米国とイランの思惑が交錯する中、早くも揺らぎ始めた停戦合意。その背景には、ホルムズ海峡の通航を巡る「解釈の違い」に加え、双方が抱えるさまざまな事情が横たわっているようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、米イラン停戦覚書を巡る対立や中東諸国の動きを詳しく解説。その上で、ウクライナ戦争の今後や日本企業が世界に果たし得る役割について考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:イラン戦争再開か?
「停戦合意」破棄の可能性も。イラン戦争再開か?
イランは、停戦後60日間無料でホルムズ海峡を解放したはずが、オーマン寄り海峡を通過中の貨物船を攻撃し、米国はイランを空爆して報復した。これにより停戦合意が破棄される可能性が出てきた。今後を検討しよう。
AIバブルの崩壊が起こり始めたようだ。AIサービス料が巨額投資に見合うのかという疑問が出たことと、中国製AIサービスが安価で利用できるので、料金を上げられない可能性もある。その上、ハイパー・スケラーとエヌビディアの相互間で株の持ち合いや簿外債務などがあるのではないかと疑いが出たことが大きいようだ。
このため、先週、米国のテクノロジー・セクター・ファンドからは150億ドルの資金が流出した。これは少なくとも過去2年半で最大の週間流出額だ。
このため、OpenAIの上場を来年まで延期するという。このためopenAIに投資しているソフトバンクの株も下落した。最近上場したspaceX株も大きく下落している。
それと、米国政府が米アンソロピックのミュトスを海外利用を禁止したことで、開発費の回収ができない可能性も出ている。クロードの法人利用が好調で黒字化はできるので、上場は計画通りに行う予定のようだ。
しかし、AI株が少ないダウは、それほどには下落していない。AI株からバリュー株にシフトしてきている可能性もある。このため、全面株暴落にはなっていない。
しかし、5月消費者物価上昇率は4.1%になり、トランプ氏の支持率も34%と低迷したが、イラン戦争が停戦になり、ホルムズ海峡が解放され、原油価格も69ドルになったことで、今後はインフレが収まると見られていた。それを期待してトランプ氏も停戦したが、その停戦も分からなくなってきた。
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ネタニヤフを見限ったトランプ。緊迫の中東情勢の行方
5項目のイランは、最大限の努力を払って、ホルムズ海峡を通る商業船舶の安全な通航を60日間、料金なしで確保する。と停戦覚書ではなっているが、イランはイランの承認が必要であるという。
しかし、米国と湾岸諸国が協議を行い、通航料などの徴収を一切拒否すると発表したし、オーマンも、米国の要求からIMO=国際海事機関と連携して、海峡を無料で航行できると声明を出し、オーマン寄りの海峡でイランの承認なしの貨物船が航行した。このことに、イラン革命防衛隊はドローンを航行中の大型貨物船の甲板に直撃させた。
これに対して、トランプ氏は「イランはホルムズ海峡を航行中の複数の船舶に対し、少なくともドローン4機で攻撃した。そのうち1機が大型の貨物船の甲板に直撃した」とし、イラン停戦違反だと言い、米軍が報復攻撃を行うとした。
これにより、米軍は、イランのミサイル・ドローン貯蔵施設や沿岸レーダー施設を攻撃した。
これに対して、イランは、ミサイルとドローンでバーレーンにある米第五艦隊の拠点を標的にした。
イラン外務次官は「イランを無視すれば海峡の安全保証されない」として、攻撃を正当化した。これを防止するために、「軍事的エスカレーションを引き起こしかねない事態を防ぐため、ホルムズ海峡でイランとアメリカ間の連絡体制が確立した」としたが、イラン革命防衛隊は否定した。
その後もイランは、200万バレル以上の原油を積載したパナマ船籍タンカーを攻撃し、米軍はイランの軍事監視インフラ、通信システム、対空防御拠点、無人機保管施設、そして機雷敷設能力を攻撃した。
ということで、停戦を持続させて次回の米イラン協議は6月28・29日に行われるというが、イランは、米国の攻撃後に次回会談のキャンセルを検討中ともいう。
そもそも、イラン戦争の停戦覚書は、戦闘停止と双方の思惑が一致した部分で合意したが、米側は、原油価格の上昇でのインフレ、イランの攻撃を受けないよう中東地域の米軍基地の移転と、弾薬の不足、特に防空ミサイルの不足になり、イランは原油が売れずに、原油タンクが一杯になり、双方で停戦が必要になったことで停戦が成立した。
特に、米政府は湾岸地域全体での米国の軍事、外交的な拠点の縮小や移転を検討して、イランのミサイルなどの射程圏外となる西方に移転する必要であり、このため、時間が必要になっていた。
ということで、双方とも過剰に譲歩した文面で、実際には互いに自分たちの要求優先で考えるので、文面どおりには進まないことになってきている。
このため、交渉は続くかもしれないが、どこかで戦争再開になりえるように思う。
一方、ネタニヤフ首相は「トルコは非常に危険だ。私たちはそのミサイルの射程圏内にある。私たちはそれらを攻撃すべきだ」と言ったが、トランプ氏は「私はトルコ人と対峙できない。そんな状況になったら、彼らはテルアビブに到達するかもしれないし、誰もあなたたちを守れないだろう。この問題は放棄しろ」と言い、5世代ドローン兵器に必要なジェットエンジン数十基をトルコに売る契約をした。
徐々にエゼキエル書が現実化する方向に進んでいる。
6月28日朝9時現在の状況であり、非常に早く事態が動くので、X等で事態の推移を追いかけてください。
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ついに「ゼレンスキー暗殺」に動き出した窮鼠プーチン
ロシア劣勢の状況は変わらない。クリミア半島の孤立化作戦は順調に推移しているし、トランプ氏は、態度を転換して、ウクライナの条件で、ロシアが停戦に応じるべきだと言い始めた。
クリミア半島では、ガソリンの販売を中止して停電も頻発し、黒海艦隊の司令部も移転させた。海空軍全体がロシア本土に移転している。
その上、ゼレンスキー大統領は、ロシアに戦争終結を迫るため、ウ軍の情報機関、保安局(SBU)による40日間の作戦を承認したという。詳細は明らかにしていないが、今後も、SBUはロシア領内と支配地域で石油関連施設や兵たん拠点を狙ったドローン攻撃を行い、ロシアへの圧力を強めるようだ。現時点より強度を増すようであり、サンクトペテルブルクへの攻撃では300機以上のドローンが攻撃している。
そして、ゼレンスキー大統領は、ウクライナ領土の完全な開放を目指すと示唆し始めている。対するプーチンは、ドンバスを割譲しろという要求から現状での停戦にシフトした。
しかし、ロシアの劣勢は徐々に拡大して、シベリアにある軍事施設や軍需工場までウ軍ドローンの攻撃に合う事態になっている。
このため、ロシアは、キエフの主要な政府高官の位置を特定するための諜報活動に積極的に取り組み始めた。キエフのウクライナ政府機関に対する暗殺攻撃を実施する方向であり、ターゲットはゼレンスキー大統領のようである。
もう、ロシアに残られた勝利の条件は、テロや核攻撃しかないようである。国民総動員の計画もあるが、それをすると、クーデターなどが起こりえるので、隠れた動員を行う方向のようである。
このため、ウ軍最高司令官オレクサンドル・シルスキーは、「ロシアとの戦争における転換点はまだ訪れていない」と述べ、「ロシアが利用可能なすべての兵力、資源、能力を動員する瞬間が訪れ、その後疲弊が進み、決定的な転換点が訪れる」と予想しているという。
また、ロシアは、ルーマニアが東部コンスタンツァにあるロシア総領事館の閉鎖した。モルトバの併合を行うとしたが、モルトバはNATO非加盟で、ルーマニアはNATOとEUに加盟している。ということでモルトバ地域もNATO加盟状態になる。
このため、ロシア人が多い沿ドニステル地域への独立活動にロシアが支援できなくなる。NATO軍との戦争を覚悟できないからだ。
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中国との関係悪化で米欧から見放されつつある日本
消費税減税は、消費税1%の方向で決着したが、決めるまでの時間が長く、2年間の時限立法のようであり、インフレを押さえる効果が限定的のような気がする。円安を止めた方が良いと思うが為替介入もできない。
そのため、利上げを複数回、立て続けに行うしかない。金利を1.5%まで上げて、10年国債金利を2.5%までにして、財政規律を確保して、その上で成長戦略を行うことであり、成長分野を絞り、議員定数を大幅に絞り、新規の建設を止め高速道路を黒字化して、国庫に余剰金を入れ、かつ、新幹線の拡充を北海道新幹線で止めて、国債の新規発行を少なくし、日銀は金利2.5%になった時点で国債の買入れを増して、財政破綻を防ぎ、国債を品薄にするべきなのである。
しかし、政府は日銀の利上げをけん制している。ということは、ベッセント財務長官の反対を押し切って、為替介入をするしかない。日本が米国離れをすることになる。これには覚悟が必要である。どちらにしても国家運営が難しくなってきた。
このため、危機に備え輸入先を多角化することが重要で、このため、ブラジルなど南米5カ国が加盟する関税同盟メルコスル(南部共同市場)と経済連携協定(EPA)の交渉を始める。農産品でのブラジルの存在は大きく、米国が大豆などの輸出禁止をした場合の代替先になる。
日本の危機管理上、米国だけに頼る今の体制では、いつ何時、トランプ氏が日本を切るか分からないので、安全策として必要である。トランプ氏の超短期目線での外交政策では、どの国も切られる心配をしないといけない。イスラエルも欧州でも、現に起こっているから、次は日本ということも考えられることになる。
ということで、日本は自立しないといけない事態になっている。特に中国との関係悪化は、米国も欧州も日本の味方をしないようである。日本が西側で孤立している状態にある。
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「他者への配慮」で進出国の文化を変化させる日本企業
なぜ、日本は世界平和や道徳を世界に広げる必要があるのかというと、日本企業が世界展開をして、売り上げの5割以上を海外が占めていて、世界の紛争や戦争が起こると、世界展開する日本企業の業績に大きな影響が出るからである。日本は、日本地域を超えて、発展しているからだ。
それと、日本企業が世界に出ると、企業内部で日本文化で経営するために、集団主義的な企業文化ができて、知らず知らずに集団主義的な国民にしている。その企業内部では「他者への配慮」も培われるので、日本企業の進出で、その国の文化も変化することになる。
この企業文化での貢献が大きいのが東南アジアだが、先進国ではインバウンドでの旅行者が帰国後、変化するという。というように、旅行、漫画、アニメ、J-POPなどからも影響されて、世界が変わろうとしている。
縄文人は、自然との共生と自然への謙虚さ、共助と分かち合い、輪廻転生、身分差がない環境などと精神的な理想の状況であり、それを現代人は、今の生活レベルを維持しながら、どうすれば近づけられるのかを考えることであるとみている。
この時代は、日本全体で30万人程度しかいなく、食糧は豊富にあり、十分な恵みがあるので、このような精神文化ができたようでもある。
そして、論語も縄文人社会を理想としていた可能性がある。この時代は豊富な食糧があるので、経済合理性を必要としないので倫理的な経済政策になる。それが朱子学でも踏襲したことで、現代社会に合わなかったのである。
弥生時代に長江文明の呉人や倭人が日本に到来して、コメ文化を日本にもたらし、古墳時代に漢人、韓人が渡来して、鉄や古墳の文化を日本にもたらした。その過程で戦争などの争いも日本で起きることになる。しかし、日本に来られるのは、上流階級の人たちであり、日本に同化している。
今の日本人はDNA的には縄文人のDNA10%、倭人のDNA80%、漢人10%のようである。弥生時代に、揚子江沿岸から日本に逃げてきた人たちが多いようである。日本人には縄文人のDNAがあるので、縄文的な感性があり、「他者を配慮」する性格がありそうだ。
さあ、どうなりますか?
(『国際戦略コラム有料版』2026年6月29日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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