナのゲノム解析禁止 感染爆発で変異株の情報統制か

中国で新型コロナウイルスの感染爆発が止まりません。中国のゼロコロナ政策に抗議する「白紙革命」以後、中国政府はゼロコロナ政策を急速に緩和し、無症状者はコロナ患者にカウントしないと言い出したと思えば、無症状者は仕事に行けという通達を出すまで、ほぼ180度に近い方針転換を打ち出すようになりました。

対策緩和後に感染拡大の中国 地方政府では職場復帰促す動き

中国では政策が極端から極端へと揺れ動くことがしばしばあり、これは「中国の振り子」と言われてきました。毛沢東時代に自力更生を謳い大躍進政策や文化大革命を推し進めていた一方、毛沢東死後は改革開放という真逆の他力本願政策へと転換したこともそのひとつです。

ところがあまりにも急速な転換により、今回はかえって感染爆発を引き起こしてしまいました。これまでのゼロコロナ政策により集団免疫の獲得に至っていなかったことや、欧米のワクチンに比べて中国ワクチンの有効性が低いことなどが挙げられていますが、加えて、もっとも恐ろしい疑いは、新たな変異ウイルスの登場です。

変異ウイルスの発生を恐れる中国政府は、なんと、コロナウイルスのゲノム解析を禁止してしまいました。変異ウイルスに備え、抑えるのではなく、変異ウイルスの存在を知られないように情報封鎖するというのです。世の中に知られないことは「世の中に存在しないこと」だという、中国共産党の伝統的な考え方です。

中国では、中国共産党の中央指導部の醜聞ニュースや批判記事は絶対に出ません。党の失政は世の中に知られないので、「党の失政はない」ことになるわけです。だから中国共産党は絶対無謬な存在であり、党の指導が絶対であることが憲法に明記されているのです。

同じことを新型コロナウイルスでも行っているわけですが、人間と違うのは、新型コロナウイルスは中国共産党の命令を聞かないことです。どんなに「なかったこと」にしても、変異株は生まれるでしょうし、どんどん拡散してしまいます。

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1カ月ほど後に中国では旧正月を迎えますが、そうなると大量の中国人が海外へ出ていく可能性があります。アメリカでは中国人へのビザ発給を停止するなど、他国では変異株の発生と自国への流入を警戒する動きが加速しています。

「岸田さん、春節の入国制限を」中国のコロナ感染爆発「20日で2.5億人」報道、アメリカはビザ発給停止

日本でも中国からの入国にあたって、検査で陰性であることの確認義務化する方向で調整していますが、中国はこれに対して反発し、「防疫措置は科学的かつ適正なものでなければならず、人々の通常往来に影響してはならない」などと日本に説教する始末です。

中国外務省、「科学的な防疫」要求 日本の入国規制に反発

ちなみに、中国政府はコロナ感染による死者数について、毎日ゼロ~1ケタ台と発表し、12月に入って全国で10人にも満たない状況が続いていますが、現実的には火葬場に長い列ができており、北京のある火葬場では12月21日に80台もの棺を乗せた車の列が確認されたそうです。火葬場の担当者によれば、1月3日まで予約が空いていない状況だとのこと。

中国 火葬場に車の長い列 新型コロナで死者増えている可能性

上海初の国営墓地「濱海賓館」は、12月26日、「葬儀社の業務量は職員の能力をはるかに超えているので、共産党員が率先して遺体回収の重労働を支えてほしい」と認める掲示をしたそうです。ネットでは、現在、上海葬儀センター傘下の3つの葬儀社は業務量が過多で、人手と物量が深刻に不足している難局にあるという情報が拡散しているとのことです。

呼叫「黨員」支援「收屍」!上海疫情爆發 國營公墓業務超負荷

中国では、新型コロナで亡くなっても、病院から「地域の衛生委員会に報告しなければならなくなる。火葬ができなくなる」などと言われ、別の死因への改ざんを余儀なくされているという報告が多く上がっているそうです。

想鬧事?中國隱匿疫情 不准家屬登記逝者「死於武肺」

また、葬儀が追いつかない状況であるため、甘粛、広西、寧夏、安徽、福建、中国東北部の農村では、死者は所定の穴に一緒に埋葬し、一緒に火葬するようにと政府が通知しているそうです。ネットでは、こうした穴は「万人坑」と呼ばれ、「共同富裕によってみんな共同埋葬されるようになった。中国医では万人坑が出現した」と言われています。

ちなみに万人坑とは、中国での歴史上の戦争や大乱などで、数万の捕虜や敵などを生き埋めにする行為のことです。日中戦争において、日本軍が中国人を万人坑で生き埋めにしたなどというでっちあげも中国では流布されています。

アメリカに滞在する中国の政治学者・鄧聿文は、こうした新型コロナへの対応がうまくいかなかったことや、共産党の統治に疑義を抱かせるようなニュースが出現したことで、習近平指導体制が大きく揺らいでいると指摘しています。

鄧聿文:2022年 習近平跌落神壇

昨年末、テニスプレイヤー彭帥選手に対する中国共産党の最高幹部による性的強要のニュースが世界を駆け巡ったことはまだ記憶に新しいところです。また、昨年末、南京大虐殺の犠牲者数について中国政府の公式見解に反する主張を支持した湖南省の女性教員が拘束され、精神病院に入院させられるという事件がありました。

南京事件犠牲者数、中国政府の公式見解に反する主張を支持…湖南省の女性教員拘束

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鄧聿文は、こうしたニュースが表に出たことで、共産党のイメージが大きく損なわれたうえに、結局、新型コロナをコントロールできず、さらには基本的な医薬品の備蓄さえなかったことが明らかになったことで、習近平の権威に大きな打撃となったと述べています。

そして、大躍進と文化大革命の失敗が毛沢東の権威を失墜させたと同様、ゼロコロナ政策の失敗が習近平の権威を失墜させるだろうと論じています。3期目が決まり独裁体制が確立したはずの習近平政権ですが、もしかすると、やはり新型コロナが命取りになる可能性が出てきました。

日本を含め世界は、習近平政権の独善的姿勢を警戒し、新型コロナのこれ以上の自国拡大を防がなくてはなりません。もはや一刻の猶予もありません。中国からの入国に対して、さらに厳しい措置を取るべきでしょう。

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