好ましいことではないとの自覚はあるものの、私たちがついついしてしまいがちなのが時間の浪費。しかし思考を変えればそのような「ムダ」をとことん排除できるようになる可能性もあるようです。今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』では「5つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」の石川さんが、「時間」を「命そのもの」と捉える考え方を紹介。無駄な時間を過ごすのがいかに愚かであるかを説いています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:究極の無駄遣いは、命の浪費!気づかずうちに無駄遣いしています
究極の無駄遣いは、命の浪費!気づかずうちに無駄遣いしています
70万800時間。これは、何の時間かわかりますか?
実は、私たちの命を数値化したものです。
平均寿命の80年を生きるとしたら、24時間×365日×80年で70万800時間。日数では、2万9,200日。
これが、あなたの命を数値化した時間なのです。
「時は金なり」といいますが、お金なんかよりも、はるかに貴重なものが「時間」です。
「命そのもの」とも言える「時間」を無駄にしている人が多すぎます。例をあげれば、キリがありません。
- 上司がなかなか帰らないので、先に帰りづらくての「お付き合い残業」
- やらなくてもいい仕事を慣習でやってしまっている
- 人に任せられる仕事を自分でやったほうが早いからと、自分でやってしまう
- 無茶して体調を崩して、3日間も見寝込んでしまう
- 苦手なことをお金がもったいないからと、自分で時間をかけてやってしまう。挙句にミスをして余計に時間がかかり、ストレスまでため込んでしまう。
これでは、「命である時間」が無駄に消えていきます。
以前の私もそうでした。「時間は命そのもの」という感覚がなく、無駄に過ごしていたのです。
「あなたの命、元気の時間を100日分売ってください」こう言われたら、あなたは、いくらで売るでしょうか?
100日は、3ヶ月以上です。元気であれば、いろいろなことができます。100万円もらっても、大抵の人は拒否すると思います(ですよね?)
でも、実際には1,000日。いや、2,000日。いやいや、もっともっとたくさんの時間を平気で無駄にしているのです。
こんなに、もったいないことが、他にあるでしょうか?
「命の大切さ」について語るとき、忘れられないお話をします。
それは、私が司会を務めた『第10回全国・講師オーディション』(有限会社志縁塾主催)で、準 優勝された河村武明さんのスピーチです。
スピーチの本番では、河村さんご本人ではなく、奥さまが原稿を代読されていました。なぜなら、河村さんは話すことができないから。
ミュージシャンとして活動していた河村さんは、2001年10月、脳梗塞で突然倒れます。一命はかとりとめたものの、目覚めたときには重い障害(失語症、聴覚障害、発音が困難になる構音障害、右手麻痺)が残りました。
声の出し方がわからない!言葉を忘れてしまった!右半身が動かない!しかも、食事は鼻からのチューブ、小便もチューブへ、大便はオムツの中。
「34歳で見事に俺の人生終わったわ」と、思ったそうです。
これ以上生きていても仕方がない。
もう死んだほうがマシだ。
繰り返し絶望に陥り、死にたい、死にたいと、死ぬことばかり考えたそうです。
河村さんによれば、人間、本当に絶望すると、周りの景色がモノクロになるとのこと。本当に絶望したことがなければ言えない言葉です。
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
人と会って挨拶をしたり、友だちとくだらない話をしたり、そんな、なんてことはない日常、ごく普通のありふれた出来事のすべてが愛おしいと思えたといいます。
声が出たこと、ギターを弾いていたこと、歌を歌えたこと、聴けたこと、自分は、なんて幸せだったんだと。
しゃべれる薬があれば1億円でも買う!
言葉の聞き取りができる薬があれば1億円でも買う!
右手が動く薬があれば1億円でも買う!
本気で思ったそうです。
ただ同時に、合計3億円は、ちょっと無理と思ったそうですが……。
そして、自分は最初から3億円分の幸せを持っていた。自分が幸せの海の中を泳いでいたことに気づいたそうです。
失ってみて、ようやくわかった。そして、唾を飲むこと、呼吸ができること、声が出ること、言葉の聞き分けができること、両手が動くこと、それらのすべてに感謝したことすらなかったと気づいたのです。
当たり前のことが、どれほどありがたいことだったか!どれほど幸せなことだったか!
そして、普段の感謝が、いかに大事だったか!
私たちは、何億円出しても買えない貴重な時間を生きている!
河村さんの体験と気づきは、そのことを再確認させてくれます。
あなたが今、40歳だとして80歳まで生きるとしたら、残された時間(命)は35万400時間です。
それだって、「平均寿命まで生きれば」の話。
人生は何があるか分かりません。
「いつかやろう、いつかできる」と思っている間に、刻々と残り時間は減り続けます。
「定年したら夫婦で旅行に行こう」と思っていても、ふたりとも健康でその日を迎えられるのかは、わかりません。
今、遊びたければ、無駄な時間を削って空いた時間で楽しむ。
人生を楽しむことが重要なのです。
作家の本田健さんも、「仕事のしすぎ、自己啓発の頑張りすぎで、家族の時間を作れないのは本末転倒」とおっしゃっていました。
無駄な時間を過ごしていた、慣習でやっていた、無意識でやっていたことに気づき、命そのものである時間をより一層充実させるために、何を捨てて何をしていくのか、今一度考えてみましょう。
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