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北朝鮮に似てきてしまった韓国民主党。始まった「防弾シーズン2」

収監中のイ・ファヨン前京畿道平和副知事が、検察から「酒宴陳述操作懐柔」を受けたと主張したことで、韓国民主党が検察を抗議訪問するという事態になっています。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、その詳細について詳しく語っています。

「“司法リスク”を使用しないで」今や朝鮮労働党の雰囲気と似てきている韓国民主党

18日、共に民主党のパク・ボムゲ検察独裁政治弾圧対策委員会常任委員長とパク・チャンデ最高委員など現役議員と22代総選挙当選者など30人余りがソウル瑞草洞(ソチョドン)の最高検察庁舎を抗議訪問した。

「サンバンウル対北送金疑惑」事件で収監中のイ・ファヨン前京畿道平和副知事が検察から「酒宴陳述操作懐柔」を受けたという主張に対して検察が直ちに監察に出ることを要求する席だった。

ところがこの日、検察を糾弾する声明書を読んだ当選者は意外な人物だった。駐ロシア大使と韓半島平和交渉本部長を歴任した正統外交官出身で、比例衛星政党である「共に民主連合」で第22代国会に入ったウィ・ソンラク当選者だ。

声明書の朗読に慣れていない彼の姿がとてもぎこちなかった。自他共に認める北朝鮮の核専門家である魏(ウィ)当選者の初の政治家デビュー舞台が、最高検察庁庁舍になったのだ。おそらくこれからも外交現場よりは、このような集会やデモでピケットを持ってスローガンを叫ぶ彼をよく見ることになるような不吉な予感がする。

イ・ジェミョン代表は10日、民主党が圧勝をおさめた放送3社の予測結果発表が出た時、他の人々とは違って笑わなかった。比較的落ち着いた姿で淡々とテレビを見つめた。本音は分からないが、彼が本当に戦って勝たなければならない対象は選挙ではない他のところだったためかもしれない。

総選挙直後、イ代表は初めての最高委員会議で選挙前の4日、イ・ファヨン前副知事が裁判で提起した「酒席懐柔疑惑」に対して「100%事実」とし、国家の基盤の崩壊だと強く主張した。

裁判を取材した現場の記者たちも、イ・ファヨン前副知事の主張があまりにも荒唐無稽で記事として報道もできないほどだったが、李代表は違った。以後、繰り返しこの問題を指摘して特検(特別検察)と国政調査にまで言及し、党もこのようなイ代表の主張を後押しするために「イ・ファヨン陳述懐柔特別対策団」を挙党的に作り連日検察を圧迫している。

ソウル高等検察庁長出身のイ・ソンユン当選者(民主党から。こういう嘘つきが民主党の大方を占める)、大庄洞(デジャンドン)弁護士当選者など議員・法曹人出身当選者が総網羅された。

いくら議席の多い党の代表だとしても、李代表が司法リスクを超えなければ何の役にも立たない。大庄洞・ペクヒョンドン、偽証教唆、選挙法裁判のうち一つでも有罪が出れば被選挙権を喪失し、大統領選挙の夢は飛んでしまうためだ。まだ捜査や起訴がされていない北朝鮮への送金問題は、李代表にとってはアキレス腱だ。

昨年9月、李代表の拘束令状を棄却したソウル中央地裁の柳昌勲(ユ・チャンフン)部長判事も、北朝鮮への送金疑惑については、「北朝鮮への送金の場合、李華泳(イ・ファヨン)容疑者の周辺人物による不適切な介入を疑うだけの情況がある」と述べた。

ところが、もし6月7日に下されるイ・ファヨン前副知事の宣告(15年求刑)で有罪が認められれば、イ代表に直接的な影響を及ぼす。イ・ファヨン前副知事が覆した(一時は北への送金事実のイ・ジェミョンへの報告を認めたのだが)ものの、800万ドルにのぼる北朝鮮への送金事実を李代表に報告したことを裁判所で(もう一度)認めれば、すぐに李代表に対する捜査と起訴につながる可能性があるからだ。

イ・ファヨン前副知事も、本人が生き残れるのは、この事件を政治化し、検察を攻撃する方法しかない。ところが昨年6月末~7月に検察調査を受ける時、サンバンウルのキム・ソンテ前会長などと水原地検内の映像録画室、倉庫、検事休憩室で鮭を食べ焼酎たらふく飲んだという主張は、一つ一つ検察の反論に揺らいでいる。

イ・ファヨン前副知事側も、「最初は酒を飲みすぎて、目を覚ますためにしばらくしてから拘置所に行った」と言ったが、その後、紙コップに入った酒のにおいだけを嗅いで飲まなかったと言うなど、右往左往している。酒を飲まなかったことが徐々に事実であることが明らかになると、22日には検事出身のチョン・グァン弁護士が自分を懐柔したというとんでもない主張で事件をまた大きくしている。

李華泳(イ・ファヨン)の主張があまりにもつじつまが合わないということを常識的に知りながら、民主党はイ・ファヨンを正当化するために総力戦を繰り広げている。捜査検事の弾劾も行うという。「防弾シーズン2」が始まったのだ。

民主党の党役員も全員「チンミョン」(=李在明一派)で満たした。ソ・ウンスク最高委員は「今後、民主党内のいかなる人事もイ代表に向かって尹錫悦政権と悪意的保守言論が作った用語である『司法リスク』を使用しないでほしい」と公開警告した。隣でこれを聞いた李代表は、大変満足しただろう。

司法リスクの表現をしないからといって「司法リスク」がなくなるわけでもないのに、もはや民主党の雰囲気は、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の朝鮮労働党に似てきている。(文化日報 李鉉宗=イ・ヒョンジョン論説委員コラムより)

image by: Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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