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偶然プールで実現したMicrosoftナデラCEOとの対話で中島聡が確信。AIにコードを書かせて「遊ぶ」未来の新しい働き方

ハワイのプールサイドで偶然実現した、MicrosoftのCEOサティア・ナデラ氏との対話。そこで語られたのは、バケーション中もバックグラウンドでAIに仕事をさせるという、驚くべき開発スタイルでした。「コードが書けるAI」の進化は、エンジニアの定義を根本から覆し、経営者に新たな資質を求めています。AIエージェントを駆使し、労働時間ではなく価値で評価される未来とはどのようなものか。メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で著名エンジニア・投資家の中島聡さんが、実体験を交えて解説します。

プロフィール中島聡なかじま・さとし
ブロガー/起業家/ソフトウェア・エンジニア、工学修士(早稲田大学)/MBA(ワシントン大学)。NTT通信研究所/マイクロソフト日本法人/マイクロソフト本社勤務後、ソフトウェアベンチャーUIEvolution Inc.を米国シアトルで起業。現在は neu.Pen LLCでiPhone/iPadアプリの開発。

Satya Nadella氏との会話。AI時代の凄い働き方

先日、MicrosoftのCEO、Satya Nadella氏と話す機会がありました。たまたまプールサイド(私が属するゴルフクラブのコミュニティ・プールです)で出会ったので、小1時間ほど話しました。

家族とハワイにバケーションで来ていたにも関わらず、AIやこれからの働き方について熱く語ってくれました。仕事が心底好きな人だということが伝わって来ました。私が関わっているプロジェクト(GraphAI、MulmoCast、MulmoChat)についても興味を持ってくれて、とても充実した会話ができました。

そんな中で出て来たのが、Claude CodeやGitHub Copilotを使った「コードが書けるAI」を使ったソフトウェア・エンジニアの働き方についてのディスカッションです。

バケーション中もAIに仕事をさせる

Satya自身もGitHub Copilotを毎日のように使っており、その時もバックグラウンドで2つほどコーディングのプロジェクトを走らせていたそうです。早朝に30分ほどかけて2つのプロジェクトを立ち上げ、家族とバケーションを楽しんでいる間に仕事をさせ、夜に進捗をチェックするそうです。

私もClaude Codeを毎日のように使っていますが、基本的にはインタラクティブな使い方で、Satyaのようにバックグラウンドで仕事をさせるようなことはしていません。数ヶ月前、OpenAIのCodexが出た時に、そんな仕事の仕方を試したのですが、作ってきたコードの差分が多すぎて、そのスタイルは私に向いていないと感じました。

しかし、最近はプランモード(しっかりと計画を立てた上で、コーディングをするモード)なども充実してきたので、再度トライしても良いと考えています。

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経営陣こそ自らコードを書くべき理由

CEOであるSatya自身が、AIを使ってコードを書いていること自体が、今の時代の凄さを表しています。私がUIEvolutionのCEOだった時には、集中力が必要なコーディングなど不可能でしたが、今の開発環境があれば、十分に可能に思えます。

この件には色々な意味が含まれていますが、やはり、テック企業のCEOはエンジニアでなければならないとつくづく思います。ソフトウェアの開発環境は、「コードが書けるAI」の誕生により、単に革新的なだけでなく、破壊的な変化を遂げようとしていますが、その意味を経営陣が心の底から理解することは何よりも大切であり、それに至る唯一の道は、自らAIを使ってコードを書くことです。

自らが生産性が爆上がりしていることを体験して初めて、従業員全員に向かって、これからの働き方についての適切な指示が出来るのです。

Satyaによると、Microsoftは既に、すべての従業員に対して、AIを無尽蔵に使う権利を与えており、全員に対して、それを最大限活用した働き方を期待していると語っていました。

当然ですが、人によってAIを使った生産性の向上はまちまちですが、2割の人が10倍の生産性を上げてくれれば、彼らだけで会社として2倍の生産性の向上ができます。生産性を上げられない人の処遇については触れませんでしたが、当然、彼らはレイオフの対象となり、最終的には、より少ない人数で高い成長率を持つ会社に生まれ変わることが可能です。

労働時間の概念が変わる未来

ここでフと思ったことを質問してみましたところ、期待した通りの答えが返って来ました。

私:もし、朝夕30分ずつ「コードが書けるAI」と対話して、後は遊んでいても、会社に対して大きな価値を提供できればそれで構わないってこと? Satya:そういうことになる。

元々、ソフトウェア業界には、「週40時間」という働き方に意味がないと言われて来ました。週30時間しか働かないけれども、毎日残業するエンジニアよりも生産性の高いエンジニアが評価される業界だからです。

「コードが書けるAI」の誕生により、「ソフトウェア・エンジニアとして働く」ことの意味が大きく変わりつつあるのです。具体的には、

朝:複数のAIエージェントに対して、コーディングの指示を出す 昼間は別の仕事をしたり、遊んだり、ボランティア活動をする 夕方:AIエージェントたちがした仕事をチェックし、使えるものだけ採用する。

のような働き方です。実際には、AIエージェントは夜も働いてくれるので、24時間複数のエージェントたちを2交代制で働かせることが十分に可能です。

私自身も、メルマガを書く時間やゴルフをしたり家族と過ごす時間の合間にコーディングをする時間を見つけるのに苦労していますが、もし、こんな風にバックグラウンドでAIエージェントにコーディングをさせることができれば、高い生産性を維持したまま、人生を楽しむことが可能になります。

(本記事は『週刊 Life is beautiful』2026年1月13日号の一部抜粋です。「私の目に止まった記事(中島氏によるニュース解説)」、読者質問コーナーなどメルマガ全文はご購読のうえお楽しみください。初月無料です)

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image by: Takkystock

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