インターネットで買い物ができる現代は、たくさんの商品を比較し買いたいものを選ぶことができますよね。しかしその分、企業側は「他社との差別化」に苦労しています。今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では発行人の理央周さんが本当の意味の差別化について解説しています。
本当の差別化は、他社と違う製品を作ることではない~ ウォルマートとサントリーに学ぶ付加価値の付け方
今号の特集は「本当の差別化について」考えていきます。
消費財にしても、生産財にしても、
一方で、私たちがどれほど頑張っても、
今は、インターネットで、大半の情報を入手できる時代です。
なので、購入したい商品や、契約したい製品の情報は、
ヘタをすると、顧客の方が私たちよりも、
なので、いつも私たち事業を推進する側は、つねに「
これが価格競争の背景にあるのです。
そこで「差別化は重要だ!」となるのですが、
差別化とは、いったい何をすることでしょうか?
ちょっと読むのを止めて、頭の中で、考えてみてください。
考えつきましたか?
多くの人が、「差別化とは、ライバルと違うものを作ることだ」
しかし、本当にそうでしょうか?
もちろん、違う方がよいのですが、
私たちが戦う市場とは、「顧客と企業が、
そこでの行為として“売り買い”するので、市場は「
市場で顧客は「自社・自分が出す金額よりも、“価値がある”」
なので、本来の差別化とは、「顧客の目から見た時に、
ということは、仮にライバルと同じ物を提供していたとしても、
わかりやすいのがアマゾンの書籍販売ですよね。
日本では一部の例外を除いて、書籍は値引きもしないので、
なので、多くの人がアマゾンで書籍を買う理由は「安いから」「
ワンクリックで便利に買える、
このように、差別化は、売っている製品や商品、
この記事の著者・理央 周さんのメルマガ
米国の巨大小売チェーン、ウォルマートの事例で考えてみましょう
先日、
ウォルマートが自社店舗の半数に、
EV充電用のスペースを設置する
と発表しました(日本経済新聞 2023年4月8日より)。
記事によると、巨大な小売チェーンなので、全米で5,
その半数の店舗に設置となると、
しかし、ウォルマートの試算によれば、「米国人の9割が、
この動きは、ウォルマートだけではなく、
小売業では「その店に行く理由」が明確でないと、
その理由が“値段の安さ”や、“品揃えの多さ”だけだと、
EVはこれから浸透していくでしょうから、地域の人たちに、「
このあたりが多大な設備投資をしても、
もう1つ、製品周辺で差別化を狙う事例を、考えてみましょう。
サントリー天然水が、
「新容器は、つぶして、
たたんで、ロックできるのが特徴だ。『 つぶしたのに元に戻ってしまう』『回収日まで家の中でかさばる』 といった声が消費者から寄せられており、 こうした不満の解消を目指して開発を進めた」
とあります。
「コスパ」ならぬ、スペースパフォーマンスを、
このような製品周りで差別化する動きは、
「
家具大手のニトリが販売する、ポケットコイルマットレスは、 処分する際に分解しやすい、「かんたん分別」構造になっている」 とのことですし、ジャム最大手アヲハタが、 22年8月に販売を始めたボトル容器入りジャム、「アヲハタ Spoon Free」は、スプーンを使わず、 片手でさっと使える仕様となっている。
とのことです。
どうでしょうか?
ウォルマートのEV充電スペースの設置は、売り物ではなく、
またサントリーの潰して畳めるボトルも、
こうしてみると、顧客が自社製品を見つけ、調べ、比較し、買い、
このような差別化ポイントは、
まずは、それぞれの過程で、顧客が何をしているか、
あなたも、ぜひ今日からやってみてください。
この記事の著者・理央 周さんのメルマガ
image by:Worawee Meepian