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あの日産ですら中国勢の9割に勝っているという事実。なぜ中国中型セダン市場で日系を含む外国勢が生き残っているのか

新車販売台数、輸出台数ともに世界一と、まさに「自動車大国」の名をほしいままにする中国。そのような中にあって、市場によってはトヨタやホンダ、さらに日産といった「外資メーカー」の車種が大健闘している実態が明らかになりました。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、中国の中型セダン市場で海外勢が依然販売台数上位に食い込んでいるとするリポートを紹介。その上で、なぜこの市場で外資メーカーが堅調ぶりを見せているのかについて考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:1台売れば赤字120万円、シャオミの決算発表、実は好調の側面

中国勢の空洞化?隣国の中型セダン市場で健在ぶり見せる日系メーカー

中国の新車販売では以前まで、ドイツ勢や日本勢が強く、自国中国勢が弱小だった。

しかし2024年、数年前から伸びてきた中国勢のシェアが一気に50%、60%と伸びて主流に定着した。

自動車輸出も世界一になったし、文字通り自動車強国だ、と声を上げる中国現地。しかし、それに異論を唱える論考が発表された。

中国中型セダン市場では、VW、トヨタ、ホンダ、さらに日産も徹底的には転落せず、生き残っているぞ、と。

日産でも、中国勢の車種9割に勝っている、というのがこの中型セダン市場だという。

販売台数1位~3位はニューフェイスが

中国中型セダン市場の現在の第1位はBYDのPHEV「秦L」、第2位は同「アザラシ06」、第3位はテスラ、当然BEVの「Model 3」。

この順位だけを見れば、以前と比べて完全に刷新している感じはする。

4位以下にズラリと並ぶ外資メーカー

しかし4位には「パサート」、5位には「マゴタン」とVWがランクイン、6位にはトヨタ「カムリ」が入っている。

さらに8位にはホンダ「アコード」と、従来この市場の主役だったHEV含むガソリン車種は依然根強く残留している。

10位にはトヨタ「アバロン」、そして13位には日産「アルティマ」が上位に食い込んでいる。

NEVでも好調な日系メーカー

さらに日本の反トヨタが目をつむりそうなのが、トヨタBEVもこの分野では健闘している。

BYDとの協業モデル「bZ3」が19位にランクインしており、より多くの中国勢を押しのけて、上位と言える位置付け。

そしてまだ販売開始間もないマツダ「EZ-6」が31位となっており、BEVとREEVの両輪という日系初めての取り組みが形になってきている。

他にこの市場は、ジャーマン3が引き続き堅調であり、それらも含め外資が根強く、多くの中国勢が目立っていない。

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なぜ中型セダン市場「だけ」なのか

なぜこの市場では依然として外資が底堅いのか?

一つには、中国勢の躍進がSUVや、一回り大きい中大型以上でより活発だからだ。

また、BYDや、五菱(Wuling)など販売が多いのがミニや小型に集中していることもある。

中型セダン、というボディタイプ/サイズが、中国勢にとっては空洞化していることがある、という。

冷蔵庫、テレビ、ソファーの三点セットが車内に必須、という中国の最近の風潮は、このセグメントでは全く当てはまらない。

ベテランドライバーに選ばれる中型セダン

もう一つ、この中型セダンを好む層というのは、ベテランドライバーが多い、という。

そのため、中国で今全盛のスマートドライブ、ADASと言ったものにはあまり関心はなく、車は自分で運転するもの、という意識が強い。

また、自動車=ガソリン車、少なくとも内燃機関を積んでいなければ自動車ではない、という考えもあるのかもしれない。

そうなると、従来的な自動車の価値観、信頼性、操作性、安全性などが尊重され、電動化や、スマートドライブはもちろん、スマートコックピットにも興味関心が薄い可能性がある。

隠されているかもしれない「何らかのヒント」

とは言っても、販売台数でみると、BYDの「秦L」「アザラシ06」はそれぞれ3万台前後、「カムリ」はその半分程度となっている。

そもそも価格に大きな隔たりがあり、「秦L」のエントリーは10万元(約200万円)を切る。

「カムリ」エントリーは定価17万元~だが、実際の販売価格は15万元を切るなど価格戦に巻き込まれている。

ともあれ、この分野だけ善戦しても、大勢が変わらない以上どうしようもないが、この分野でまだ外資が強みを見せている、というところに、何らかのヒントは隠されているかもしれない。

出典: https://www.chinacase.xyz/archives/30681054.html

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image by: Freer / Shutterstock.com

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