コロナ禍以降、すっかり市民権を得た宅飲み。事情は多少異なれど、アメリカでもお店ではなく家でお酒を飲むスタイルがトレンドのようです。今回の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』ではNY在住の人気ブロガー・りばてぃさんが、最新の米国アルコール事情を紹介。売れ筋のドリンクや今後売上が伸びると思われる商品についてもレポートしています。
アルコール購入のトレンドは家飲みかつReady to drinkスタイル
アメリカの夏のはじまりは早い。
なんといっても今月末のメモリアルデーから夏が始まると言われているほどなので気分は夏なのです。
そんな夏になってくると冷えたビールが美味しい季節になってきますし、お酒を飲めないという人も最近は美味しいノンアルコール飲料が増えていて、しかも人気なようです。
今回の特集は調査会社Kantarの最新レポート“Shopping for Beverage Alcohol 2023”(アルコール飲料の購入)を見てみましょう。
(1)酒類の飲酒状況
過去12ヶ月間に自宅でより多くお酒を飲んだ消費者は23%であるのに対し、バーやレストラン店内でより多くお酒を飲んだ消費者は16%。
特に、バーやレストランなどで飲むのを自制していたは25%。
→これ要因はインフレです。
過去データの比較がないのでわかりませんが、単純に4人に1人が外食で飲むのを自制しています。
お店で飲むと高いので家飲みが増えるのは自然なことですが、リモートワークになったことで外出が減ったというのもあるかもしれません。
次はノンアルコールについて。はたして人気はどうなのでしょう?
過去12ヶ月間にノンアルコールビールを購入したZ世代は21%、ミレニアル世代は18%。また、バーでお酒を飲む場合、21%の消費者がノンアルコール飲料があることが全体の満足度に大きく影響すると回答。
→要因:体に良いものへの欲求の高まり
しかし、ノンアルコールの選択肢に対するスタンスには波があるそうで、45%の消費者がノンアルコール飲料への切り替えに興味がないとも回答しています。
ニューヨークにはノンアルコールビール専門店もあるほどなので一定量のニーズはあるのでしょう。
あとうちのデータベースでもノンアルコールは今後も伸びる傾向にあると出てますし、ノンアルコールワインへの興味関心も高いとの結果もあるので、関連商品の幅は今後も広がっていくとみられます。
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(2)売上を牽引する種類
カクテルなどすぐに飲めるReady-to-Drink(以下RTD)のお酒やハード・セルツァー(アルコール入り炭酸水)がビールなどの代替品に。
33%の消費者がハードセルツァーを購入し、37%の消費者がRTDカクテルを購入。58%の消費者がソーダ割り飲料を購入済み、または購入に関心を持っている。
また、ハード・コーヒーのような珍しいアルコール製品にも関心が集まっており、49%の消費者がハード・コーヒーを購入または購入に関心を示している。
勤務する小売店でも梅酒を始めとするフルーツ酒、スパークリング酒がよく売れています。特に日本の梅や柚子は大変人気です。
あと、クラフトジンの人気もハーブが使われていたり二日酔いしにくいと言われているからでしょうか?ジンと言えばジントニックですし。
最後にこの調査レポートでは、消費者が、自宅外でのプレミアム・ドリンクを控え、自宅での購入と消費を増やしてという社会現象がよりいっそう広がり定着するとのこと。その際、お酒メーカーや小売店が重要視すべきは「オケージョン」(Occasions、時、場合、機会)であるとのこと。
実際、33%の消費者が、お酒の売上を牽引するビール、スピリッツ、ワインなどを「何かの機会」に購入しているのだそうです。
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