飲食店で最近見かけるタッチパネルのメニュー。人件費削減や人手不足の店舗には強い味方となりそうなものですが…外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは、今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、タッチパネルを導入して失敗してしまった事例と改善策について紹介しています。
タッチパネル導入の失敗例と改善策
生産性を上げる議論になる際に、割と選択肢として上がりやすいタッチパネルやモバイルオーダー。
都内で12店舗展開されるご支援先では、タッチパネルを導入されました。
しかし。
結論としては成功とは言えず、様々な見直しが必要になりました。
何故それが生じて、それをどう改善したのか。この辺りを本日はまとめてみました。
■導入した背景
人手不足ですね。
切迫した状況ではないのですが、今後の労働者人口を考えると今のうちに変化しておきたい。
これがきっかけでした。
■導入の問題点
ここが問題の一つです。
オープン歴が長い店舗の場合、あるあるなのが「レジが古い」問題です。
こちらもやはり東芝テック。同社の人とも過去かなりお会いしましたが、変化に対する許容度は残念ながら低いです。
そのため、
・そもそもPOSレジを全て刷新
・東芝テックで走らせる
ここが一番最初の議論に。結論、前者にすべきだったのが反省点です。
クラウドレジにしてAPI連携できるサービス導入が最もシンプル。
ただ「店舗での変化が厳しいかも。。」の声で理想からの逆算ではなく、今のオペレーションの積み上げにしてしまった。
ここは敢えてトップダウンで進め、オペレーションの落とし込みにしっかり時間をかけて進めていく。
ここが重要なポイントであり、結果的に結局改善でやった内容です。
■導入コスト
初期投資は1店舗3,000,000円からで、月額費用は店舗辺り13,000円。
高いですよね。
やはり「既存POSを活かした上で~」だと、勿体無い支出が増えてしまいます。
とはいえかかったものは仕方ない!ここからの回収の計画が大切な訳です。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■システム投資の回収目安
これは考え方それぞれではありますが、初期投資が高い場合であれば、回収を2-3年で考える事が多いです。
回収で考えるのは圧縮される人件費です。
上記の例であればこんな感じ。
投資額 :3,000,000円
回収目標:24ヶ月(2年)
月間金額:125,000円=3,000,000/24
時給 :1,200円
月間時間:104時間=125,000/1,200
1日時間:3.4時間=104/30
(本当は月額費用を入れるべきですが、計算しやすいよう初期投資のみで計算しています)
つまり、1日3.4時間を減らしても回るオペレーションを組んでいく。
ここが回収のポイントでした。
■オペレーション改善を決めてから導入する
ここも重要な部分です。
1日3.4時間を減らせれば良い。これは理論上皆がわかる。
また議論の段階で店長さんに「3.4時間減らせる?」と聞けば、大半の人が「いけると思います!」と返答してくれる。
ただそれで走らせるとありがちなのが、このようなケースです。
・結局人件費は変わっていない
・システムの固定費が増えて利益減
大事なのは、「次からはこのようなオペレーションで行く」と仕組みとルールをちゃんと決める事です。
こちらの企業さんも全く同じパターンで、
・最初は全く効果がなかった
・エリアマネージャーが仕組みとルールを再設計
・最初の3ヶ月はチェックを徹底して習慣化
ここでやっと良くなった感じです。
生産性向上が目的な訳ですから、過去のやり方を変える必要がある訳です。
その時はきちんと「仕組み」「ルール」を再設計するのは結果的に店長に親切ですよね。
■何を重視すべき店なのか?
あとは接客を重視する店なのか否か。これも導入時に決めることです。
例えば接客を全く重視しないコンセプトの場合、特段何も変化させることはないです。
むしろ「オーダー時のストレス」から解放されるのでお客様満足度も基本的にはーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年10月21日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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