ソフトバンクが最新フラッグシップモデル「Galaxy S26」を月額1円で販売したことは、単なる値下げ施策にとどまらず、キャリア間競争の在り方や、メーカーの事業継続そのものにまで影響を及ぼしかねないとメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは語ります。石川さんは今回のメルマガで、ユーザーにとっての「お得」を超え、日本のスマートフォン市場が抱える構造的な問題に言及しています。
ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売―-販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも
昨年、10年ぶりにGalaxyの取り扱いを復活させたソフトバンク。Galaxy S25をいきなり月額3円で販売するなど衝撃が広がった。
コンシューマー事業推進統括モバイル事業推進本部の郷司雅通本部長は「今回もやります」ということで、オンラインストアを見たら、Galaxy S26が24回まで月額1円で売られていた。
ソフトバンクの狙いはロイヤルユーザーの多いNTTドコモやauからGalaxyユーザーを奪うことになる。実際、自分もGalaxy Z Fold 7を購入する際は他社からMNPしてソフトバンクを契約しただけに、ソフトバンクの思うつぼになっているユーザーは相当、多そうだ。
郷司氏も「MNPの獲得比率は高い。我々にはストックのユーザーがいないので、ポジティブに働く」と語っていたのが印象的であった。
ただ、ソフトバンクの場合、1年で機種変更しても安価に収まるように見えるという点がある(オンラインサイトでは名前などを入力しないと最終的な支払額が出てこないのが不便)。
S25を購入したユーザーとすればS26に乗り換えようかと思う人も増えそうな気がするが、郷司氏は「確かにハイエンドのほうが1年でアップグレードされる方の比率は高い。S26もそうだが、夏頃に出ると思われる(折りたたみの)Z系の後継の方がさらに高くなるのではないか」と見ている。
ここで気になるのが「1年でアップグレードする人が増えて大丈夫なのか」ということだ。NTTドコモはいつでもカエドキプログラムで早期に返却する人が増えるという誤算によって、赤字を計上した。
その点を郷司氏に突っ込んだところ「そこは大丈夫」と即答されてしまった。
ソフトバンクは、これまで数々の販売方法を編み出して業界をリードしてきた。いま、総務省で売り方の見直し議論が行われているが、郷司氏は「分かりやすくして欲しいというのは一つある。あとはある程度、長期に使っている方を優先する形で見直しをしてもらいたい。端末の買い方も複雑になってきていると感じているところがあるので、それをシンプルにできればいい」と語った。
ちなみに販売の仕方に関しては、バルセロナにおいて「2万円ルールを早急になんとかしないといけない」と語っていた人がいた。
現在の端末市場は総務省の愚策によって「2万円スマホ」しか売れていない状況だ。円安やメモリ価格の高騰で、メーカーは2万円スマホを作れば作るだけ赤字に追い込まれる状況になりつつある。郷司氏もメモリの高騰で「ローエンドの影響が大きそう。安いモデルをどういう風に調達していくかが課題となっている」と語っていた。
2万円ルールを撤廃するぐらいの見直しをしないと、さらなるメーカーの撤退を招きかねない状況になりつつあるようだ。
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