不景気の日本で、業績好調な企業はいったい何を改善し実行しているのでしょうか。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんが、支援している居酒屋で実行中の手法を特別に公開しています。
業績好調の居酒屋企業で管理している数値管理
地方都市でドミナント展開されている居酒屋のご支援先。
商圏人口は決して大きくないのですが、様々な業態特化の居酒屋を展開する事で、着実に成長を実現されています。
・寿司居酒屋
・焼鳥居酒屋
・大衆居酒屋
・炭焼居酒屋
・蕎麦居酒屋
このような切り口での展開ですね。
THE居酒屋でしたのでここ数年は大変でしたが、足元では見事なV字回復を達成されました。
それを実現すべく、「伸びているところを徹底的に伸ばす」を大切にし、
・それを見つける作業
・それを伸ばし切る手段
これを進めていました。
そしてこれを進めるには「正しい数値分析」が必要。
じゃあどのような数値分析が必要なのか。こちらの居酒屋企業さんの例で見ていこうと思います。
ちなみにこちらはシステム投資はまだで、スプレッドシートでの管理です。
■日次決算
・予算売上
・実際売上
・客数、組数と客単価、組単価
・原価率
・人件費率
・人時売上
これの把握は日々実施されています。この中でも特に重要なのは「人時売上」ですよね。
仕事って増えていくものなので、慢性的にやるものが増えれば人時売上は悪化します。
売上を最大に、時間を最小に。それを日々把握し、マネージャー職は週一でそれをサポートする事が仕事になります。
ちなみにこちらの企業の人時売上は、
閑散期:4,682円
通常期:5,016円
繁忙期:6,514円
このような状況です。
■新規・リピート売上
・売上合計
・新規売上
・リピート売上
これは月次で把握されています。
冒頭の通り、ここは地方都市。人口も緩やかに減少するエリアです。
そうなると「リピーター様」を着実に増やせるか?は重要な視点になります。
そのため、売上全体が良くてもリピーター様売上が低ければ評価されません。
QSCが本当に高いものになっているか。これを把握されており、これに連動して下記の把握もされています。
■顧客アンケート
Googleフォームでアンケートを作成し、お客様がリピートに繋がる要素をヒアリング項目にしています。
ここの企業さんでユニークなのが、それを「来店回数別」で把握している所です。
例えば、
・また来たいか?を来店回数別で算出
・美味しかったか?を来店回数別で算出
・接客対応はどうか?を来店回数別で算出
このように把握されています。
これで見るとこちらの企業さんの不振点は以前、「2~3回来店」の上記数値が悪いデータが出ました。
つまり、2~3回来ると「飽きちゃう」という事。確かに業態の尖りや名物もあって、初回→2回目は悪くありませんでした。
ただ、それ以上に行き続けるか?で見ると、そこが弱かったんだなと把握。
そのため、そこに対しての商品開発を行い、売上もグループ内でトップクラスに売る店に。
やはりこれで「リピート売上」が伸びたのが売上アップに繋がった要因でした。
また「リピート売上」アップのために実施しているのがもう一つあります。
■LINE獲得推移
・店舗別友達数
・月間獲得数(率)
・LINE経由売上
・誕生日特典利用数
これを把握しています。
業績好調店ほど上記の数字が全て良いのですが、理由は「下限品質の仕組み化」になります。
結局、繁盛店と普通店の違いは何か?と言われると、
「繁盛店は忙しい時もやるべき事をやり切っている」
これに尽きます。
マンパワーの要素もありますが、それ以上に「仕組み化」が上手です。
上限品質の向上はアートやセンスで良いです。しかし最低限やるべき下限品質は、誰でも出来る仕組み作りが大切。
つまり、LINE一つとっても、
・絶対に聞こうね!
ではなく、
・絶対に聞かざるを得ない仕組み!
という事。
グループ内繁盛店のノウハウを、しっかり全店舗に落とし込む作業をやっています。(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年1月15日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
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