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なぜ「浮気調査は自分でやる!」と言う依頼者は“自滅”するのか?

「自分で浮気調査をするからコツを教えてほしい」メルマガ『探偵の視点』の著者で現役探偵の後藤啓佑さんのもとに、そんな依頼者が年に何回かあらわれるそうです。探偵に任せればあっさりと証拠が突き止められるものですが、こういった素人がやってみるパターンは自滅することが多いのだとか。今回は「はじめから任せてくれよ!」なエピソードを紹介しています。

自滅していく依頼者たち

「初めから任せてくれよ!!」

こんなセリフを吐きたくなるタイミングは、年に何度か訪れます。そして、先日もそのタイミングが訪れました。

相談者は40歳代の主婦の方。半年前に一度、電話での相談を受けた方です。

旦那さんの浮気調査で、毎週定期的に浮気相手の女性と会っているという。相談者は旦那さんが寝ている隙にLINEを見れる環境。そのLINE情報から、相手方女性と会うタイミングや場所が把握できていました。

この話を我々のような探偵が聞けば、わりと簡単に短時間でコストもそこまでかけずに浮気の証拠を撮るプランはすぐに頭に浮かびます。そして、その後の証拠の使い方や、進むべき道をディレクションすることも可能です。

依頼してもらえれば、低コストですぐに結果が出る。僕たちとしても喜ばしい案件です。

しかし、その方は言います。

「自分で浮気調査をやるから、気を付けることだけ教えてほしい」

話を聞くと、どうやら探偵を利用するということは頭に無いようで、自分で全てできるから、調査の際に気をつけることがあれば教えてほしいとのことでした。

当然、調査で気を付けることなんて何百個もあるので、それらを教えるのは難しい。

そして、このパターンは、絶対に揉めて、揉めてやりづらくなってから探偵に依頼してくるパターン…。

僕の経験上、このようなことを言い出す人は、決まってめちゃくちゃに揉めます。そして、揉めてから、そのトラブルを回避しながらも証拠を撮ってほしいという無茶な要望を押し付けてくるのです。

もちろん、対象者が非常に警戒している中での調査は、通常よりも時間もコストもかかります。なによりリスクが大きい。

とりあえずその時は、このリスクの説明をし、できれば探偵に頼んだほうが良いということをお伝えしました。しかし、自分でできる!と言い張り、電話を切られ…。

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それから半年経った先日、その方から電話が来たのです。

「後藤さんの言う通りでした。今大変なことになってます。でも、証拠を撮りたいんです!今回は全てお任せしますから、なんとかお願いします!」

「どんな状況になったんですか?」

「あの後、旦那が女とホテルにいくことがわかったので、私そのホテルの駐車場で待ってたんです。そうしたら2人で現れて!スマホで動画を撮ったんですが、撮っている途中で旦那が私に気づいて、私車から引きずり出されて、首を絞められました!そうしたら女がそこから走って逃げだしたんです!私、許せなくて旦那を振り払い、女を走って追いかけました!でも逃げられて…。ずっと付近を探してたんですけど見つからなくて。車に返ったら、警察がいました…。警察の方に話をしたんですがなだめられるばかりで」

「なかなか修羅場になってますね…。」

「はい。その後、旦那は家を出て行きました。私を訴えるらしいです」

「それで、まだ続いているかどうか、続いているなら浮気の証拠が欲しいということですか?」

「はい。なんとかお願いしたいです」

「わかりました。非常にリスクがあるので、時間をかけてやらないといけませんが、できないことはないと思いますので、やってみますか」

案件としては先週、なんとか旦那さんの居所(女性と暮らしていました)を掴み、そこで宿泊の立証を行い、なんとか証拠は撮れました。

しかし、警戒心もひどく、ものすごくリスクのある、難易度の高い調査となってしまいました。

普段よりも当然コストがかかり、今後も色々と問題が起きそうな予感…。

ほんと、初めから任せてくれよ…。

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image by: Shutterstock.com

後藤啓佑この著者の記事一覧

平成3年生まれ。探偵歴10年。愛知県出身。好きな調査シーンは張り込み。19歳から探偵の修行を始め、他の職業をやることなく社会に出て現在までずっと探偵。中高生の頃から中南米地域に興味があった為、好きな探偵と中南米を合わせよう!ということで23歳のときに中南米で探偵をする為グアテマラ入りをする。グアテマラにて活動後、事業の基盤作りの為帰国。まずはアジアからということで現在はバンコクやマニラなどでの調査を経験しながら、国際探偵への道を走っている。多くの男女トラブルや企業内外の調査を受けている。

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【著者】 後藤啓佑 【月額】 ¥121/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

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