これまで以上の健康志向の高まりもあり、近年好調な業績を見せているという蕎麦業態。もちろん一口に「蕎麦業態」と言ってもジャンルは細分化されており、それぞれに適した運営が求められるのは言わずもがなです。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんが、そんな中から4つの業態をピックアップし各々について詳細に解説。さらに本格蕎麦店より安く立ち食いよりも落ち着ける「カジュアル蕎麦業態」の収益モデルや売上のポイント等を深堀りしています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです
好調な「蕎麦」業態の収益モデル
最近好調な業態は何ですか?と問われると蕎麦業態。
ただ蕎麦業態といっても幅広く、
- 和食蕎麦業態
- 居酒屋蕎麦業態
- 立ち食い蕎麦業態
- カジュアル蕎麦業態
このような形が多いです。
何が良いの?に関しては商圏人口と店舗のキャパによって変わってきます。
■細かな業態別の説明
●和食蕎麦業態
郊外の大箱だと和食蕎麦ですね。和食の市場規模の大きさから、法事法要や地域の集まりに強いです。
- ランチ:蕎麦中心としたセット
- ディナー:蕎麦中心としたコース
このような売れ筋になってきます。
反面大変なのはアイテム数が多くなり、食材管理は専門業態よりも大変になります。
また和食なので刺身・寿司の重要度は高く、最低限魚を捌ける体制作りは必要になります。
●居酒屋蕎麦業態
駅近な物件に強いですね。
- ランチ:蕎麦セット
- ディナー:〆蕎麦な居酒屋
ランチはオフィス立地が強いと最高です。
「丼とのセット」「蕎麦の単体」
基本的な売れ筋はこれになります。丼があるのでテイクアウト比率は5~10%程度。
ディナーは居酒屋ですがアイテム数は30くらい。居酒屋としての来店頻度を得られるアイテム数ではないので基本は目的来店です。
割とお客様の年齢層は高くなります。
●立ち食い蕎麦
これはやっぱり駅ナカか駅近。この辺りは競合企業がチェーン店で強くあるので
敢えて勝負する領域ではないです。
●カジュアル蕎麦
本格蕎麦よりかは安い。だけど立ち食いよりも高く落ち着いている。そんな蕎麦業態です。
席数は20~30席くらい。
店前通行量がポイントになってくるのですが、繁華街だけでなくロードサイドでも行けます。
価格帯としては、
- 単品:500円予算帯(400~799円)
- 季節:1,000円予算帯(800~1,199円)
- セット:1,000円予算帯(800~1,199円)
こんな感じです。今日はこの業態を見ていこうと思います。
■収益モデルのイメージ
席数:20~30席
- 売上:3,500,000円
- 原価:945,000円(27%)
- 人件費:1,050,000円(30%)
- 家賃:300,000円(8.5%)
- 水光:105,000円(3%)
- 消耗品:70,000円(2%)
- 減償:70,000円(2%)
- その他:175,000円(5%)
- 営利:785,000円(22.4%)
ざっくりこんな感じです。
■売上のポイント
日販は約11万円。
- 昼:8万円
- 夜:3万円
時間帯別で見るとこんな感じです。
つまり、客数・客単価はこんな感じ。
- 昼:8万円=100名×800円
- 夜:3万円=30名×1,000円
昼の時間は朝10時~17時を定義しています。10時台はご高齢の方が多い立地ですね。
■客単価のポイント
- ざるやかけ:600円くらい
- 季節メニュー:800円~1,000円
- 丼セットメニュー:900円~1,500円
- トッピング:100円~300円
ざっくりこんな感じです。本格蕎麦店よりかはカジュアルに使えるけど、さんたてにこだわって美味しいがポイントです。
■人員構成
社員さんは1名のパターンか──(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年3月18日号より一部抜粋。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をご登録下さい)
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