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アルツハイマー病は糖質制限食で予防できるって本当?現役医師が詳しく解説

現在、日本で認知症を引き起こす原因の疾患第一位はアルツハイマー病なのだそう。そのアルツハイマー病を糖質制限食で予防・改善できるというお話をメルマガ『糖尿病・ダイエットに!ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ』著者の糖尿病専門医の江部康二先生が紹介しています。

アルツハイマー病とAGEs(終末糖化産物)

今回はアルツハイマー病とAGEs、糖質制限食でアルツハイマー病の予防・改善をするお話です。

「認知症」は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。

認識したり、記憶したり、判断したりする力が障害されて、社会生活に支障をきたします。

すなわち「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」と定義されています。

この状態を引き起こす原因にはさまざまなものがありますが、「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」もそのひとつです。

他の原因疾患には、血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがありますが、現在日本で認知症を引き起こす原因のうち、もっとも割合の多い疾患が、アルツハイマー病で、6割以上とされています。

アルツハイマー病の原因は、まだ明確には解明されていませんが、現時点では、アミロイドβという蛋白質の一種が脳内に増えて蓄積していくことが、元凶の一つではないかとされています。

アミロイドβは、アルツハイマー型認知症に見られる老人斑の大部分を構成しているたんぱく質で、健康な人の脳にも存在し、通常は脳内のゴミとして短期間で分解され排出されます。

しかし、アミロイドβを分解する酵素が不足すると蓄積してしまい、アルツハイマー病を発症するのです。

アミロイドβの脳への蓄積には、糖質摂取とインスリン過剰分泌が、大きく関わっています。

実はアミロイドβを分解するのはインスリン分解酵素なのです。

糖質を摂取してインスリンが大量に分泌されれば、インスリン分解酵素はおおいに頑張って働かざるを得なくて、沢山消費されてしまいます。

その分、アミロイドβ分解にまで手が回らなくなるので、アミロイドβが脳内に蓄積していくのです。

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またアルツハイマー病に関して、もう一つ「AGEs」の問題があります。

脳内が高血糖の状態になるとAGEsができやすくなります。

その影響を受けて脳内のミクログリア(中枢の免疫担当細胞)が活性化され、炎症性サイトカインのTNF-α、IL-1β、IFNγが作られます。

これらのサイトカインのため、脳の細胞はインスリン抵抗性になり、ブドウ糖をエネルギー源として細胞内に取り込みにくくなります。

ブドウ糖を脳細胞が上手く利用出来ないために、脳内が糖尿病になってしまうのです。

アルツハイマー病は脳の糖尿病ということができます。

つまり、アルツハイマー病を予防するには、糖尿病予防同様、血糖値が上がらないようにすることがとても大切なのです。

糖質制限食を実践すれば、血糖値の上昇は少ないのでインスリンの分泌も最小限で済みます。

その分、インスリン分解酵素の消費も最小限ですむので、脳内のアミロイドβ分解においても余力がたっぷりありますので、アルツハイマー病の予防になります。

また糖質制限食実践なら、脳内の「AGEs」蓄積も最小限ですむので、脳細胞のインスリン抵抗性もなくなり、脳内が糖尿病になることも予防できます。

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image by: Shutterstock.com

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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