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これ以上暑くなるのか?迫りくる「太陽極大期」という人類最大の危機

約11年周期で「極大期」を迎える太陽。次回は2年後の2025年と予測されていますが、私たちの生活に影響はあるのでしょうか。今回のメルマガ『富田隆のお気楽心理学』では心理学者の富田さんが、「太陽極大期」が地球にもたらしかねない「支障」の数々を紹介。その上で、個々ができる極大期対策の重要性を訴えています。

都市伝説でも終末論でもない「太陽極大期」がやって来る

関東も梅雨明けとなり、陽射しが痛い今日この頃です。それでも、さすがに夜明け前の外気は涼しく、つい深呼吸をしてしまいます。しかし、陽が昇って参りますと、爽やかな小鳥のさえずりが暑苦しい蝉の声に替わり、瞬く間に気温が上昇して、朝食の頃には冷房が欲しくなります。

そんな猛暑の折から、あなた様はいかがお過ごしでしょうか?自律神経の調子はいかがですか?食欲はありますか?まあ、いつもよりは疲れやすくて当然、食欲が「今一つ」になるのも当然の暑さです。お互い、無理をせず、休憩と睡眠を心がけ、夏の風物詩を楽しむ余裕を作りましょう。

ところで、このクソ暑い時期に、「さらに暑くなるかもしれない」という、とんでもないニュースが飛び込んで参りました。

それは、もうじき「太陽の極大期」がやって来るという話です。

これって、「都市伝説」でも「終末論」でもありません。きちんとした科学的な予測の話です。

「極大期」などと言うと、太陽が巨大化して地球が飲み込まれる、そんな恐ろしいイメージを思い描いてしまうかもしれませんが、違います。たとえ太陽が「超新星」化するとしても(おそらくそうはなりませんが)、それは数十億年も先の話です。

「極大期」というのは、「太陽活動」が最も活発になる時期という意味での極大期です。肉眼で見ても分かりませんが、太陽が最も明るくなる時期とも言えます。

私たちの太陽の活動は、約11年の周期で、比較的穏やかな時期と活発な時期を繰り返しているのです。

太陽の活動が活発になると、太陽表面に黒点が増えます。NASAの撮った太陽の映像などを見ると、普段でも、確かに黒い点のような部分が写っています。周囲よりも温度が低く明るさも暗いので黒く見えるわけです。太陽の表面温度は一般的に6,000度ほどですが、黒点は4,500度しか?ありません。

黒点とは逆に、周囲よりも温度が高く明るい部分もあり、これは「白斑」と呼ばれています。黒点が増えると白斑も増え、しかもその割合は白斑の方が多くなるのです。その結果、全体では太陽の明るさが増し、放射されるエネルギーも増えるのです。ですから、黒点の増加は、太陽活動の活発化を知る目安になります。

黒点が増え、白斑もさらに増え、太陽の活動が活発になると、太陽フレアと呼ばれる大爆発が盛んに起こり、炎のように明るいプロミネンス(紅炎)が宇宙に向かって吹きだされます。太陽フレアの発するエネルギーは凄まじいもので、これが放出した電磁波やプラズマ、高エネルギー粒子などが地球を襲うと(数日後)、磁気嵐が発生したり停電が起きたり、人工衛星の機能に障害が起きたり、様々な災害が発生するのです。

こうした太陽活動の次のピーク(つまり「極大期」)は2025年の7月にやって来ると予測されているのです。太陽から放射されるエネルギーは、通常よりも0.1%強くなります。

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太陽が明るく輝きを増すのですから、当然のごとく、地球の気象は大きな影響を受けます。そして、思わぬところにも影響は現れます。たとえば、大気圏が膨らむことで、比較的低空を回っている何百もの人工衛星が空気に接触し墜落する危険があるのです。

そして、プラズマや高エネルギー粒子、電磁波などの「太陽風」が強力になり地上まで押し寄せれば、磁気嵐などの電波障害だけでなく、コンピュータなどの電子機器にも直接的な悪影響が出るでしょう。その結果、こうした電子機器のネットワークで制御されている送電システムなど各種インフラにも不具合が生じる可能性があります。

銀行のキャッシュディスペンサーや交通機関の自動改札、そして、ペイペイなどのキャッシュレス決済が使えなくなるかもしれません。その前に、ケータイ電話が使えなくなる事態も覚悟しておく必要があります。それ以外にも、思いがけない障害が発生するかもしれません。

これまで無かった「新しいインフラ」ほど被害を受ける確立は高くなるのです。電子機器やディジタル情報通信網への依存は以前よりも加速しましたし、人工衛星の数も増えました。社会システムの状態が変化し、11年前とは、事情が違っているのです。一般的な傾向として、近年新たに開発され整備されたものほど自然災害に対して「脆弱」にできているのは仕方がないことです。常に不測の事態に備え、しっかりしたバックアップを準備している組織や企業は生き延びることができます。

しかし、ただ心配したり文句を言っているだけでは、事態は好転しません。こうしたインフラを陰で支えているエンジニアたちは、今、必死で対策を講じているはずです。彼らを応援し、彼らの健闘を祈りましょう。

ただ、地球的規模での「気象」への影響、あるいは最近指摘されている、地震や火山活動への影響、などへの対処となると、これはお手上げ状態です。

「CO2による温室効果」の「神話」をメディアが繰り返し報道したせいで、人類の中には、気象をはじめとする自然現象を人間が「制御できる」かのような妄想を信じ込んでいる人も少なくありません。しかし、人間の力はまだまだ未熟です。

もちろん、環境破壊による自然へのネガティブな影響は確かに深刻な問題で、これらを放置しておくことはできません。たとえて言うなら、積み木でお城を造ることのできない赤ちゃんも、これを崩すことならできるというわけです。環境負荷を減らす方向での生活スタイル改善や社会システムの構築は急務です。

しかし、一方で、自然が持っている潜在的な力の大きさというものを侮(あなど)ってはなりません。人間は、自然の前では、もっと謙虚になるべきです。いくら、人類の犯した自然への「罪」を責め立て、「神の代理人」であるかのように振る舞い、「カーボンニュートラル」「SDG’s」などと号令をかけたところで、自然に起こる気候変動を止めることなどできません。太陽活動がわずかに「0.1%増加」しただけで右往左往しているのが実情なのです。人間は無力です。

「神様ごっこ」をしたところで、誰の助けにもなりません。しかし、逆に、この事実を悟った時、私たちは「身の丈に合った」、自分たちが今できる「対策」を考え、実行に移すことができるようになるのです。人類はこれまでも、そうやって生き延びて来ました。

地震の多発や火山噴火が予測されるなら、人々が危険な地域から移住することも真剣に考えるべきでしょう。気象の変化による豪雨が予測される場合も同様です。移住までは無理でも、事前に避難する仕組みは確立しておくべきでしょう。言うまでもなく、各家庭レベルの防災対策は以前にも増して大切であると同時に、それらは「有効」です。

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農業においても、気候変動に合わせた作付けなどの対策を何通りも準備するべきです。食糧自給率の低いわが国では、国策レベルで食糧備蓄を見直す必要があるはずです。

それに、都会であれ山間地であれ、やたら木を切り倒さないことです。山の木を伐採してメガソーラー(大規模太陽光発電施設)を作れば、それは山が持つ貯水機能を奪って洪水や土砂崩れの原因になります。山の荒廃は海の荒廃につながり、良好な漁場が無くなる原因にもなります。

神宮外苑の再開発計画が良い例ですが、都市に残っている貴重な樹木を切り倒してスポーツ施設やビルを作ろうといった企ては愚の骨頂です。関東一円に広がる広葉樹林は、夏には涼しい木陰を、冬には暖かい陽だまりを提供して来ました。まだエアコンが普及していなかった時代、小学生の私は友だちと走り回って疲れ果て、外苑の木陰で涼んだことを思い出します。林の下を通りぬける風は、優しく火照った子供の肌を冷やしてくれました。

緑の恩恵は昔話ではありません。今現在も、工夫次第で、上手に「緑陰」を作っている人は少なくありません。たとえば、最近流行っているゴーヤやヘチマ、アサガオなどの「つる植物」をネットにはわせて作る「緑のカーテン」は、見た目に涼し気なだけでなく、実際に部屋の温度を下げてくれます。都市計画レベルではなく、身近な生活のレベルでも、「緑」は私たちを極大期の太陽から守る心強い味方になってくれるのです。

要するに、普段から(そして昔から)必要で大切だと言われていることを実行に移すしかないのです。それこそが「未来への投資」です。

私なども、部屋の中の耐震対策で、この夏は、本の数を思い切って減らそうと企んでいます。水と食料の備蓄もやり直します。来年は「ゴーヤのカーテン」にもチャレンジしてみようと思っています。あなたも、楽しく、無理のない範囲で「極大期対策」を工夫してみてください。

そして、確かに「極大期」は2年後ですが、今現在も既にピークに近い時期に入っていることを忘れてはなりません。実際、春以来、NASAから太陽風の警告が何度か出ていますし、アメリカの一部では、停電などの影響も報告されています。また、緯度の低い地域でもオーロラが観測されています。さらには、太陽の活性化に誘発された結果でしょうか、火山活動も明らかに多くなり、地震も頻発しています。既に、眼に見える変化が地球上でも起きているのです。

であるとすれば、夏の猛暑くらいは当たり前なのかもしれません。

ここまで来たら、もう開き直るしかありません。そもそも、「守り」の発想だけでは、限界があります。夏の猛暑も含め、「季節の移ろい」に対して、どのように積極的に関わっていくのか、智恵を出し合いましょう。エアコンの効いた涼しい部屋に引き籠っているだけでは「つまらない」じゃないですか。

「攻撃は最大の防御」

前回も申しましたが、夏の暑さに負けないためには、夏を「楽しむ」のが一番です。

夏の楽しみをみつけましょう。
夏の食材を味わいましょう。
夏のイベントを探しましょう。
夏の「情緒」を満喫しましょう。

そして、友だちを誘って、一緒に楽しみましょう。先人たちが、どのように、夏を楽しんだのか、そこから学ぶことは少なくないと思います。

(メルマガ『富田隆のお気楽心理学』より一部抜粋)

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image by: Shutterstock.com

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