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なぜ、いま中国の日産・中国のホンダは現地でこんなにも苦戦しているのか?

中国の自動車業界で苦戦する東風日産は、新興であるVOYAHから”輸血”を受けることになったようです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、急成長を遂げるVOYAHと東風集団の改革について解説しています。

苦境の巨体・東風日産が新興の赤子・嵐図からの技術供与を急ぐ

日産の中国合弁、東風日産が、東風集団のオリジナル新エネルギー車ブランド「嵐図(VOYAH)」色に染まっていく-そんな現象が東風集団の中で起きている。

今までにもないことはなかっただろうが、今回VOYAHのNEVに関する最新技術を東風日産に連結する方向性が示された。

ホンダとの経営統合破談となり、「技術の日産」が若干危うくなってきている中で、中国では中国勢の技術を援用しなければならないところまで来ていることになる。

背景にはもちろん、東風日産の低調、VOYAHの急成長がある。

ホンダの合弁、東風ホンダも東風日産以上に危機的であり、同じ道をたどる可能性も高い。

凋落の東風日産

もともと2024年後半、急激な販売減に苦しむ東風日産は、そのために余った生産能力をVOYAHに提供、VOYAHは東風日産工場で中型SU BEV「知音」の生産を開始していた。

東風日産は2024年、前年比13%減の63万台程度の販売にとどまった。以前まで100万台を優に超えていたことから考えるとまさに隔世の感がある。

一方のVOYAHは2024年、8万台を販売。規模は東風日産にまだまだ遠く及ばないが、これは前年比50%以上のプラス成長となる。

販売も利益も落ち込む東風集団にとって、VOYAHは唯一の光明と位置付けられている。

凋落の東風ホンダ

東風ホンダに至っては前年比30%減の43万台弱に2024年販売はとどまっている。

中国新興の理想(Lixiang)は年間販売台数50万台を超えたから、東風ホンダはその風下に立つことになった。

2025年はおそらく東風日産もLixiangに敵わなくなってくる。

東風集団にとって、東風ホンダも東風日産と同じく改革の対象だろう。

つまり今、東風集団の中では、規模としては赤子のVOYAHが、凋落激しいもののまだ規模は大きい外資合弁に「輸血」し始めている状態で、「逆保育」という言葉が中国現地では使われ始めている。

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VOYAHのNEV技術を輸血

情報によれば、VOYAHは東風日産に対して、バッテリー、モーター、それらの制御というNEVに欠かせない最新技術を「輸血」していく。

また、VOYAHが発表を控えている最新のアーキテクチャ「ESSA2.0」や、E/Eアーキテクチャ「SOA」についても、東風日産での活用を検討していく、という。

これらがすべて実現してしまうと、東風日産から日産色が失われ、全く新たなNEVラインナップが登場することになる。

少なくとも中国ではすでにそういう時代になっている、という、象徴的な意味合いは感じられる。

中国でe-POWER放棄、REEV採用?

東風日産でも、日産の世界的に人気な「e-POWER」を販売しているが、中国ではあまりヒットしていない。

中国では外部からの充電機能が無いものをNEVとはしない、ということから、「e-POWER」はガソリン車と同じHEVのカテゴリに分類される。

しかし、ほぼ充電機能の有無だけの違いである同じ仕組みのNEVであるレンジエクステンダー(REEV)は、実はVOYAHの得意分野でもある。

東風日産は日産の技術的象徴「e-POWER」を放棄し、VOYAH製のREEVも導入することになるかもしれない。

VOYAHは東風のDeepSeek?

ただし、客観的に見てVOYAHの人気が今後も長い間続いていくかどうかはまだまだ不透明だ。

確かに2024年、急成長を果たしたが、とはいえ50%程度のプラス成長、新興としては物足りなさはぬぐえない。

しかし、バイドゥ、テンセントがククラウドのみならず検索でも次いでDeepSeekと連携をし始めたように、「逆保育」は今、中国でもムーブになっている。

バイドゥ、テンセントも自社で必死にAI開発を行っておきながら、DeepSeekの能力には敵わないと判断しつつあるかもしれない。

つまりVOYAHは東風集団の中のDeepSeekになりつつある、というのが現状であることは間違いない。

出典: https://auto.gasgoo.com/news/202502/18I70418750C109.shtml

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