熟年離婚の引き金にもなるという「産後クライシス」。出産時の夫の言動に妻は傷つき、夫に不満がつのる…そんな状況を打破するのは「夫の気持ちを知る」ことだと夫婦再生カウンセラーの一色桐紫子さんは言います。メルマガ『夫婦再生の黄金律』では、ご自身の夫から聞いた「夫の気持ち」を詳しく紹介しています。
妻の妊娠出産…そのとき、夫の「気持ち」は
夫婦再生カウンセラーの、ローレンこと、一色桐紫子です。
『産後クライシス』かなりの反響です。
お産の前後に、自分が我慢した感情を思い出してあげること。
そして、人間として成長した、今の自分がその思いを受け取ってあげること。
私自身、お産をした年齢は、23歳と25歳。二人の娘は、もうその年齢を越えています。
自分の娘の気持ちだと思って、感じてあげる、受け取ってあげる。
じゃあ、息子がいたとしたら、
あのお産の時の主人は、今の息子よりも若いということ。
へえ~、そうかぁ~。
そのときの夫たちの気持ちも、ちょっと感じてみませんか?
男の気持ち、男の本音。
強さを良しとして生きてきた男たちは、なかなか感じることができない、そして表現することができない、同じ大きさの弱さ。
痛みとか、血を見ることに関しては、女性のほうが強いですよね。
男にも、強さと弱さが同じ大きさだけある。
男にも、挑むエネルギーと、逃げるエネルギーが同じ大きさだけある。
そのことを本当に理解した、私の夫が聴かせてくれた、男の本音。
まずは、妻が妊娠した時点から、怖いと感じるそうです。妻のおなかの中に、まったく得体のしれない(失礼よね!)新しい生き物がいる。
そして妻のおなかが大きくなるにつれて、その違和感も大きくなっていく。
自分の子供だと、頭ではわかっていても、私たち女性が、「私の赤ちゃん」と自然に感じられる感覚は、持てないのです。
体感できないのだから、仕方ないことですよね。
10か月、私の赤ちゃん! と体感し続けるからこそ、耐えられるあの陣痛。
それが夫たちにはまったくないということ。
そして始まる妻の陣痛。
とうとう陣痛が始まった。そのとき、夫の心境は?
まず出てくる感情は、逃げ出したい。
どうしていいかわからないからです。
男性脳は、解決脳。
こうして、こうしたらうまくいく! という道筋が見えないと、落ち着かない。
どうしていいかわからない不甲斐ない自分を見たくない。
できればその場に居たくない。
これが素直な男の気持ちなのです。
そういう感情のベースがあって、仕事、付き合い、ちょっとしたタイミングのずれ。
逃げ出したい、という気持ちを感じながら、そして、それに罪悪感を持っているからこそ、
「仕事だったんだからしかたないじゃないか!」
という強い言葉が飛び出してくるわけです。
確かに、頼りない、当てにならない、私のことを大事にしてくれない。
そんなふうに、お産の時には感じたかもしれない。
でもね、彼も、初めて赤ちゃんを抱いたその日から、父になり、
手を貸してくれなかったかもしれないけれども、父としての自覚で、仕事に励んでいたのです。
弱い夫の姿も受け取りましょう。情けない夫の姿も受け取りましょう。
きっとね、母としてのスタートと、父としてのスタートのタイミングが違うのでしょうね。
夫が弱いときには、あなたは強いし、夫が情けないときには、あなたは頼りになるのです。
二人合わせて完璧なんですから。
弱い夫を理解して受け取れたなら、きっと彼もわかってくれるはず。
そうか、あのときお前は心細かったんだよなあ~って。
あなたが自分の気持ちを感じてあげて、そして夫の気持ちも感じてあげられたら、
20年前、30年前の、お産という夫婦のビッグイベントを、今、もう一度二人で受け取りなおすことができるのです。
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