観光都市・京都では、スマートフォンの通信品質を確保することさえ簡単ではありません。歴史的な景観を守るため、建築物の高さや色、形状などに厳しい制限が設けられているからです。『石川温の「スマホ業界新聞」』では、著者でスマホ/ケータイジャーナリストの石川温さんが、清水寺の基地局設置を入り口に、京都の景観規制と携帯電話ネットワークについて語っています。
ソフトバンクが京都・清水寺に基地局を新たに設置――京都特有の「景観条例」をいかにクリアするかがすべて
ソフトバンクが京都・清水寺の通信品質対策として、新たに基地局を設置したというので取材してきた。
清水の舞台からかろうじて見える位置にある。14.9メートルのコンクリート柱に2.1GHz帯と1.7GHz帯、900MHz帯、5G Sub6の3.4GHz帯と3.5GHz帯、3.9GHz帯に対応。今後、700MHz帯も予定している。
人気の観光地ということもあり、通信品質対策は急務であったようだ。当然のことながら、場所の確保から地権者との交渉が大変だ。
今回、清水寺の理解は得られたものの、工事は真冬の深夜帯しか行えない。しかも、場所が狭いため、コンクリート柱を2分割して運搬し、現場で1本にするという作業もあったという。
京都の場合、特に厄介なのが景観条例だ。建築物の色は京都市が指定したものしか許可されない。場所によって、許される高さも異なり、また建物からはみ出すのも規制が定められている。
大きくて目立つMassive MIMOアンテナなんて、京都には不向きであることは間違いない。
ソフトバンクの取材をして気になったのが、楽天モバイルのKDDIローミングだ。
楽天モバイルが公開しているエリアマップでは京都市内はほとんど濃いピンク、いわゆる自前エリアだが、KDDIが公表しているローミングエリアマップを見ると、京都市にも結構、オレンジが残っている。
京都の町並みは細かな碁盤の目状となっている一方で、あまり高いものは建てられない。
プラチナバンドで面展開しつつ、トラフィックの多いところはスポット的に打っていくのが本来、理想的だろう。
そんななか、楽天モバイルはKDDIのプラチナバンドでのローミングに頼ってしまっている感がある。
KDDIのプラチナバンドがごっそりとなくなってしまったら、どうなってしまうのか。
8月10日の楽天グループ決算会見後、楽天グループの株価が急落。急遽、三木谷浩史会長兼社長がXで「楽天モバイルのローミング契約につきましては、KDDI様とは現在も詰めの協議を行なっています」と、いまだに交渉中であるとした。
一方、KDDIの松田浩路社長は8月21日付の日経電子版でローミングの継続は「基本的にはない」としている。
今回、ローミングが終了するのはまさに都心部だ。
京都市内は基地局が作りにくくすぐに対策が打てないとされるなか、10月以降、楽天モバイルのネットワーク品質がどうなるのか、注目といえそうだ。
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