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なぜ、破産すらできないほどの状況からあの人は立ち直れたのか?

破産をするにも費用がかかる、しかしその費用すら捻出できない状況もありえます。このような場合、一体どうすればいいのでしょうか? メルマガ『倒産危機は自力で乗り越えられる!』 by 吉田猫次郎』の著者で事業再生コンサルタント、作家、CTP認定事業再生士の顔を持つ吉田猫次郎さんは、破産すらできない状況から立ち直るための方法を紹介しています。

「破産すらできない状況」 から立ち直った人

破産すらできない状況、というのがあります(私もそういう経験をしたことがあります)。

おそらく最も多いのは、破産費用すら捻出できない状況、でしょうか。

こんな方がいました。

「売上は年間3,000万円まで落ちています。赤字です。負債は、銀行借入金が7,000万円、社会保険滞納が600万円、消費税滞納が800万円、ほか、買掛金の未払いが1,000万円、広告費の未払いが300万円…。預金残高はほぼゼロです」

で、弁護士さんには相談したのですかと?訊くと、

「はい。但し、破産費用として、裁判所の予納金が100万円、弁護士費用が100万円、あわせて200万円必要ですと言われました。今すぐ用意できなくてもいい、売掛金が入金されたら弁護士の預り金口座に入れて、200万円用意できたら破産申立しましょう、と」

「しかし、最近は資金により仕入もまともにできなくて、売上も激減しています。売掛金で確実に入ってくるのは、これから2か月で50万円あるかないか…」

「資産も、もうありません。家は銀行にフルで担保に取られているし…」

「結局、弁護士さんには受任してもらえませんでした」

このような方は、決して珍しくありません。

でも大丈夫です。まだまだ手はあります。

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思いつく限り書くと、ざっくり、次のような方法があると思います。

(1)しばらくは破産手続きせず、休眠状態で過ごす。そして、休眠状態をしばらく続けながら、処分できるものを処分して、債権債務の内容をスッキリさせて、2年くらい間を開けて、その間に、わずかでもお金を貯めることができれば、破産(地域によっては「少額管財制度」など安い費用でできる破産)の道が開ける可能性があります。但しこれも法律手続きですから、30分いくらのスポット相談でもいいので、たまに弁護士さんに相談に行きながら、果たしてこの方法でいいのか、答えを求めるのがいいでしょう。

(2)もう破産なんてしない。借金が無くならなくてもいい。債権者の追い込みがきつくてもいい。債権者対策は、半ば、放置するようなつもりで。いちいち交渉もしない。ジタバタしない。法的手続きをされても争わない。裁判は負ける。負けるが勝ち。差押されても、返せない自分が悪いのだから受け入れる。そうしながら、マイペースで仕事を続ける。

「時薬」という言葉があります。時間は薬だ。時間が解決してくれることも多い。

借金問題なら、消滅時効で解決できるかもしれないし、時効まで待たなくても債権者側の都合で貸倒処理してくれるかもしれない。あるいは処理されないとしても、次第にトーンダウンして、良い条件で和解できるかもしれない。

事実、そうやって立ち直った人は数多くいます。

破産すらできなかった。だから、司法制度に救済してもらうのはあきらめた。以後、すべて自己責任において、自力で対処した。いや、対処なんてカッコイイものではない。放置していたに近い。その間、債権者対策にとらわれず、ただひたすら、本業の収益改善に尽力した。そしたら、無我夢中で何年か頑張っているうちに、借金問題も解決してしまった、と。

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image by: Shutterstock.com

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事業再生コンサルタント。認定事業再生士(CTP)。特に倒産寸前の中小企業、零細企業、自営業の自力再生(のサポート)を最も得意としています。著書『震災後に倒産しない法』(サンマーク出版)、『借金なんかで死ぬな!』(朝日新聞出版)、『連帯保証人 なってみたらすごかった でもまだ手はある』(ワニブックスPLUS新書)、『ブラックリストなんて怖くない』(宝島社)、『働けません。』(三五館)ほか多数。1968年東京生。乙女座A型。趣味は自転車、魚釣り等。無類のネコ好き。

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【著者】 吉田猫次郎 【月額】 ¥528/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 10日・20日・30日 発行予定

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