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子どものテスト「0点」に驚く親は、無能で仕事ができない理由

子育ても仕事も、予想外のトラブルの連続。それらに対し戸惑うことなく対応するためには、日ごろからの「予想力と準備力」への意識が大切であると、人気の無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんは語ります。

予想力と準備力

子育てをしているパパさんやママさんには、「子どもの行動は予想できないから困る」「子どもは想像していなかった動きをするから大変」と主張する人がたくさんいます。

私は以前からそれがすごく疑問だったのですが、実際に自分にも子どもが生まれて子育てをすると、やっぱり案外そうでもないなと感じます。

子どもの行動は、たいてい想定の範囲内なのです。

子どもが小さければ小さいほど大変だという人もいますが、小さければ小さいほど、想定外の動きはありません。

もちろん、赤ちゃんはいつおしっこをするかとか、夜中にいつ泣きだすのかとか、正確には分かりません。

でも「オムツを変える時におしっこを引っ掛けるかも」「何時間以内には泣きだすだろうな」といったことは予想できて、その想定に対して準備はできます。

「予想ができないから大変」と騒ぐ人は大抵、そういう準備をきちんとしていないから、いざその時になって慌てるのです。

「こんな場所でおもらししちゃって、大変!」と、余計に騒いで子どもをもっと泣かせる親もいれば、「替えのズボン持ってきてるから大丈夫よー」と、さっさと履き替えさせられる親もいます。

「目を離した隙に、危険なものに触りたがる」などと言って子どもの行動にため息をつく親もいますが、目を離した隙を作っているのは自分だし、危険なものを触れる所に置いてあるのも自分です。

たいていのことは、親自身気配り下準備で、問題解決するものなのです。

また、小学生や中学生のお子さんに対しても、「テストで20点しか取ってなくて驚いた」「我が子が0点を取るなんて予想外だった」などと声を荒げる親が多いですが、これも想定力準備力欠けた人の言い方です。

100点満点のテストだったら、点数は0点~100点までの範囲しかないのですから、予想するのはすごく簡単なはずです。

「100点満点のテストで、5億点も取ってる!」というなら文字通り「想定外」ですが、100点満点のテストで0点や20点はあり得ることで、そういう点数を取った時にどう声をかけるかという想定準備は、すぐにできます。

親自身ががそんな想定力がないだけなのに「私の想定外の点数を取るなんて!」などと子どもを叱るのはナンセンスなのです。

これと同じことが、仕事でも言えます。

「お客様は、予想もしない注文ばかりする」「予期しなかったトラブルばかりで仕事が進みません」と、文句ばかり言っている会社員がよくいます。

まるで自分の思う通りにならない周囲が悪い、というような口ぶりなのですが、実際には全部自分の無能ぶりからきているのです。

予想できるものに対処するだけの仕事なら、ロボットにやらせたらできます。

人間相手ならば様々なケースが来るのは当然のことで、それを事前にどれだけ予想できるのか、もしくは予想できないものが来た場合にはどういう行動や考え方をすればいいのかという意識が、日々なければなりません。

そういう意識へと改善されない限り、予想しないトラブルばかりがどんどん増えていって、自分の対応はとても追いつかなくなります。

でも「どんどん増えていく」というのは、自分の対応力のなさからそう思っているだけで、予想や準備がきちんとできている人は次から次に対処していくから、逆に「どんどん沈静化していく」と考えます。

子育てで言えば、子どもが言うことを聞かない時からきちんと子どもに対してしつけを行なって、子どもが次第におとなしく言うことを聞くようになる、ということと同じです。

今の予想できないトラブルにきちんと対応しながら、将来の大変さ軽減する対処もきちんとしているのです。

お客様から予想もしない問い合わせがきたら、それにすぐに対応するだけではなく、他のお客様が同じ問い合わせをしないでいいように、サイトのQ&Aに載せたりマニュアル化したりします。

お客様が怪我をされたり商品が破損したりしたら、そのお客様に対するケアにあたるのはもちろん、他のお客様が次に同じトラブルにならないようすぐにその原因を改善するわけです。

そういう動きをしないから、いつまで経っても予想外の現象増え続けているように感じるんですね。

予想準備は、人の知恵です。そして、自分の時間を作り出す方法でもあります。

自分にはどれだけの予想力準備力があるか。

いつもそれを気にしておくことは、ビジネスにとっては大事なことなのです。

 

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・「予想外のトラブル」に上手に対応できる人と対応できない人は、どのような差があるか。「予想」と「準備」という単語を必ず入れて、100字程度でノートにまとめる。

image by: Shutterstock

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