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Young caucasian man holding mouthwash isolated on blue background looking sideways with doubtful and skeptical expression.

父親が30年間も売れなかったものを、息子が70倍も売上げた「世界的ロングセラー商品」

親子何代にもわたってビジネスを続けている一家は少なくないと思いますが、父親が成し遂げられなかった商売を、息子が「ある方法」に変えただけで、何十倍にも成長させたという事例があることをご存知でしょうか? 営業実務コンサルタントの島田安浩さんは、自身のメルマガ『売れる営業マンの常識は売れない営業マンの非常識!』の中で、あの世界的な大ヒットロングセラー商品を生み出した「息子」、出せなかった父親についてのエピソードを紹介しています。

まさか?そんなに簡単に…父親が30年間苦労して売れなかった商品を息子が売った話

父親は「殺菌消毒薬を売ろうと悪戦苦闘」

この話しは有名なので、もしかすると、あなたはすでに知っている話かもしれません。

もう、100年以上前の話なんですが、ある企業家の父親と息子の話しです。

父親は、私のようなイメージです。もしかすると、あなたも同じような感じなのかも知れません。事業を成功させようと、頑張って、頑張って、挑戦して、挑戦して、いろいろ試して成功しようとします。

でも、まあ、そこそこの成功しか手に出来ていない。食って行ける程度で、目指している成功は手に出来ないのです。

非常に、よく分かるというか、俺も一緒だよ!って、思うわけです。

頑張っていない経営者なんていません。みんな頑張っていますが、思うような成果が手にできない。

そこが、問題なんです!!

この父親も、ありとあらゆることを試すんです。少し、詳しくお話しします。

父親の名前は、「ジョーダン・ランバート」と言います。彼は化学者で、企業家でした。

自分で開発した殺菌消毒薬を売ろうとしていました。元々は、手術用の殺菌剤として開発したようです。

ただ、あまり需要が無く、それほど売れなかった!

「どうしよう?」と考えて、その商品を、どうすれば売れるのか?と、用途に着目していろいろ試したんです。

例えば、

1.医療用業務消毒剤

病院の中のあらゆるものを除菌できる!そういうイメージで売り出したわけです。ただ、これも、手術用同様さほど需要が無かったのです。

2.切り傷、擦り傷、抗菌剤

「それじゃ、傷薬だったらどうだろう?」と考えて、傷薬として、売ろうとします。これも、ヒット商品には成らなかったわけです。

3.フロアクリーナー 

「そうか、だったら床磨きだったら売れるだろう!?」そう考えて、床を消毒する商品として売り出します。まあ、これまたさほど売れなかったわけです。

4.シェイバークリーム

「おいおい、盲点があった!髭剃り用のクリームなら売れるはずだ!」もう、そもそもの除菌はどこに行ったのか?髭剃り用のクリームとして売りますが、これもダメでした。

5.フットクリナー

「そうだ、除菌という原点に立ち戻って、足を除菌する!これは、売れるはずだ!!」結構、ヤケになって来てますね、まあ、まあ、試してみたけど、これもまた、思うような成果は出なかった。

6.フケの治療薬

ここまでくると、凄い執念を感じますね!足がダメなら頭!と考えたのか、フケ防止薬として売るのです。この行動力というか執念には頭が下がりますが、これも、さほど売れなかったようです。

7.性病の治療薬

最後には、淋病薬として売るんですが、効果はあったんでしょうか?ドラマ『JIN-仁』の中では、ペニシリンでしたが、…ヤケクソ感を感じますね…。

ということで、いろんな薬として売ろうとしたわけです。

ナント、30年間悪戦苦闘したにもかかわらず、思うような成果を上げることはできなかったわけです。

多くの経営者は、彼のような人生を送っているのです。頑張っても、頑張っても、思うような成果は手にできず、毎月、支払に追われる!

そういう経営者が、私も含めて多いと思いま…す。

息子は「口臭」を作った?!

それに対して、同じ商品を息子が大ヒット商品にします!父親とは全く違う方法と発想です。

これが、ムチャクチャ勉強になります。

思わず、「マジか!?」って叫びそうになりました。多分、あなたもよく知っている商品、もしかすると、私の家同様に、あなたも家にあって愛用しているかも知れません。

もう、分かってしまいましたか?…

息子の名前は、「ジェリー・ランバート」です。

彼は、父親のように商品のベネフィットを売ろうとしたり、いろんな用途を考えて、次々に『○○に効く○○』とはしなかったのです。

その代わりに、一つの言葉を作りました!それが、「Halitosis」という言葉です!

【口臭】という意味の言葉を作ったのです。

これは、ラテン語のhalitus“息”と、ギリシャ語のosis“病気”を合わせて、彼が作った言葉です。

そして、彼はいろんな広告を出します。こんな感じです。

人気が無いのはHalitosis(口臭)のせいだ!

子供と、美人の女性が一緒に写っている写真を使っています。でも、お互いに違う方向を見ているのです。

電話が来ないのはHalitosis(口臭)のせいだ!

電話機の後に美人の女性が立っていて、「今日も電話が来ないなぁ~」って感じで恨めしそうに電話を見下ろす。そういう、写真が使われています。

ビーチで独りぼっちなのはHalitusOsis(口臭)のせいだ!

男性2人が浜辺で遊んでいるけど、美人の女性が、寝そべって乗れるフロートに乗って、独りぼっちで海に浮かんでいる。そんな、イメージが使われています。

彼は「口臭」を作った!その広告を見た人は、初めて、「俺も、口臭のせいで彼女がいないのか?」とか、「私に彼氏がいないのは、口臭のせいかも?」とか、「お客さんが嫌な顔をするのは、口臭だったんだ!」などなど、自分事として考えるようになったんです。

当たり前ですが、気になれば、改善したくなるのが人間です。そして、その商品が爆発的に売れたんです。

売上がナント70倍になった!凄いですね!?

もう、お分かりだと思いますが、その製品は「リステリン」です!!

今でも、売れている商品ですよね!?ヤバくないですか???

ムチャクチャ勉強になりますよね!?

営業でも、商品を売ろうとすると失敗をします。

「今日はUTMの件ですけど、…」とか、「今日は複合機の件ですけど、…」とか、カタログを出して言う人がいますけど、誰も、商品なんて欲しくないんです。カタログを出した瞬間に逃げます!

まあ、イキナリあなたの前から消えたりはしないですが、目の前にいても、気持ちは逃げています。

そして、「また売込みだよ、早く帰ってくれ!」と、思いながら、愛想笑いをしていま、…。

今は、売込みはみんな嫌いなんです!

商品を出した瞬間に、逃げます。そういうものだと理解する必要があります。

イメージ的に言うと、父親はそれをやりまくった感じです。

「今度の商品は、医療用業務消毒剤です!」
「今度の商品は、切り傷薬です」
「今度の商品は、フロアクリーナーです」

などなど、商品を売ろうとします。でも、売れません。商品を欲しい人はいないからです。

では、なぜ?トップセールスは売れるのか?

商品を出して無いからです。商品は結果であって、決して先に出てくるものでは無いんです。

「問題」「悩み」「どうにかしたい!」そういう負の感情を、表面化させるのです。

ジェリーが「口臭」という問題を生み出したようにです!

問題や悩みが心の中に発生すると、人間はそれを解決したくなるのです。だから、70倍も売れて、今でも売れ続けているのです。

あなたが商品を売る相手、お客様は、現状に満足しています。自分から、助けを求めて来ない限りは、現状で不便は無いのです。

この状態では商品は売れません!不必要なのです。

この、満足を不満足にする必要があります。ジェリーが今までなかった悩み、【口臭】を創造したようにです!

現状に満足していた人が、不満足だったんだと学習し、問題が表面化したから売れたんです。

自分の問題に気づいたから、それを解決したくなる。それが、人間なんです!!

今までは、それが当たり前だった。だから、問題を感じなかったのです。

image by: Shutterstock.com

島田安浩(営業コンサルタント)この著者の記事一覧

最初売れない営業マンだった私が、売れるようになり、日本でトップセールスに登りつめ、経営者として株式公開した。その営業ノウハウを、売れる営業の常識と売れない営業の非常識と言う観点で分かり易くまとめた。

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【著者】 島田安浩(営業コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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