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マイナビ「情報漏えい疑惑」の深層。いなば食品から飛び火、転職希望者ら戦慄「会社へのチクリ」は本当にあるのか?

就職情報大手のマイナビが、SNSユーザーから“疑いのまなざし”を向けられている。「転職活動中のいなば食品の社員の情報を、同社の社長に横流ししていた」との疑惑が持ち上がったのだ。本当にそんなことがありうるのか?

マイナビを使うと会社にチクられる!? 疑惑が拡散

今回の騒動は、週刊文春の5月29日付記事「『マイナビに聞いた』いなば食品社長が転職希望者に恫喝メール」が発端。いなば食品社内の「転職希望者に対するハラスメント」を現役社員が内部告発するというもので、離職率の高さに悩む稲葉敦央社長(70)が、

「マイナビ社より内々に当社社員3名が登録していることが判明した、との話があった」

と全社同報メールに送信し、同社従業員の転職活動を“牽制”したと報じられている。

この文春砲にネットは敏感に反応。いなば食品の“ブラックぶり”以上にマイナビの“ヤバさ”がSNSユーザーのツボに入ったようで、「登録者情報の漏えいって転職サイトとして終わってるやん」「マイナビ使うと会社にチクられるってマジか」「いなば食品よりマイナビのほうがヤバくて草」など疑念の声が相次ぐ事態となった。

マイナビ広報部は事実を否定、疑惑が一人歩きしたか

ネットメディア編集デスクが説明する。

「いなば食品の“ブラックぶり”は、同社で働くつもりがない人にとってはしょせん他人事です。それよりも、自分の人生を左右する転職情報サービスの“疑惑”のほうが、よほど気になるということなのでしょう。いまや30代以上の社会人の過半数は転職組という時代ですからね」(ネットメディア編集デスク)

一部のニュースサイトやまとめサイトではマイナビが強く非難されており、「有料職業紹介事業者の許可が取り消される可能性」まで取沙汰されているようだ。これらの記事は多くのユーザーに閲覧されているようだが、これに関してはどうか。

「本当に『マイナビが情報を漏えいさせた』とすれば非難されて当然ですし、最悪の場合、厚生労働大臣からの許可が取り消される恐れもあるでしょう。でも、それはあくまで括弧つきの仮定にすぎません。というのも、当のマイナビ広報部が文春の取材に対して疑惑を否定しているからです。実際、文春の記事も『マイナビ社から内々に聞いた』というのは“社長のブラフ”であろう、というニュアンスが強めになっていますから、ちょっと先走りすぎではないかと感じました」(同)

今回の疑惑は週刊文春の有料記事がソースだったこともあり、記事内で「マイナビは情報漏えいを否定している」「文春は、いなば食品社長の“フカシ”によってマイナビに風評被害が及ぶ恐れを指摘している」といった重要な事実を踏まえずに、情報が一人歩きしてしまったようだ。

(追記)
マイナビ社は3日、週刊文春の報道について「記事本文にございます通り、当社がいなば食品様に対して、在籍社員の転職情報サイトへの登録状況をお話ししたという事実は一切ございません」とする声明を発表。また、いなば食品も同日、「弊社が株式会社マイナビ様から情報を入手した事実はなく、ひとえに弊社の事実誤認である」とするお詫びを発表した。

マイナビに“二の矢、三の矢”が放たれるか?

ということは、マイナビは“白”という結論でいいのか。

「そこは判断がわかれそうですよ。というのも、今回のような書き方をすれば、マイナビが“炎上”してしまうことは、プロの記者なら当然予想できるはずですから。文春側はマイナビに、何かしら思うところがあるように感じられました」(同)

なぜ文春は記事内で“大手転職情報サービス”のようにボカさず、あえてストレートに「マイナビ」の社名を出したのだろうか。社名を伏せても、記事全体の趣旨は変わらなかったはずだ。

「これは個人的な予想ですが、文春が4月にスクープした、いなば食品の『ボロ家問題』と関係があると思います。社員寮が劣悪な“タコ部屋”状態で、新入社員の入社辞退が相次いだと大きな騒動になりましたよね。今回の記事によると、いなば食品の新卒採用にはマイナビも深く関与していたとのことですから、何か別の暴露ネタが温存されている可能性はあるかもしれません」(同)

CMを大量出稿しているためか、TVでバッシングされる機会がめっきり減ったいなば食品。同社の問題を継続的に取材している文春から、マイナビに“二の矢三の矢”が放たれることはあるのだろうか。

渦中のマイナビに文春砲とは別の「不審点」

「もう2年くらい前の話ですが、急にマイナビから不審なメールが届きはじめたんです。メールといっても、ダイレクトメールやメルマガのたぐいではありませんよ。そのメールが、Web系サービスの登録には使ったことがない、メインのGmailアドレスに届くようになった」

MAG2NEWS編集部の取材に証言したのは、都内IT系企業の役員Yさん(40代)だ。どのようなメールだったのか?

「メールの内容は『バイトへの応募が完了しました』とか『バイト応募先から面接の日程連絡が届きました』といったものでした。私はずっと東京都内に暮らしていますが、メールに記載されている“仕事”は関西圏のものばかり。まったく身に覚えがない面接通知が届くようになったので、何だろうこれはと」

マイナビ社はリクルート社に次ぐ業界2位。総合転職サイト「マイナビ転職」のほか、アルバイト求人サイトの「マイナビバイト」なども幅広く運営している。

その後、マイナビからの通知メールはどうなったのか?

「最初は差出人を詐称した迷惑メールの類だろうと無視していたのですが、あまりにも人間くさいタイミングで通知が届くので、妙に気になってしまって。もしこれが“本物の人違いメール”だとしたら、誰かがバイトにあぶれていることになる。企業側も面接をドタキャンされている可能性がありますし、私も他人の就活情報を覗き見していることになりますので…そこで、マイナビの公式サイトの問い合わせフォームから、このメールについて質問してみたんです」

証言者のYさんによると、メールは常に個人名宛だったという。仮にYさんの実名が「山田太郎」だとすると、メールの宛名は「山下太郎」で、似ているか似ていないか絶妙なライン。この“山下さん”は、大阪や京都の飲食店や工場などのバイトによく応募している様子だったという。

数ヶ月間、メールが届かなくなることもあるが、そのうちまた集中的に届き始める。Yさんはしだいに「おいおい山下、またバイトやめたのか…」と気になるようになり、几帳面な性格からマイナビ社にメール配信停止と、メール誤送信の経緯説明を求めた。

「マイナビに問い合わせた結果、お詫びの返信があり、バイト応募や面接通知のメールは届かなくなりました。でも、いったいなぜ私宛に“山下さん”宛のメールが届いていたのか、原因の説明が一切なかったのはかなり不審に感じましたね」

単に停止したいだけなら、Yさん自身がGmailのフィルタ設定でメールをゴミ箱に直行させれば済む。だがYさんは単なる迷惑メールとは異なる“異変”を感じ、マイナビにわざわざ問い合わせたのだ。

IT企業勤務という仕事柄、Web関連のセキュリティに詳しいYさんは、この一件について下記の見解、疑問を持っている。

Yさんは会社の中途採用でマイナビ系のサービスを利用していたが、この件があって以来、同社を信頼できなくなり、人事部門に利用の優先度を下げるよう指示したという。

X(旧Twitter)の反応

※本記事内のツイートにつきましては、X(旧Twitter)のツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: マイナビ転職

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