「やらなければならないこと」が増える一方で、1日の時間は増えません。では、どうすれば毎日をスムーズにこなせるようになるのでしょうか?「6つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」として知られる石川和男さんは自身のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の中で、「やらなくてもいいこと」を見抜く力について紹介しています。
慣習を打破する! 「やらなくてもいいこと」の見抜き方!
寒い季節になると、どうしても朝の準備が億劫になりますよね。布団のぬくもりを離れたくない、シャワーを浴びても体が冷える、そんな時こそ意識したいのが「やらないことを決める」という発想です。
限られた時間をどう使うかよりも、まず「何を手放すか」を考えることで、1日のスタートがぐっと軽くなります。
たとえば私は、シャワーのあとにドライヤーで髪を乾かすことをやめました。その代わり、1カ月に1度美容院へ行き、髪が広がらないように整えてもらっています。特殊な成分の入ったカラー剤を使って髪を落ち着かせることで、朝は自然乾燥でも問題なくなります。美容院代はそれなりにかかりますが、毎朝の「出勤準備」に費やしていた時間を、より生産的な時間に変えられるなら、十分に価値のある投資です。
美容院の予約は、平日の夜や仕事終わりに入れます。「その時間までに仕事を終わらせなければ」という締切効果も生まれ、結果的に日中の集中力も上がります。
シャワーのときには石鹸もボディタオルも使いません。手で洗うだけです。時間短縮になるうえに、肌にも優しい。タモリさんはタオルを使わず、福山雅治さんは石鹸を使わないと聞いたことがありますが、理にかなっていると思います。
髭剃りも週に2回、夜に整えるだけ。朝の時間には一切行いません。こうした「常識を疑う選択」の積み重ねが、時間の余白を生み出していくのです。
「髪を乾かす」「体を石鹸で洗う」「タオルで洗う」「髭を剃る」……私たちは、当たり前だと思っていることに多くの時間を奪われています。
「本当に必要なのか?」「別の時間にできないか?」と自分に問い直すことで、日常の無駄は驚くほど削れます。
やらないことを決める。それが「出勤準備の短縮」を超えて、仕事全体の生産性を上げる鍵になるのです。
ここで少し、考えてみてください。
長年、日本の学校で当たり前のように行われていた「座高測定」。この項目、2015年に廃止されたのをご存じでしょうか?
約70年も続いた習慣が、突如「意味がない」と判断されて終わったのです。
理由は単純で、「健康状態を測る指標として不要だった」から。けれど、誰も「やめよう」と言い出せなかった。まさに、惰性で続いてきた「やらなくてもいいこと」の典型例です。
この記事の著者・石川和男さんのメルマガ
仕事の現場にも、同じような慣習は山ほどあります。
以前勤めていた建設会社では、会計ソフトで集計されたデータを、わざわざエクセルに打ち直し、カラー印刷して役員に回していました。転職したばかりの私はその無駄に驚き、思い切って会計ソフトの出力をそのまま回してみたのです。
結果……誰一人文句を言わなかった。
つまり、ただの「昔からの習慣」だったのです。
もうひとつの例は、「お客様見込み情報」という紙ファイル。
会社名や電話番号、住所などを手書きでまとめたものが延々と続いていました。調べてみると、ネットが普及する前の時代に、事務スタッフの手が空いていたために作り始めたとのこと。
今は少人数で忙しく働く時代です。もはや、その手間をかける意味はありません。そこで私は「見込み段階なら、ホームページの印刷で十分では?」と提案し、すぐに改善されました。こうした「古い慣習」は、どんな会社にも潜んでいます。
あなたの職場にも、思い当たるものはありませんか?
毎月なんとなく作っている資料、誰も見ないまま保管されているファイル。惰性で続けていることに、どれだけの時間が費やされているでしょうか。時間を生み出す最大のコツは、「新しいことを始める」よりも、「やめることを見つける」ことなのです。
では、どうすれば「やらなくてもいいこと」を見抜けるのか。
ポイントはーーー(『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』2025年11月13日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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