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楽天モバイルの新サービス「Rakuten Link AI」今は物足りないが“化ける可能性”アリの訳

楽天モバイルが新サービスである「Rakuten Link AI」を発表し、話題となっています。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』ではケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは、現状は物足りなさは否めないとしながらも楽天ならではの強みを詳しく紹介しています。

楽天モバイル三木谷浩史会長、「AIの民主化」に本気

2024年10月31日、楽天モバイルは新サービス「Rakuten Link AI」を発表した。従来から提供されているコミュニケーションアプリ「Rakuten Link」にAIチャット機能を追加。会話形式で調べ物ができたりするというものだ。

楽天グループでは、三木谷浩史会長がオープンAIのサム・アルトマンCEOとのツーショット写真を披露するなど、同社との仲の良さをアピール。

ソフトバンクグループ・孫正義CEOよりも先んじてオープンAIとの提携話を発表していた。今回の「Rakuten Link AI」もChatGPTベースのサービスなのかと思いきや、楽天グループのAI戦略をリードする楽天グループ チーフAI&データオフィサーのティン・ツァイ氏によれば「その時、最適なものを使っている」という、イマイチ要領を得ない回答ではぐらかされてしまった。結局、「ChatGPTは使っていない」ような雰囲気を醸し出していた。

会見終了後、Rakuten Link AIを試せる機会があったので「今週末、オススメのお出かけスポットは?」と尋ねたところ、一番最初にリストアップしてきたのは「公園」、次に「美術館」といった具合で、この3連休や天気、場所などのリアルタイム性は一切無視して「公園」「美術館」という実にザックリな、誰でも考えそうと言うか、あまりに抽象的過ぎて誰も考えないという答えが出てきて逆に新鮮であった。

せっかくの三連休と言うことで「オススメの紅葉スポット」を尋ねたところ「新宿御苑」とのことだった。流石に、まだ東京で紅葉を見るのは難しいような気がするのだが。

現状、かなり物足りないAIではあるが、今後、ログインしている楽天ID、さらには位置情報や季節性などもAIが理解するようになったら、面白いサービスになるような気がしている。

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記者会見でも説明があったが、楽天グループが持つトラベル、ショッピング、証券などと連携し「年末年始にオススメで、家族3人で一人は小学生、すぐに予約が取れる箱根の宿」なんて質問を投げたら、楽天ポイントの残高も把握しつつ、すぐにオススメできる点を回答してくれて、予約ができるリンクが用意されているなんてところまで提供できたら、最高に便利ではないか。

「8歳の男児が喜ぶ誕生日プレゼント」という問い合わせにも、最新トレンドを考慮した上で回答してくれたら、すぐに楽天市場で買い物をしちゃうことだろう(ちなみにデモで試したら、最初にリストアップしてきたのは【レゴブロック】だった)。

楽天グループという豊富なサービスを持つキャリアだからこそ、「便利だ」と思えるチャットAIサービスに成長するだろう。

ただ、楽天としては一方でECサイトに出店する店舗から広告を出稿してもらう、というのもビジネスのひとつだったりする。チャットAIサービスはそうした広告をすっ飛ばしてしまうだけに、グーグルやアマゾン同様に「チャットAIサービスと広告事業をどう両立させるか」という課題にも直面することになりそうだ。

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image by: Guillaume Paumier, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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