MAG2 NEWS MENU

業態転換も視野に入れよう。地方都市「居酒屋の人手不足」は工夫次第で何とかなる!

少子高齢化によって地方都市の「人手不足」は深刻な問題となっています。これを解消するにはどういった工夫が必要なのでしょうか? 外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、地方都市のとある総合居酒屋が「業態転換」した場合を例にあげて増益シミュレーションを行っています。

総合居酒屋から業態転換時の減収増益シミュレーション

人手不足。

それをより顕著に感じるのは地方都市のご支援先。確かに人口数が多いエリアも人手不足ながら、工夫次第でなんとかなります。

しかし地方都市。

そもそもの人口の減り方が半端なく、かつ高齢者比率が高くなるため、難易度は段違い。

・労働環境は良い

・地域一番企業

・賃金体系も他業種と比べても良い

このような状況であっても採用が大変なので少子高齢化の未来をより一層感じてしまう状況です。

そのため「業態を軽くしておく」もポイントになってくる事もあります。今日はその辺りの変化のポイントをまとめました。

■会社概要

人口約20万人。ここで総合居酒屋などを展開。

1店舗の規模で見ると、

・年間1.8億円モデル

・年間0.7億円モデル

基本的にはこの2パターン。本来であれば前者の改善ですがリスクもあるため、後者のリモデルから進めてめく事に。

■既存業態のモデル

約40坪で平月の売上は600万円。坪売上15万円なのでぼちぼち良いですよね。

ただ売上は確保できてもなかなか儲からない状況がありました。

PLで見ていくとこんな感じです。

売上 :6,000,000円

原価 :2,100,000円(35%)

人件費:2,127,600円(35.46%)

家賃 :450,000円(7.50%)

水光費:240,000円(4.00%)

消耗品:300,000円(5.00%)

減償 :300,000円(5.00%)

その他:300,000円(5.00%)

営利 :182,400円(3.04%)

地方都市なので家賃は坪1.1万円と安価。ただ人件費率が重たくFLは70%超え。

人件費を細分化していくと、

合計:2,127,600円

社員:900,000円(3名)

AP :1,227,600円

=時給1,100円×8時間×4.5名×31日

このような感じです。本質論はやっぱりここですよね。

一昔前だと時給も800円とかでしたし、社員さん3名の給与もこれ以下。

その時には営業利益は計算すると10%を普通に超えてくる訳です。

ただ人件費増の対策が後手になり、収益性が悪化してしまった感じです。

じゃあ値段あげようよ! 本来であればこれがスムーズ。

しかし今までの同ブランドの戦い方として、営業利益率10%を達成する値上げは正直厳しいところ。

また1店舗に必要な人員数を考えても、今後の持続的成長は大変ではないか。

この辺りから業態転換を考え始めたのが背景ですね。

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ

初月無料で読む

■業態案

・昼中心に変更

・厨房は社員という前提を無くす

・社員2名で回せる

・アルバイトさん3名で回せる

これを前提に作り直し。

そのため「天ぷら」業態を選択。

・厨房をぐるっと囲むロの字劇場型

・テーブル席は残す

・注文は券売機

・客単価1,200円

この辺りで収益シミュレーションを組む訳です。ここで2パターン考えました

■パターン1:既存店と同じ売上

月商600万円モデル

必要客数:1日160名

席回転率:3.2回転=160名÷50席

売上 :6,000,000円

原価 :1,800,000円(30%)

人件費:1,392,000円(23.20%)

家賃 :450,000円(7.50%)

水光費:240,000円(4.00%)

消耗品:300,000円(5.00%)

減償 :300,000円(5.00%)

その他:300,000円(5.00%)

営利 :1,218,000円(20.30%)

やはりFLが如何に大切かわかりますよね。

原価に関しては十分30%が可能。今までの仕入力及び地産の野菜などを活用すればロス含めても30%・単価1,200円はいけます。

そして人件費。

上述の通り、社員さん2名とバイトさん3名計算。

それで日販20万円(客数50名の3.2回転)。ロの字カウンター及び半セルフなので、十分に回すことができるんですよね。

同じ売上なのにFLも下がる。そして利益も上がる。

これがやっぱり良いよねという感じに。

■パターン2:既存店と同じ利益

上述の通り、現状の営業利益は約18万円。

売上 :3,710,000円

原価 :1,113,000円(30%)

人件費:1,392,000円(30.88%)

家賃 :450,000円(12.13%)

水光費:148,400円(4.00%)

消耗品:185,500円(5.00%)

減償 :300,000円(8.09%)

その他:185,500円(5.00%)

営利 :182,000円(4.91%)

ここまで減収してもーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2024年1月27日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Shutterstock.com

堀部太一この著者の記事一覧

関西学院大学卒業後、新卒で船井総研に入社。当時史上最年少にてフード部のマネージャー職へ。その後事業承継と起業を行い、 京都にて外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポート。事業規模は年商2,000万~1兆円企業まで幅広いです。外食/フードデリバリーが専門領域なので、それについての情報を書いています。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ 』

【著者】 堀部太一 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料 【発行周期】

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け