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高齢化・空室だらけの団地に起きたグルメ革命。賑わい復活の裏に潜む「団地ビジネス」の可能性と限界

かつて「夢の暮らし」の象徴として多くの人が憧れた団地が、今や高齢化と人口減少により廃墟同然の姿へと変わり果てています。そんな寂れた団地に今、安い賃料を活かした飲食店が続々と出店し、「団地グルメ」として各地で話題を呼んでいます。行列のできる人気店も現れ、消えかけたコミュニティに賑わいが戻りつつあります。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、著者の佐藤きよあきさんが、この「団地グルメ」現象の可能性と、団地再生の本質的な課題について考察しています。

憧れの団地が廃墟同然に

昭和30年代、高度経済成長期。

日本各地で「マンモス団地」が誕生し、 とても賑やかな街が築かれていきました。

当時、団地は庶民の憧れでもあり、 夢の暮らしを満喫できていました。

しかし、刻は流れ、 その大きな街には高齢化の波が押し寄せ、 住民は大激減。

建物も古くなっていることから、 新規入居者は期待できず、 人のいない寂れた街へと変貌してしまいました。

また、人口が減ったことから、 団地の1階に並んでいたスーパーや商店、 クリニックなども消えていき、 買い物難民・医療難民の問題も発生しています。

こうした団地は数知れず、 日本全体の課題となっています。

人口を増やすために、敷金・更新料を無料にしたり、 リフォーム・リノベーションに 制約を設けない団地も出てきています。

とは言え、それはごく一部のことで、 ほとんどの団地は寂れた街となっており、 中には廃墟と化している と言っても良い場所さえあります。

“団地グルメ”が街に灯す光

しかし、最近になって、ひと筋の光が見えてきました。

“団地グルメ”。

古い団地は空き店舗が多いため、賃料が安くなっており、 商売にチャレンジする人が 出店しやすくなっているのです。

流行とまでは言えませんが、各地の団地で、 同じような動きが見られます。

団地に住む人は、お店に飢えているため、 開業と同時に多くの人が利用するようになります。

その中でもっとも多いのが飲食店。

最近よく耳にする”団地グルメ”と呼ばれるお店です。

洋食・ラーメン・寿司・ハンバーガー・ピザ・焼肉・ フレンチ・パン・おにぎりなど。

また、外国人が団地に住み、 そこで商売を始めるケースも増え、 ブラジル料理・リベリア料理・パキスタン料理・ ベトナム料理なども見掛けるようになりました。

そんなお店が話題になり、 団地外から訪れる人も多くなっています。

行列のできるお店もあります。

人とお店が消えて寂れていた街が、 再び賑やかになっているのです。

住民たちにとっても、集う場が復活し、 コミュニティが再開したようです。

“団地グルメ”をキッカケに、 部屋に籠っていた高齢者が外に出て、 他地域からの人も増え、 触れ合いや賑やかさが戻ってきました。

それでも根本問題は解決しない

これで、団地の問題は解決するのでしょうか。

答えは、いいえ。

団地そのものを再生し、空室がないようにしなければ、 街としての活気は取り戻せません。

昼間は賑やかでも、 夜間になると寂しく暗い場所のままなのです。

人が住んでこその街。

たくさんの人の暮らしがあるのが、本当の街です。

“団地グルメ”は、人が集まるキッカケにはなりますが、 そこから先が大きな問題なのです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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