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最も優秀な家来を東京へ送れ。これが地方衰退のはじまりだった?

東京への一極集中が叫ばれて久しい昨今ですが、地方が衰退している原因はどこにあるのでしょうか。無料メルマガ『【スキル×運】で年収1000万円を目指せ!』の著者・佐藤しょうおんさんが、散歩中に考えていたという江戸と東京の違いにそのヒントがあったようです。

地方衰退の理由はこれが発端。江戸と東京の違いを考える

散歩中にあれこれと考えたことをここでまとめてみようかなと思います。これがみなさんの思考の抽斗になれば良いなと思いますが・・・

地理的には江戸と東京は同一なんですが、江戸から東京に変わってから、実態は大きく変化したわけですよ。江戸時代というのは、日本は連邦国家だったわけで、徴税権も各藩に委ねられていたわけです。つまり地方の独立国が集合してできていたのが日本という国だったわけですね。

それが明治維新になったら、いきなり中央集権国家になったわけ。つまり自治権が各地方から取り上げられて、あらゆるものが統一規格、同じやり方、中央が決めた組織、手順でやるように改められたんですね。こうなると何が起こるのかを考えてみたんです。

中央集権国家では、あらゆる政策を中央、つまり地理的には東京が決めるわけです。他の地方は東京が決定したことを粛々と実施するだけということになります。そしてどんな仕事でもそうなんですが、「決めること」と「実行すること」では、前者の方が難易度が高いんですね。だってここで作った設計図にバグがあったら、「実行」の段階で必ず失敗するわけですからね。だから緻密に、綿密に、失敗する確率が最も低いやり方を、そして最も効果が出るやる方を、中央は考えなきゃならないわけ。もちろんやり方だけではなく、「何を」やるかというもっとハイレベルなことを先に考えるわけです。

つまり明治になってから、このような新たな国作りをしたわけで、中央集権という設計図で、あらゆるもの、例えば医療とか、郵便とか、学校とか、警察とか、消防とか、鉄道とか、公共事業などなどを、統一規格でスクラッチで作ったわけです。

これを実現させるために、明治新政府は旧藩の各藩主に、

という依頼を、天皇の名前でやったんですね。幕末には266の藩がありましたから、合計で500名強の優秀な若者が東京にやってきたわけです。日本は彼らに投資をして、勉強をさせて知識を付けさせて前述した大事業をやったんです。ここまでは歴史としてのファクトです。

これってどういうことかというと、地方に暮らしていた優秀な若人が、地方を離れて東京に行くということで、マクロ視点でいえば、地方の衰退に繋がるわけです。だって東京から地方に賢い人材の補充はしないんですから。

会社で上位マネジメントをやれば分かりますが、人間の能力って極端に差があるモノで、とびっきりスゴい偏差値75クラスの人間って、フツーの人間の100人分くらいの成果を出せてしまうものなんですね。そういう人が地方から東京に移ったわけ。この人たちがそのまま地方に止まっていたら、その地方の発展に大きな貢献をできたはずなんですよ。

実は江戸時代って、地方にめっちゃ優秀な人材がたくさんいたというか、優秀な人材が日本各地に分散していたんです。これは優秀な人材が生まれる確率が分散している(どこか特定の地方だけに優秀な人間が生まれるわけではないということ)のですから、どの藩にもチラホラといたのは当然です。そんな人が藩政改革をやって、地方を発展させていたのが江戸時代なんです。

ところが、中央集権になって、各地方が中央の指示に従うだけの存在になった、そのため、指示を出す中央、つまり東京に優秀な人材が必要になったわけです。その結果、地方にいた優秀な人がドンドンと東京に移るようになったわけです。それって地方から見たら、賢い人間が流出してしまうということですから、長い目で見たら良くないことなんですよ。

どの地域にも一定の確率で賢い人、優秀な人は生まれるのですが、そんな人が地方に止まらずジャンジャン東京に行ってしまうという構図が明治になって作られたわけです。これが何を意味するのか、をちょっと考えて欲しいんですよ。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤しょ~おん 【発行周期】 平日刊

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