北朝鮮による核の脅威が日増しに強まる中、韓国内で高まりつつある核武装を求める声。隣国のこのような動きを国際社会はどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、英誌『エコノミスト』が伝えた韓国の核武装を巡る記事を紹介。その上で、「状況は日本も韓国とまったく同じ」との持論を記しています。
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※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:韓国が核拡散防止条約を脱退する日
韓国が核拡散防止条約を脱退する日
先月7月14日メルマガで「米国が韓国に核を常備配備する」という記事をご紹介しました。
4月7日メルマガでは米国が韓国へ核シェアリングする可能性についてもお知らせしています。
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最近、韓国の核武装のいろいろな可能性が議論されているのです。
本日、ご紹介するのは8月17日の英誌エコノミストの記事。韓国が独自に核兵器をもつ可能性についてです。
もし韓国が核兵器を手に入れたらどうなるだろうか?
このシナリオは、かつてはSFのように思えたが、今やリアリティショーに近いものとなっている。
2023年初頭に、韓国のユン大統領が、独自の核兵器を開発することについて考えを述べた。
北朝鮮の核兵器の増強がその背景にある。韓国人の約70%が自国が核兵器を持つべきだと考えている。
トランプ氏が大統領になれば、韓国が核武装することを認めるか、奨励するかもしれない。
トランプ氏の国務長官兼CIA長官だったマイク・ポンペオ氏は、韓国が独自の核能力を開発することについて質問された際、「それに反対する理由はない」と答えている。
解説
トランプ氏が大統領になった場合、北朝鮮の攻撃対象になるリスクをおかしてまで韓国を守るのだろうかと疑問視されているのです。
北朝鮮の大陸弾道弾ミサイルが米国に届くようになったからです。
もちろん、韓国が核兵器を独自にもつことは、核拡散防止条約の違反です。国際的な批判も大変なものでしょう。これについても記事は言及しています。
核武装することは、韓国にとって劇的な衣装変えに相当するだろう。世界的にポップミュージックやキムチで知られるのではなく、核兵器で国が定義されることになる。
韓国は「特別な出来事」によって「究極の利益」が脅かされる場合、合法的に核拡散防止条約を脱退しようとするかもしれない。
そして西側のパートナーは韓国の立場に同情的であるかもしれない。国際的な制裁は弱いものになるかもしれない。
アメリカは国連での制裁に対して拒否権を行使する可能性もある。
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解説
すこし分かりにくい文章です。「特別な出来事」とは北朝鮮による明白かつ重大な脅威や攻撃です。
それがあれば韓国が核拡散防止条約を脱退して核武装しても西側諸国は同情的になり、米国は国連による韓国制裁に拒否権を発動するかもしれない、というのです。
確かにこれは韓国の話です。しかし状況は日本も全く同じなのです。
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(『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2024年8月18日号より。この続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録ください)
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