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Kaunas, Lithuania 2022 - April 14: Tesla logo on screen and Elon Musk in a background. He is a CEO of Tesla Motors

テスラの上海工場「視察」だけじゃない。イーロン・マスクが中国を訪問した理由

先月30日、イーロンマスク氏が中国を訪問しました。今や電気自動車大手「テスラ」の第二の市場ともいわれる中国。マスク氏は31日に上海工場を訪れ、従業員の前でスピーチをする熱の入れようだったそうです。しかし、同氏の今回の訪中は、テスラ事業目的だけではなかったとの見方もあります。現地ではどのように報道されているのでしょう? 中国の自動車業界情報を届けているメルマガ『CHINA CASE』で解説しています。

イーロン・マスク氏訪中、テスラ事業だけではないその目的は?

イーロン・マスク氏が2023年5月30日、訪中した。中国外務大臣と会見、激しい口撃で知られる中国外務省スポークスマンも大歓迎するなど、中国でも話題になっている。

マスク氏と言えばテスラ、中国はテスラにとって第二の市場であり、その上海工場は上海市を支える大きな産業になっている、と言っても過言ではない。

一方、今回の訪中について、当然テスラ事業のみならず、ツイッター、スターリンクの中国における展開の可能性を模索することも目的に含まれる、とするのが、中国自動車情報サイト「蓋世汽車」だ。

生産能力拡張

「蓋世汽車」では、今回のマスク氏の訪中の目的は四つだ、とする。一つ目はテスラ上海工場の生産能力向上。

2030年に年間2,000万台の生産販売を目指すテスラにとって、それまでに現在4つのギガファクトリーは10~12ヶ所にのぼる予想とは言え、上海工場の拡充は必須。

一方で、中国は全体的に自動車生産能力過剰が目立っており、生産能力拡張に対する規制は厳しい。現在までに年間125万台の生産能力である上海工場も、175万台への引き上げを申請したばかり。

FSDの中国展開

二つ目はFSD(Full Self-Driving)。テスラにとってソフトウェア収入は既存OEMと一線を画す貴重な財源。中国でFSDが解禁されれば、ユーザー数の膨大さから考えて、テスラFSD事業の分岐点となるのは確実。

中国では自動運転実証実験が盛んなものの、まだ法整備が追い付いていない面もあり、今回中国におけるFSD受容度の見極めもマスク氏の大きなミッションの一つと考えられる。

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ツイッター中国解禁

もう一つは買収したばかりのツイッター。これも中国での解禁の可能性を探っている可能性はある。

中国のネット規制は世界最強、欧米SNSが入る隙など皆無と思われるが、中国政府も盛んに活用しているツイッターが、中国政府とも良好な関係を築いているマスク氏がオーナーになったことで、ウルトラC的なツイッターの中国解禁はなくはない。

宇宙事業の協業

最後にスターリンク及び宇宙事業。日本でも開始されたスペースXによる衛星通信事業。中国でこれが可能なのか、と言えば、おそらくツイッター以上に難しい。

軍事に直結するこの分野の規制は個人的な友誼でどうこうなるものではないとも考えられるが、マスク氏は中国の宇宙進出を肯定的に評価するツイートなどが見られ、何らかの協業を模索している可能性はある。

BEVを蓄電池としたエネルギー事業、衛星通信及び宇宙事業、世界的マスメディア構築事業というマスク氏の野望と、超大国中国のリンクは、無くはない。

出典: https://mp.weixin.qq.com/s/Y0jfTX0w6ZJdEM6YNUnjYQ

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image by: Rokas Tenys/Shutterstock.com

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