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写りは平成のガラケー。なのに手放せなくなったミニカメラ

スマホのカメラって、なかなか失敗しませんよね。

明るさも色も自動で整えてくれるし、手ぶれもほとんど出ない。ありがたい話ではあるんですが、たまに思うんです。シャッターを押す前から、仕上がりがだいたい見えているなと。

今回ご紹介するトイカメラ「C520 ミニデジタルカメラ」は、その真逆をいく存在。はっきり言って、なかなか上手に撮れません。

ただ、雑に撮った10枚のうち1枚くらい、妙にいいカットが混ざっている。その1枚を引きたくて、いまはバッグに提げて持ち歩いています。

ちいさくて、軽くて、頼りない


Photo: 山科拓郎

このカメラ、とにかく小さい。手にのせると、大きめの消しゴムくらいでしょうか。


Photo: 山科拓郎

金属の質感も、フィルムカメラのような巻き上げの手ごたえもありません。プラスチックの軽さがそのまま指に伝わってきて、カメラというよりオモチャに近い佇まいです。ネックストラップとキーチェーンが付いてくるあたりにも、割り切りを感じます。


Image: Amazon

カラーはホワイト、ブラック、ピンク、イエロー、グリーン、グレー、レッド、オレンジ、パープルの9色。バッグに提げることまで想定して作られているのだとしたら、この色数にも納得がいきます。


今回はイエローをチョイス
Photo: 山科拓郎

でも、その軽さがいいんです。バッグのループに引っかけておけば、持ち歩いていること自体を忘れられる。ふと目に留まったものがあったとき、手を伸ばせばそこにある。ふだんα7IVを担いでいる身からすると、この「構える前に撮れてしまう」感じは新鮮でした。

写りの印象としては、平成のガラケーぐらい


Photo: 山科拓郎

最大48MP(4800万画素)まで撮れる仕様ですが、私はメニューから500万画素を選んで使っています。そのほうが、狙っている雰囲気に近いからです。


Photo: 山科拓郎

実際に撮れる画は、率直に言って粗いです。日陰は青紫に転んで、空や白い壁はあっさり真っ白に飛ぶ。電線のふちには紫のにじみが出る。ホワイトバランスも、ほとんど仕事をしていません。


Photo: 山科拓郎

平成のガラケーを使っていた人なら、懐かしさを感じられるぐらいの写り。「レトロ」という言葉は、デザインだけでなく写りのほうにもかかっていたわけです。

でも、それでいいと思っています。むしろ、色が転んだり、光が飛んだりしたところにこそ、この機種で撮る意味がある気がして。


Image: Amazon

なお、本体にはフィルター機能も入っています。ひととおり試してはみたものの、いまはほとんど使っていません。何も足さなくても十分に転んでくれるので、そのままのほうが好みでした。

見えているのに、わからない

このカメラには液晶が付いています。でも、それがとにかく小さいんです。


液晶が回転するので、自撮りにも対応
Photo: 山科拓郎

ブレているのか、ピントが来ていないのか。色がどちらに転んだのか。確認しても、なんとなくしかわかりません。センサーもかなり小さいものが積まれているので、そもそも撮れている絵の細部を、その場で判断する手立てがない。


Photo: 山科拓郎

だから、撮っているあいだの感覚はガチャを引くのに近いです。よさそうな景色を見つけたら、とりあえずボタンを押す。その場では、あまり手ごたえがありません。

帰ってからPCに取り込んで、そこでようやく結果を知る。フィルムの現像待ちとはずいぶん違う仕組みですが、結果として似た時間が生まれているのかもしれません。当たりだと思ったカットが平凡だったり、投げやりに撮った1枚が妙によかったり。


Photo: 山科拓郎

道路のはしに生えたエノコログサと、オレンジ色のポールを撮った1枚。撮影中はなんとも思っていませんでした。いま見ると、緑と橙だけが色転びに負けずに残っていて、これが今のところのお気に入りです。

縮小すると、ちょうどよくなる

ひとつだけ、コツのようなものを。


Photo: 山科拓郎

撮ったデータを等倍で開くと、ぼんやりした甘さが目立ちます。それを横1500pxくらいに縮めると、甘さが緩和されつつも、色転びと白飛びだけが残る。狙っていた雰囲気がいちばんきれいに立つのは、このサイズでした。


Photo: 山科拓郎

明るいところは飛びやすく、暗いところはあまり潰れない。この偏りがわかってくると、構図の選び方も変わってきます。建物の下の暗い通路から、明るい駐車場の抜けを見上げるようなカット。ああいう場面は、このカメラの得意技です。

また、約4,000円という価格には、金額以上の意味があると思っています。落としても、砂をかぶっても、雨に降られても、そんなに動揺しない。子どもに渡して好きに撮らせるのも気楽です。そのぶん、シャッターを切る回数が増えました。

きれいな写真を残したいなら、素直にスマホを構えたほうがいい。それはもう、どうやっても覆りません。

それでも、うまく撮れない道具をひとつ提げて歩く休日があってもいいよな、と思うんです。今日もバッグの横で、ちいさなカメラが揺れています。

Source: Amazon , Photo: 山科拓郎

商品のデザインや仕様、価格、パッケージなどは執筆当時のものです。変更されている場合がございます。

こちらは「かいサポ(お買いものサポーターチーム)」が編集・執筆した記事です。

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