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「タイで覚醒剤」告白の与沢翼氏から就職氷河期世代が学ぶべきこと。秒速で1億円稼げなくても「第2、第3の収入源」ヒントたっぷり

かつて「秒速で1億円稼ぐ男」「ネオヒルズ族」として一世を風靡した投資家・実業家の与沢翼氏(42)が、Xで覚醒剤を乱用していた過去を告白して物議を醸している。滞在先のタイで覚醒剤に「どっぷりはまって」いたという同氏に少なくない批判の声があがるのは自然な流れだろう。ただ、そんな中、与沢氏から私たちが学ぶべきこともまた多いと冷静に指摘するのは、50代で資産5億円を達成したお金のプロ・午堂登紀雄氏だ。(メルマガ『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2025/4/21号より一部抜粋、再構成)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです

プロフィール:午堂登紀雄(ごどう ときお) 米国公認会計士(CPA)。1971年生まれ、岡山県出身。中央大学経済学部 国際経済学科卒。株式会社エディビジョン代表取締役。一般社団法人 事業創造支援機構代表理事。

与沢翼さんの「覚醒剤使用」告白には驚いた!それでも…

先週びっくりしたのは、あの与沢翼さんがタイでドラッグをやっていて、奥さんとお子さんが日本へ帰国したとSNSでカミングアウトした件です。

これがネタなのが事実なのかわかりませんが、連日投稿されていて話題になっています。「いいね」やコメントもすごい数がついているので、毎日投稿欄のトップに上がってきます。

まあ、彼ほどの才能なら経済的な再起は問題ないとは思いつつ、もしも離婚や親権は奥様ということになったら、その苦悩は心中察するものがあります。私も「自分が離婚の直接的な原因を作る」ことがないよう、気を引き締めようと思いました。

「与沢翼の稼ぎ方」を団塊ジュニアや氷河期世代が学ぶべき理由

一方で、与沢さんからは学べることも多く、特筆すべきは圧倒的な集中力と情報収集力です。私も彼の投稿や取材記事等からしかわかりませんが、特に「やる」と決めたときの徹底力が常人離れしています。

あれほど徹底できるなら、ほとんどのことを一流の域にまで高めることができるだろうと思います。

憶測ではありますが、彼が税金滞納で事業を撤退したのち、短期間で這い上がれた秘訣の1つにFX(外国為替証拠金取引)があったのではないかと思います。彼の取材記事でも、モニターが複数台並んだトレード環境を見かけたことがありますし。それを元手に不動産や債券の売買を繰り返して資産を拡大していったようです。

つまりFXには、そのくらいの爆発力というか潜在力があるわけで、まだまだ可能性はありそうです。私はラクがしたいから(苦笑)、スワップ運用に逃げているだけなのかもしれません。

与沢さんの「胆力」は真似できなくても「徹底力」は再現できる

もう1つ、与沢さんと自分で大きな差があると感じるのは「胆力」(恐れずに行動できる能力、度胸のこと)です。

これは青汁王子こと三崎優太さんや、仮想通貨トレードで有名なKAZMAXこと吉澤和真さんと講演で同席した際にも感じましたが、「行ける」と思ったときのアクセルの踏み方が半端ない

(もしかすると「胆力」ではなく、ご本人は「確信」があっての判断や行動かもしれませんが、外野からは「胆力」にしか見えないという意味です)

私のようなチキンハートな人間には、とてもマネできない気がします。これも「違いを生む違い」の1つなんだろうなと。

自分と、自分よりも成功している人との違いを生んでいる「違い」とは何か?それが「違いを生む違い」なのですが、その中には「埋められる違い」と「埋めようもない違い」があります。

正直「胆力」は埋められないかもしれない。しかし「徹底力」なら埋められるような気がします。

たとえば古い話ですが、私が大学生時代に公認会計士の受験勉強をしていたとき、朝7 時からの答練に始まり、日中は90分の講義が2~3本あり、夜10時まで自習室にこもって いたこともありますから、そのくらいの努力はできそう。

というわけで、与沢さんのSNS投稿であらためてFXの可能性を思い出したこともあり、新たなトレード手法がないか(あるいは開発できないか)、研究しようと思っているところです。(次ページに続く)

団塊ジュニアや氷河期世代は、与沢流の「徹底力」で「第2、第3の収入源」を作れ

これからの時代は、与沢さんのような「徹底力」を発揮して「第2、第3の収入源」を作ることが本当に大切になります。理由はいろいろありますが、たとえば、財政が厳しい日本の年金に関して、制度改正が議論されているのもその1つです。

現状の制度では基礎年金の抑制が2057年度まで続き、給付水準は現在より3割減る見込みだという。そこで今回議論されているのが、サラリーマンなどが納める厚生年金の流用と税金補填によって、基礎年金(国民年金)を底上げする(※)というプラン。実現されると、厚生年金の給付は26年~40年度は減少することになるわけで、これが世論の反発を呼んでいます。

(※編註:今国会へ提出される年金改革法案では、この措置は一旦見送られる見通し。ただし類似の措置は継続的に議論されてきており、遅かれ早かれ現実のものとなる可能性は高い)

私を含む団塊ジュニア世代では、出生数が年間200万人前後という状況が5年ほど続いていましたが、それがいまは70万人という時代ですから、その子供たちが成人を迎える20年後はまあ大変なことになるでしょうね。

年金政策については5年ごとに財政検証が行われますから、たとえば、原則65歳の年金受給年齢まであと20年残っているという人は、4回も制度が変わるかもしれないタイミングがあり、しかもその内容はますます厳しいものになりそうです。

私も、このまま行けば12年後から受給開始ですが、どうなることやら。

今後も年金給付が減る可能性は十分高く、インフレ・物価高も進みそうですから、今さら言うまでもなく、年金だけではかなり生活がしんどくなるでしょう。

いまの年金受給者ですら物価高に苦しんでいますから、自営業者のように基礎年金(国民年金)だけでは悲惨な老後になる可能性が高い。

それどころか会社員であっても、今回の案のように厚生年金の積立金が基礎年金に流用されることになれば、基礎年金は増えたとしても総額としては減るだろうし、払った厚生年金に見合った受給額にならないのではないか?という疑念が湧いてきます。

自民党内からもそういう意見が出ているようですが、岸田政権以降の自民党はやっていることがどうもチグハグな印象で、このままだと今年の都議選や参院選で自民は惨敗するリスクがあります。ヘタすると下野。

ならばこの際、自民にはいったん政権から身を引いてもらい、次の国民民主か、立憲かわかりませんが、彼らが再びグダグダな政権運営をやっている間に立て直しを図り、あらためて政権奪取してもらったほうがよいかもしれません。

どのみちかつての民主党のように、野党ではまともな国家運営はできないと思うので、自民が反省して、政策を再構築していくしかないような気もします。

年金は「あればラッキー」という私たちの厳しい現実

話がそれましたが、私は学生時代は貧乏すぎて年金を払えず、就職できずにフリーターだった時期もやはり年金を払えず、後納の期限に間に合わなかったため、未納期間があります。そもそも、当時は老後に関する知識も知恵も想像力もありませんでしたから。

つまり私の場合、65歳からでは満額受給はできない。受給開始を70歳まで遅らせれば満額になりますが。

さらに離婚で年金分割をしていますが、そのほとんどは会社員時代の高所得な時期(厚生年金を多く払っている)を含んでいるため、受給額は少ない。いまの妻の年齢とは10歳の差があるので付加年金は受け取れるとはいえ、期待できないのは明白です。

ゆえに「年金はあればラッキー」程度の前提でいます。幸いにも保有する不動産や太陽光のほとんどのローンが完済してフル収入が期待できること、掛けている確定拠出年金や個人年金、貯蓄型保険などの各種保険も満期を迎えて受け取れるようになっていることなどから、贅沢し過ぎなければさほど困ることはないと見込んでいます。

いずれにしてもやるべきなのは、当たり前のことではありますが、

(1)収入アップ
(2)コスト削減
(3)運用効率アップ

の3本柱の追求です。(次ページに続く)

年金に頼れない私の「収入アップ」大作戦。今の状況は…

「(1)収入アップ」に関して、私の本業がらみでは、

があります。

この中で、現状最もウェイトが大きいのは印税収入で、ラインナップが増えれば過去の電子書籍や海外版権なども増えますから、1つの作品の収益は小さくても、合計すればそれなりの金額になります。

しかもこれは完全不労所得なので助かります。

ただし、著作業は今後、細っていくのは確実です。

ここ数年ヒット作が出ていないことから執筆依頼も減っており、その状況は他の出版社も知っている(各出版社は「パブライン」という、紀伊国屋書店の販売データを閲覧で きる)ため、あと数年でゼロになると思います。

すると、今後の印税は電子書籍と海外版権だけになります。

そこで、まだ電子書籍化されていない古い著作が絶版になったら、それらを自前で電子化し販売するか、たとえば1冊を章ごとにバラしたものをnoteなどで販売してもいいかなと思っています。

講演もコロナ以降は激減し、年2回くらい。昨年は1回だけ。おそらくこれもゼロになりそうです。

これは私だけでなく、セミナービジネス全体の傾向です。

かつてのように、たとえば証券会社が著名人を講師に招いて無料セミナーで集客し、そこで集めた顧客リストをもとに追客するという手法は減っています。

むろん「投資フェア」などのような展示会は今でもその手法が中心ですが、これは来場者数を稼げれば出展社への営業につながるからでしょう。

最近の金融各社はプレゼントやキャンペーンで集客し、さらに自前(自社社員)によるセミナー・勉強会をメインにしています。セミナーだけが目的で来る人が多く、実際の成約率が低かったからかもしれません。私がよく呼ばれていた証券会社でも、セミナー目当てという人はいましたし。

ゆえに、特に金融関係では講演家が活躍できる頻度も減っている印象です(なので、かつて講演などで顔を合わせたことのある投資家・講演家の多くは、いまYouTuberなど動画系に軸足を移しています)。

さらには、ビジネス系雑誌も絶版が相次いでいますし、取材も私のような古参ではなく新進気鋭の若手経営者や若手ビジネスパーソンへと世代交代が進んでいます。

マネー系雑誌では広告タイアップの取材記事が増えていて(広告を出稿する代わりに記事を載せてもらう)、純粋な投資家が出る頻度もやはり減っている印象。

という感じで、これまで私が主戦場にしていた著作・講演・取材などは、いずれももう仕事にはならない時代環境になってきているわけです。(次ページに続く)

自分という商品の「旬」が過ぎた後に、どうお金を稼いでいくか?

どんなに一世を風靡した人にも、やはり賞味期限というものがあります。

タレントや女子アナに限らず、どんな世界にも「旬」があり、世代交代がある。古い人は呼ばれなくなり、若い才能が出てくる。

だから売れているうちに、売れなくなったときに備えて次の手を打っておく必要がある。

たとえば、ビジネス自己啓発書のブームを作ったと言っても過言ではない勝間和代さんは、今はプライベートな勉強会である「勝間塾」をメインにしているそうです(彼女と親交があった人に聞いた話なので、詳しくはわかりませんが)。

私の知人関係での例外は、たとえば精神科医の和田秀樹さんでしょうか。私が高校生の頃に「受験は要領」という本を読んだのが初めて知ったきっかけで、その後は「著者の会」で何度かお会いした程度ですが、いまでも精力的に執筆をされています。すごいなあ…。

しかし、ほかの著者仲間はやはり表舞台(講演・著作・取材・テレビ出演などの情報発信)からは身を引き、企業研修などの本業に回帰していたり、大学の講師や准教授になっていたり、景気のいい時代にお金を稼いでビルを買っていたりなど、それぞれが次のステージへと移っています。

私も、著作を年間平均3~4冊も出していた20014~2023年頃までは、その収入を太陽光・FX・株・投信・暗号資産などの運用にフルベットしてきました。

今でも収入のほとんどは株やFXに追加投資しているため、現状はいわゆる「投資貧乏」みたいな感じで、貯蓄はほとんどありません。

最近では明確に、自分は著者・講演家としては旬が過ぎたと認識していますが、その一方で私は運がいいなとも感じます。

というのも、かつてオンラインビジネスに切り替えたのは、3.11での原発事故がきっかけでしたが、そのおかげでコロナでも影響を受けずに済みました。そして専業投資家に舵を切ったのはコロナがきっかけでしたが、こういう状況でも運用益で賄えているからです。

むろん、リアルの仕事が減っていくのはわかっていたとはいえ、昨年まではそれほど確信を持って狙ったわけではないので、本当に運が良かったとしか思えないと感じています(起業塾も真剣にやればそれなりの収入になるとは思いますが、なにぶん私は他人をケアするのが苦手のため休止中…)。(次ページに続く)

あなたは何を始める?私が今、取り組んでいる「10の分野」

私の場合、投資・資産運用分野は、現状で下記のようになっています。

今後の方向としては、「これら1つ1つの売上を大きくする」+「ほかの収入源を追加する」ことになりますが、どちらも永遠のテーマですね。

来月には家族が1人増えるという状況を考えると、あまり時間・労力をかけることなく、「不労所得化」の追求が最重要だと考えています。

「不労」という点では事業よりも投資・金融商品の利益の追求がシンプルにも思えますが、これは日々試行錯誤といったところでしょうか。目指せ与沢翼さんの徹底力!(笑)

(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2025/4/21号一部抜粋、再構成。全文は登録のうえお楽しみ下さい。同号では、この続きとして「(2)コスト削減」や「(3)運用効率アップ」についても詳しく解説。メルマガ登録で、すぐに全文をご覧いただけます)

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