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自公連立は「解消」か?岸田首相と公明党の間に出来た“暗くて深い溝”

衆院東京28区の候補者調整をめぐり揉めに揉め、東京での自民党との選挙協力を解消するとの決定を下した公明党。なぜ両者の関係はここまでこじれてしまったのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』ではジャーナリストの内田誠さんが、公明党の幹部が発したという嘆きにも似た言葉を紹介するとともに、同党の「自民離れ」の原因を考察。さらにこの先起こりうる大事件についても言及しています。

かなり怪しくなってきた自民と公明の「関係」:「デモくらジオ」(5月26日)から

これはね、大ニュースだと思うんですけど、自民党と公明党の間がかなり怪しくなっていますね、東京都の。

これから衆議院の選挙はいつかあるわけですけれども、東京都の自民党の立候補者に対して公明党が支持をしないということに、今のところ落ち着いているようなんですね。(新設された)東京28区の立候補者を巡る争いということになっているんですが…ですので公明党の対応の仕方としては「東京で」っていう風に限定をしてるんですが、公明党の幹部級の方がどうやら「もうついていけない」っていうことを言ったという話があってですね、まあ安全保障問題なんかでも公明党としては苦労したんでしょう、例の安保法制の話なんかね。

まあ公明、どう見てもあの解釈改憲によって集団的安全保障でしたっけ、まあ道連れになっちゃうやつですね。それへの道が開かれたわけですけれど、安倍さんの最大の“犯罪”と言っていいと思いますけど、それに対して公明党はずっと「そうじゃないんだ」っていう歯止めを作ったんだと。歯止めの役割を果たしたんだと言ってきましたけれど、どうもその辺がそろそろ怪しくなってきている。きっかけはもしかしたら28区の問題なんですけど、そうじゃなくてこれはもしかしたら自公連立の解消っていう方向に話が行くのかもしれないですね。となると、これ本当の大事件じゃないですか。

自民党の議員で公明党あるいは創価学会の票で下駄を履かせてもらって当選してきたような人っていうのはいっぱいいるわけでしょ。東京だけでも、もし公明党・創価学会の支持が得られなかった場合に落選すると、もうそういう計算をいろんなところを始めていますけど、確かどっかで7人とかいう話がありましたけどね。7人に収まるのかどうか…。それはあの、これからの政治過程の進み具合によってもいろいろ変化があると思いますが、まあそうなるとおそらく維新が出てくるのかなっていう感じがちょっとしますね。

昨日収録してまだ公開されていない「東京新聞デモクラTVエクストラ+」という大変長いタイトルの番組がありますけれども、東京新聞の記者さんたちと稲熊さんそれから富田さん、そして私が座らせていただいて1時間話す番組なんですけども、そちらの方で与党担当のキャップの方が大変詳しくいろんなことをお話ししてくださってますので、そのうち公開されますので、ぜひ見ていただきたいんですが。

どうも岸田さんと公明党の間にはかなりいろいろ軋轢があるというか、表になかなか出にくいんでしょうかね、まあ恥をかかされたとか、そういうことですね。そういう、そのなんて言うんでしょう仲良しの正反対の関係があるんじゃないかな(笑)っていうことだと思うんですが。

まあ仮にでもそうなった場合に総選挙の情勢っていうのは、これはまた混沌としてくるのは必定で、特に立憲民主党がどういう姿勢を取るかということに関して、どうも安定しないし、なんか頑張ってねと言いたいところなんですが、地方議員の立憲民主党の方がなんか偽ブランド品をいわゆるフリマのアプリで売っちゃって、議員辞職あるいは除籍か除名か知りませんけど、なんていうか、あの不祥事もあったりしますので。そりゃあまずいよねっていうことがちょこちょこと出てきちゃいます。ポーンと今の政治課題に応えられるのはこの政治勢力だということが誰の目にも明らかになるような形で自公連立の後の政体を決めていく、そういう局面に入らなければ、日本の政治はいつまでたってもクッタラクッタラしていくような感じがいたします。

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それから一つ付け加えますと、G7のことがありますね。G7についての評価というのはまあいろいろあると思うんですが昨日東京新聞の方と話す機会があって。東京新聞の方はまあ押し並べて大変否定的でした。その内容はよくわかります。私も同感するところがあるんですけれども、ただ今回に関しては、ロシアによる核使用をなんとか止めなければいけないという課題に対して、まあ岸田政権はG7の議長国として広島で開催したこと、それからまあいろいろ批判はあるにしても、首脳たちの雁首を揃えてですね、原爆資料館を見せたということ。あの焼けただれた三輪車の姿をおそらく見たんでしょう。それはイギリスのスナクさんだったか、割といろいろ話ししてくれる方みたいで、資料館でどういうことがあったか、どういうものを見たかということについてスナクさんはどうも取材に応じてくれるらしくて、そういう話がありました。

このことについては絶対に動かない事実が一つ。世界でただ一つ、ただ一国が、罪もない老若男女の頭の上で核爆発を起こさせた。ロシアや中国にはいろんな批判がありますけれども、核問題では北朝鮮にしてもありますが、でもそれを実際にやったのはアメリカだけなんですよね。そのアメリカの大統領とそのアメリカとの間で同盟を組んでいるNATO諸国とあとアメリカもその中にいるわけですけど、極めて非人道的な行動に関してね、その証拠物件をですよ、全員並んで見たわけでしょ。

このことの持っている意味っていうのは小さくないと思うので、私はその成果に関してはむしろ評価するという傾きで議論したいというふうに思っていましたし、そうしました。まあ無理やり「実は同じだ」って言う必要もないんですけれど。普通に、期待してたわけじゃないでしょ、変な話、岸田さんがね。そこで例えば核禁条約に参加する意思を表明するなんてことが、この状況では無いでしょう。そんな中で、何か褒めてやることがあるとすれば、それくらいだろうという気持ちもまあ私にはあったんですけれども。というかそういう格好ででも、逆に言うと少々議論ができたので非常に良かったなというふうに思っています。

問題は仮に良かった点があったという風に褒めたとしても、問題はその先であって、とりあえず岸田政権ができることとして、これは絶対にクリアしてほしいなと私は思っているんですけど、少なくとも次の核禁条約締約国会議の際にドイツと並んで、いや、並ぶかどうかわかりませんけどね、ドイツが行ったようにオブザーバーとして参加すべき。そういう道筋にたどるための一つの条件を、今回満たしたとはまだ言えないかもしれませんけど、そういう条件に近づいたんじゃないかというふうに思っております。まあ私がこう言うことに関してはおそらくいろいろと批判もあるだろうと思いますので、どうぞ遠慮なくなさってください。

(『uttiiジャーナル』2023年5月28日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)

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image by: 首相官邸

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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