もし、カジノ法案が成立し、日本にカジノができるとしたら、どのくらいの雇用が見込めるのでしょう? 今回の『鍛野ミミの「カジノの目線で」-ここだけばなし-』では、カジノディーラーの制服に焦点を当て、そこから派生する新たな「関連ビジネス」の可能性について話しています。
ディーラーの制服だけでも、これだけのビジネスチャンス
今日のカジノ関連ビジネスのお話は「制服レンタル」と「ランドリー」にしました。
昨年の6月、『ニッカンアミューズメント』で「カジノディーラーという職業」という記事を書きました。
「大型IRのカジノ施設ではディーラーはどれくらい必要?」というテーマをもとに、ザックリとその数字を算出した記事です。
文面を下記に整理しました。
日本にIR施設が出来た場合、どれくらいのディーラーが必要となるでしょう?
大型IRのカジノテーブル台数は施設単体で150台から650台以上、下記はその一例です。(2014年6月時点)
◎ベネチアンマカオ(約660台)
◎マリーナベイサンズ(約650台)
◎ウィンマカオ(約513台)
◎ウィンラスベガス(約240台)
◎MGMコタイ(約500台)
例えば日本の大型施設のテーブル台数が500台と仮定しましょう。その場合……
◎大型施設の営業時間:24時間
◎ディーラー1名の勤務時間:8時間(シフト制)
◎1日1テーブルに最低必要なディーラー数(24時間 ÷ 8時間= 3名)
◎テーブル500台 × ディーラー3名 = 1,500名
1施設だけを見ても大勢のディーラーが必要であることがわかりました。もちろん大型施設の場合でもテーブルが150台程度になることも考えられます。ですが、日本のIRは時期をみながら数か所に設置されるといわれているので、雇用が見込まれるディーラーの数は最終的に数千人に上るのではないでしょうか。これは日本の「雇用創出」の点から見た場合、素晴らしいことだと考えます。
と書きました。
そうなんです!
カジノディーラーの「制服」だけをみても、こんなにたくさんのレンタル商品が必要になるんです。
そういえばこれを…書いた当時、この算出方法に難クセをつけた人がいたなあ。
「8時間シフトで、1台につき1日3人のディーラーしかいなかったら、休憩取る時間とかご飯の時間がない。シフト回せないじゃない?」
とツッコまれました(笑)。
はいはい。わかっていますよ。
だから、1台につき最低3名のディーラーって書いたでしょ?
シフトが入るからとか、休憩時間とか…細かい話を付け加えてばかりいたら…
皆さん、結構頭こんがらがるんですよね(情報過多に陥る)。
特にカジノは一般的に知られていない部分が多いので最初はベーシックなことだけを理解してもらって、その後徐々に肉付けをしていく。
これくらいがちょうどいいんです。
ゲームを覚える時も同じですね。
最初は基本ルールを学んで、その後にオプションルールを取り入れていく。
一般の人向けには、何ごとも「シンプルでわかりやすく」が一番です。と…少々当時を思い出し脱線してしまいました(すいません)。
1,500人分の制服、に戻りますね。
制服は1名につき1セットではないので(最低2~3セット)、ディーラー服のレンタル価格はかなりの金額となり得ますね。
制服は、スポット的に現場入りするアルバイトディーラーはレンタルで…フルタイムで働くディーラーさんには買い取ってもらいましょう(学校の制服と同じです)!
レンタルにしろ、買い取りにしろ…その次は連動してランドリー(クリーニング業者)が必要になることは簡単に想像できますよね。
あ、ちなみに今日の話はディーラーの制服だけの場合(その他の職位を含んだら、一体どれくらいの売上になるのでしょうね…?)。
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『鍛野ミミの「カジノの目線で」-ここだけばなし-』より一部抜粋
著者/鍛野ミミ
カジノディーラー歴24年。ラスベガスのディーラーライセンスを持ち、日本では数えるほどしかいない、海外大手カジノ事業主の「富裕層・VIPマーケティング」業務を経験した筆者が、これまで語ることのなかったカジノの「アレコレ」を発信していきます。