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SNSで「結婚できない」と愚痴を言う人たちに贈りたい“とびきりの一冊”

人それぞれの結婚観が幅広くなり、生涯独身を貫く人は以前よりも増えてきましたよね。しかし、問題なのは「結婚したくてもできない」とぼやく人たち。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが、そんな人たちに向けた「とびきりの一冊」を紹介しています。

【ハーバード×Google式】⇒『理想のパートナーと出会う方法』

理想のパートナーと出会う方法

ローガン・ウリー・著 寺田早紀・訳 河出書房新社

こんにちは、土井英司です。

本日ご紹介する一冊は、ハーバード大学で心理学を専攻した後、Googleの行動科学チーム「Irrational Lab(非合理実験室)」を運営、後に行動科学者からデートコーチに転身した、ローガン・ウリーさんによる注目の一冊。

著者は、行動科学の花形であり、ベストセラー『予想通りに不合理』の著者、ダン・アリエリーとチームを組んで人間行動を研究していたというバックグラウンドがあり、その知見を転用して、恋愛や結婚のアドバイスをしています。

予想通りに不合理

本書は、そんな著者が書いた、『理想のパートナーと出会う方法』。

恋愛・結婚の本なのですが、読めばビジネスパーソンにとって無視できない行動科学の知見が披露されていることに驚くと思います。

ご存知の通り、現在は世界的に少子化が進んでいますが、その主な原因は、「未婚化や晩婚化の進展」にあります。

成婚した方は、なんだかんだ言って産んでいますし、生涯独身が快適という方は、それはそれでいい。

問題なのは、結婚したいのにできなくて、X(旧Twitter)で愚痴を言いまくっている人でしょう。

個人的にも見ていて不愉快なので、片をつけるために、本書を紹介します(笑)。

本書を読めば、結婚というものがじつは意思決定の問題であり、昨今は情報化によって、決断自体が難しくなっているのだということがよくわかります。

「投資に見送り三振はない」と言われますが、結婚でこれをやっていると、取り返しがつかなくなることがあります。

本書では、科学的に正しいことがわかっている意思決定の方法を指南し、「決断できない」病から読者を解放します。

後半は、デートコーチを生業とする著者からのアドバイスで、実際に結婚・恋愛で悩んでいる人は、読むと参考になると思います。

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

私たちのくだす決断は、最善ではないことがよくある

スワースモア大学の名誉教授、バリー・シュワルツによると、人間は選択権を切望する一方で、選択肢が多すぎると幸福感が減り、自分の決断に対して疑いが増します。選択のパラドックス(Paradox of Choice)と呼ばれる現象です

ロマンス志向型は、恋愛に対して、非現実的な期待を寄せています。完璧志向型は、パートナーに対して、非現実的な期待をもっています。尻込み型は、自分自身に対して、非現実的な期待を課しています。

恋愛に関して言うと、心理学者のレネ・フラニウクが、人間は二つのタイプに分かれると指摘しています。一つは、恋愛成就は正しい相手を見つけることにかかっていると信じる「ソウルメイト信仰」をもつタイプ。もう一つは、努力を注ぐことが恋愛の秘訣だと信じる「解決型マインドセット」をもつタイプです

ロマンス志向型は将来のパートナーの外見に確固たる自信をもつあまり、そのイメージに合わない人には、出会ってもチャンスを与えません

解決型マインドセットをもつ人は、恋愛には努力が必要であり、愛とは勝手にやってくるものではなく、行動の結果であると信じています。かれらは恋愛につまずいたとき、あきらめるのではなく、二人の関係を元に戻すのに必要な行動を起こすので、関係を長続きさせます

サティスファイサーはよい決断をできるだけでなく、その決断に満足する傾向がある

この問題に関しては、数学的に正しい答えがあります。候補者の三七パーセントと面接し、そこでいったん停止して、その最初のグループの中から最高の人物を特定します。その人物が重要な基準値となります。そして残りの面接で、その基準値の人物を超す候補者が現れたらすぐに採用を決めるのです

パートナー探しの期間が一八歳から四〇歳までだとすると、三七パーセントルールでは二六・一歳が観察から躍動への転換点となる(『Algorithms to Live By』)

私たちは本能的に、不可逆な決断よりも、変更可能な決断を好みますが、長い目で見るとこの柔軟性が幸福度を下げることがよくあります]

性格が似ている夫婦ほど、その関係に満足していない

本書が広まると、X(旧Twitter)の愚痴の2割くらいはなくなるはずですので(笑)、みなさん悩んでいるお知り合いがいたら、ぜひ本書のメソッドを教えてあげてください。

もちろん、実際に悩んでいる方は、ぜひ読むことをおすすめします。

image by: Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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