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タワマン刺殺女性「命を賭けて金を搾り取る」証拠動画が物議。色恋営業論はなぜ和久井容疑者に通用しなかったのか?

新宿タワマン刺殺事件で、被害者の女性が生前、和久井容疑者に対する“復讐計画”を語っていた動画が注目されている。女性は和久井容疑者を「平気で人を殺すような」人間と認識しながら、その資産を「命を賭けて搾り取る」と宣言していた。

被害者女性はインスタライブで何を語ったか?

東京・新宿区のタワーマンション敷地内で8日、20代女性がナイフで刺されて死亡した事件で、被害者の女性が生前、和久井学容疑者(51)のストーカー行為に対する“復讐計画”を生々しく語っていた動画が注目を集めている。

被害者女性本人が2022年3月、インスタライブで配信したもの。ビジネス論接客術色恋営業のコツ、美容法将来の展望などについて、視聴者の質問に答えながら持論を展開していく内容となっている。

現在はYouTubeにもその動画が再アップされており、事件をうけて「悲劇か?それとも自業自得か?」の議論が活発化する中、“衝撃の新事実”としてネット上で波紋を呼んでいる状況だ。

和久井容疑者に同情の余地はないが――

女性は、2022年3月23日のインスタライブの前段で、和久井容疑者を「シャンパンタワーをしてくれた」ヤバいストーカー客として紹介。

店が満卓だったところ、和久井容疑者がタイマーをセットし、「他の客には女の子がたくさんついているのに、自分は放置されている」といった旨の理不尽なクレームを入れてきた、というエピソードを披露した。

女性によると、和久井容疑者は「こんなにお金を使ったのに手も繋いでくれない、デートもしてくれない、付き合ってもくれない」と不満を募らせていたとのことで、営業中に大声を出すなど他の客の迷惑になるため帰らせたとのこと。

その際、店内の男性スタッフが、和久井容疑者から「女性を殺していいですか」と真顔で脅される一幕も。男性スタッフが「殺しても得るものはない」と反論したところ、和久井容疑者は「もう失うものは何もない」と返したという。

女性は、和久井容疑者について、「ストーカーのお客さんはたくさんいるし、過去にもいた。でもその人だけは匂いが違う」と判断。「格好をつけて言っている『殺してやる』ではなくて、本気。本当に殺す人の感じなの。それはもう断言できる」と分析していた。

以上は、和久井容疑者が、同情の余地がないストーカーであることがよくわかる“被害者の証言”と言って差し支えないだろう。

「命を賭けて、搾り取る」被害者女性の致命的判断ミス

だがその一方で、被害者女性は、和久井容疑者が「本当に人を殺してしまうタイプ」であると正しく認識していたにもかかわらず、自分を苦しめたとして、大胆な“復讐”を画策してしまった。

これこそ、女性が意図的に詐欺を仕掛けた証拠ではないか、との指摘も少なくない。

視聴者からの「普通、そういう頭のおかしいお客さんって切るのに、切らない理由は何ですか?」との質問に、女性は次のように回答している。

(和久井容疑者は)普通にいわば“きちがい”だから、精神的苦痛を与えられているわけだからさ。

お店に入ったらセット料金が発生するのと同じで、迷惑料って感じかな。

だから、普通はみんな切ると思うんだけど、私はそこで切らないかな。

ここまで自分を精神的に追いやって傷つけたんだから、迷惑料はいただかないと、みたいな。自分がえぐられたぶん、倍でもう搾り取るみたいな感じ。

その人に関しては、もう命を賭けてやってる。もともと何だろう、平気で人を殺すような人なんだろうなと思うし。でも命賭けてやって。それでもその人にどれだけ傷つけられたかって考えると、命を賭けてその人には――

ただ、ただね、キャストとかそのスタッフとかには、絶対に迷惑はかけないようにする。

だいたい、店に乗り込んできて殺す、とかはないと思うのね、何となく、その人の性格的に。(和久井容疑者が襲撃を計画するとすれば)私が1人のときにとか――

その後の展開は、これまで弊サイトでも既報のとおり。被害者女性は和久井容疑者から資産を搾り取り、経済的に破滅させることには成功したものの、「もう失うものは何もない」容疑者に刺し殺されてしまった。

命と金を天秤に乗せた結果の悲劇。ストーカーの和久井容疑者に同情の余地はないが、その一方で被害者女性の“自業自得”を指摘する声も尽きない所以だ。

動画内で「そろそろフィナーレって感じかな」とつぶやいていた女性は、なぜこのように危険な橋を渡らなければならなかったのか?

「1億円が落ちてるんだよ?」被害者女性が語った色恋営業論

ときおり加熱式タバコを燻らせながら、視聴者からの質問に、丁寧に回答していく被害者女性。

たとえば、同業者の女性と思われる視聴者からの「色恋(営業)をしているつもりはないんですけど、お客様がガチ恋になるのはどうしたらいいんですか?」との質問には、自身の経験に基づき、次のようにアドバイスした。

え、だからそれを色恋(営業)にするんだって。そこからがスタートじゃん。

そこで逃げちゃったら、お金を落とす(失う)よ

目の前のそのお客様が1億円だとして、1億円が落ちてるようなもんだよ目の前に

それを拾わずに去るの?

色恋(営業)をして、どんどん、どんどん、売上を上げるんで。そこからがスタートだと思う、私は。

和久井容疑者と同世代、50代エンタメ系ライター氏は、動画から被害者女性の自負心油断を感じたという。

「女性は、店舗運営のほかネットビジネスにも興味を持つなど、かなり上昇志向が強かった印象です。動画では、若いながらにお店の女の子やスタッフを思いやる優しい一面もみられ、周囲から見ればよい経営者だったのかもしれませんね。

また彼女の持論は『水商売=自分が商品』でした。女のカラダか肝臓か時間か頭か……自分の何が売れるのか?を考えて、頭と口で勝負することにした、と動画内で語っています。

自分の能力に対する自負心や夜職としての強いプライドが感じられますが、だからこそ『本当に人を殺してしまう異常者』である和久井容疑者への対応を誤ることになってしまったと思います。

和久井容疑者から金を搾り取り、ストーカー容疑で逮捕の憂き目に遭わせたところまでは、まさに計画どおりだったはず。でも、勝利を確信するのが早すぎた、あまりに若すぎたという感じでしょうか」

ときに金は命よりも重い。敵がすべてをなげうち襲いかかってくるとき、法律や警察は自分の身を守る盾にはならない。被害者女性に、そのことを理解できるだけの人生経験があれば、あるいは容疑者への“復讐”に走ることはなかったのだろうか。

【関連】タワマン刺殺の新疑惑 ストーカー規制法「悪用詐欺」説が囁かれる訳。各社報道と女性インスタに矛盾、嘘をついているのは誰だ?

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