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居住区域が都市部だと「郊外よりも精神病症状が重度になる」という研究結果

住んでいる場所の環境は精神状態に影響するのでしょうか? 今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、都市部と郊外を比べて精神病症状が違うのかを調べた海外の研究結果を紹介しています。

居住地域の環境と精神病症状

◎要約:『居住している地域の環境によって、精神病性疾患に伴う症状が影響を受ける可能性がある』

今回は、居住している地域の環境と精神病性疾患に伴う各種症状との関連を調べた研究をご紹介します。

Multidimensional Approach to Exploring Neighborhood Determinants and Symptom Severity Among Individuals With Psychosis

近隣の環境要因と精神病性疾患の重症度に関する多次元的検討

アメリカにおける研究で、初回の精神病性疾患(統合失調症など)エピソードを経験している14~40歳の225人(平均20.7歳、男性69.1%)が対象となりました。

居住環境について、住居の状況、土地利用、都市化の程度、歩行可能性、交通機関の利便性、医療機関やスーパーの存在等について調べ、環境を i. 都市部(高リスク) ii. 都市部(低リスク) iii. 郊外地域 に分けて、精神病性疾患に伴う症状との関連を調べています。

結果として、以下の内容が示されました。

・(他の要素を調整した後で、以下同様)都市部に居住している場合(上記のiとii)では、郊外よりも精神病症状が重度である傾向がありました。

・都市部に居住している場合(上記のi)では、郊外よりも抑うつや不安が強くなっていました。

都市部の利便性はあると思われますが、症状に対する影響を考えると、比較的空間利用に余裕のある郊外に住むほうが療養に有益である可能性を感じました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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