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元お天気お姉さんが警告。日本人の低すぎる地球温暖化への危機感

国連のグテーレス事務総長が「地球沸騰化の時代が到来」と発言するなど、世界で高まる異常気象への懸念。しかし我が国では未だ本格的な温暖化対策が取られているとは言い難い状況が続いています。このような現状を批判的に綴るのは、気象予報士として『ニュースステーション』のお天気キャスターを務めていた健康社会学者の河合薫さん。河合さんは自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で今回、日本と国際社会の「環境問題への意識」の大きすぎる温度差を取り上げるとともに、「京都議定書」採択地である日本の温暖化への危機感の無さを非難しています。

プロフィール河合薫かわいかおる
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

温暖化に危機感ありますか?考えてますか?カネでいいのか?

本州に接近した台風13号の影響で、千葉、茨城、福島の各県で線状降水帯が発生して記録的な豪雨となりました。茂原市では24時間降水量が379.5ミリに達し、観測史上1位に。千葉、茨城、福島の3県では「記録的短時間大雨情報」が計20回も出ました。

記録的大雨情報とは、1時間に100ミリ前後の数年に一度程度しか起こらないような猛烈な雨が観測された場合に気象台が発表する気象情報です。今回の豪雨を鑑みると「数年に一度」が、「毎年」になるのもそう遠くないように思います。

日本以外でも記録的豪雨は頻発していて、

…などなど“記録的大雨”が相次いでいます。

繰り返し書いているとおり、温暖化とは極端な気象現象が頻発すること。それはつまり、ハワイやカナダ、さらにはギリシャでの大規模な山火事も、温暖化の影響が多分に考えらるってことです。

世界気象機関とEUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は6日、今年6~8月の世界の平均気温が観測史上最も高くなったと発表しました。報道によると、6~8月の世界の平均気温は16.77度で、平年を0.66度上回ったとされています。もっとも高かったのが、今年7月の平均気温16.95度で、観測史上最高を記録。8月は16.82度で、7月に次いで史上2番目に暑くなりました。

また、海面水温も過去に例のない高さが続いています。8月の平均水温は20.98度で、平年を0.55度上回り、過去最高です。南極の海氷の面積はこの時期としては記録的に小さく、平年を12%下回っているとのこと。

国連のグテーレス事務総長は「気候崩壊が始まった。まだ気候変動による最悪の混乱を避けることはできる。ただし、一刻の猶予もない」と危機感を示し、各国の指導者らに温暖化対策の加速を強く促しています。

日本でもさまざまな企業が温暖化対策に乗り出していますが、市民レベルでは「まだまだ意識が低い」としかいいようがありません。

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環境問題を巡る世界と日本の大きすぎる意識の違い

欧米ではエコバックを持参してない限り、買い物はできません。日本のようにレジ袋をおいていないのです。

数年前にニュージーランドに行った時に、ホテルやレストランにプラスティック製品が一切消えていて驚きました。温暖化対策先進国のフランスでは「お肉を食べる人が減った」(by 河合付き現地特派員)。

日本でも昭和の時代は、お豆腐屋さんにお鍋を持参したりしてたのですから、それに戻すだけでも意識が変わると思うのですが、なぜかいつまでたってもレジ袋はなくなりません。金で解決できる!といわんばかりです。

そもそも国際社会では、環境問題は、差別、貧困、人権問題などにも影響を及ぼす極めて政治的な問題といった認識が広がっているので、徹底した対策が取られている点が、日本との大きな違いです。

日本の二酸化炭素排出量は、中国、アメリカ、インド、ロシアに続いて5番目に多い。2022年12月、「IEA」(国際エネルギー機関)は報告書で、「再生可能エネルギーは、2025年初めには石炭を抜いて世界最大の電源になる」との見通しを発表しました。

以前、メルマガで書いたと思いますが、1997年12月に日本で開催され、採択された「京都議定書」が、世界の温暖化対策の指針となったはずなのに、開催国日本では実行的な温暖化対策が行われないまま、今に至っています。

そもそも、社会での温暖化の危機意識は圧倒的に欠如しているのに、それを国が高めようと本気で考えているのか。国を動かす人たちから危機感が感じられないのですよね。

小さなことでも自分でできることをやるしかないのですが、本当にこのままでいいのか?ニッポン!?

みなさまのご意見、お聞かせください。

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image by : Moses.Cao / Shutterstock.com

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
「自信はあるが、外からはどう見られているのか?」「自分の価値を上げたい」「心も体もコントロールしたい」「自己分析したい」「ニューストッピクスに反応できるスキルが欲しい」「とにかくモテたい」という方の参考になればと考えています。

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【著者】 河合 薫 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

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