MAG2 NEWS MENU

ソフトバンク「新料金」の焦点。JAPANローミングは売りになるのか?

災害時や通信障害時に他社回線を利用できる「JAPANローミング」という仕組み。本来は業界横断でユーザー保護を目的とした取り組みのはずですが、キャリアとしてはどう位置づけるのかという意見が見られます。メルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』の著者でケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川さんは今回のメルマガで、その仕組みについてソフトバンクの訴求を挙げて語っています。

ソフトバンクがau対抗の新料金プランとサービスを発表。「JAPANローミング」を新サービスとして訴求するのはアリなのか?

今回、既存プランも含めて値上げを行なったソフトバンク。宮川潤一社長が他社に先駆けて「人件費などが高騰し、いずれ値上げしたい」と長らく語っていたが、ようやく実現したかたちだ。

ただ、長期間、値上げプランを出し渋っていた割には、内容的にはauの丸パクリ感があって、ちょっと拍子抜けしてしまった。あれほど、真似てくるのであれば、すぐに発表できただろうが、スターリンクとKDDIの独占契約期間もあって、2026年4月発表というのが最速だったものと思われる。

今回の発表会で、ちょっと気になったのが「JAPANローミング」だ。

SNSや他社関係者から「JAPANローミングをソフトバンクのサービスとして訴求するのはいかがなものか」という指摘が飛んでいた。

確かに、JAPANローミングはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルが、いざという時に支え合って、ユーザーの通信を確保するというものだ。それをあたかも「料金プランを契約すると、得られるサービス」として見せるのは、さすがにどうかと思う。

実際、ソフトバンクのユーザーがJAPANローミングの恩恵を受けるということは、ソフトバンクのネットワークが何かしらでダウンし、NTTドコモやKDDIのネットワークにローミングするということだ。つまり、ソフトバンクが自社のユーザーに通信サービスを提供していないにも関わらず、表向きは「ソフトバンクの新サービス」という見せ方をしているのは、かなりの違和感がある。

ソフトバンクがJAPANローミングを自社のサービスのようにアピールし始めると、競合他社も対抗せざるを得なくなってくるのではないか。

また、JAPANローミングは災害が発生したり、通信障害が起こった時に、本当にキチンと機能するのか、怪しい部分もまだあるのではないかと思っている。

「JAPANローミングが機能すればラッキー」程度の仕組みであり、それをキャリアが「料金プランに含まれる新サービス」とアピールするのは、無理があるような気がしてならない。

JAPANローミングに関しては、現在、最もネットワークが非力な楽天モバイルが有利に働く可能性がある。楽天モバイルのネットワークが落ちた際、他社のネットワークに接続される。通信速度に制限はあるものの、ひょっとしたら、現状よりも品質が上がる可能性があるわけで、下手をしたら「楽天最強JAPANローミング」なんてことになりかねない。

JAPANローミングは料金プランの一部として、個々のキャリアがアピールするのではなく、4社共同で認知活動をすればいいような気もしているが、果たして、今後、どんな展開を見せるのだろうか。総務省の考えを聞きたいものだ。

この記事の著者・石川温さんのメルマガ

初月無料で読む

image by: Saranya Phu akat / Shutterstock.com

石川 温この著者の記事一覧

日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 石川温の「スマホ業界新聞」 』

【著者】 石川 温 【月額】 初月無料!月額550円(税込) 【発行周期】 毎月 第1土曜日・第2土曜日・第3土曜日・第4土曜日(年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け