「今後の働き方はリモートでしょうか、それともオフィス回帰?」という質問が人気コンサルの永江一石さんのもとに届きました。永江さんはその質問に対し、自身のメルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の中で、フルリモートと出社それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら、今後の働き方がどのように変化していくのか、その可能性について考察します。
今後の働き方はリモート or オフィス回帰?
Question
永江さんは今後の働き方のスタンダードについて、最終的にどの規模・業態の企業からどのような形でオフィス回帰、あるいはハイブリッド型への収束が進むと予測されますか。
永江さんからの回答
今後の働き方のスタンダードは、欧米のトレンドや企業規模で一律に決まるわけではありません。最終的には業種・職種・個人の能力によって、フルリモートを継続する層と、出社(あるいはハイブリッド)を基本とする層へと明確に分かれていくと思います。
質問者さんの「若手育成の面でフルリモートはマイナス」という仮説はおっしゃる通りで、どんな職種であれ新入社員の育成にフルリモートは向いていません。社会人としての基礎訓練や、相手の様子を見ながらの細やかな指導はZOOM越しではタイミングも雰囲気も掴めないから。
コロナ禍で全社員がフルリモートになった際、仕事がうまく出来ずに出社拒否した新人が続出したのもそれが原因です。新人が多い部署や、営業のように毎日ノウハウの共有が必要な部署は、どうしても出社が必要になるでしょう。
一方で能力が高い人にとって、フルリモートは圧倒的に効率が良いんです。特に東京の場合、通勤に往復2~3時間かかるケースがザラにありますよね。地方で片道十数分に職場があるというのとわけが違う。この無駄な時間を仕事や自己研鑽、あるいは家事に回せれば、生産性が上がるのは当然です。
本当に優秀な人は無駄な時間を嫌ってフルリモートを選択するので、企業側もフルリモートを継続した方が間違いなく優秀な人材を獲得できます。時間ではなくタスク(成果)で管理できるIT系エンジニアのような職種では、フルリモートの方が理にかなっているわけです。
現在見られるハイブリッド型への移行にも、実は全く異なる2つのパターンが存在します。一つはエンジニアはリモート、営業は出社というように、社内で職種ごとに効率を追求して最適化した結果のハイブリッド。
もう一つは、本当は全員を出社させたい経営陣と「出社を強制されるなら辞める」という社員との間で妥協した結果、「とりあえず2週間に1度は顔を出して」となっているだけのハイブリッドです。後者は根本的な解決になっていません。
欧米のテック企業がオフィス回帰しているからといって、日本もそのまま同じ道を辿るとは考えにくいです。アメリカの一部テック企業、例えばGoogleなどはオフィス設備が桁違いで、食事まで無料で提供されたりします。しかし日本の場合は、一度フルリモートが定着し、それを前提に子育てなどのライフスタイルを構築した人たちに「明日からフル出社しろ」と言っても、物理的に破綻してしまう人が大勢います。
全てフルリモートにするのも、フル出社にするのも、どちらも企業にとっては貴重な人材を失うリスクになります。これからはどうしても出社が必要な業種とそうでない業種、さらに同じ会社内でも職種によって働き方がはっきりと分かれていくのがスタンダードになっていくはずだと思います。
この記事の著者・永江一石さんのメルマガ
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